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IIJの25年度決算は増収増益、「IIJmioギガプラン」は128.4万回線に
2026年5月14日 18:27
インターネットイニシアティブ(IIJ)は14日、同社の2025年度連結決算(2025年4月~2026年3月)を発表した。売上収益は前年度比+9.0%の3453億9500万円、営業利益は+15.7%の348億3500万円、当期利益は+21.4%の244億800万円だった。
ネットワークサービスでは、新規サービスの開発や既存サービスの機能強化などに注力し、売上は+9.9%の1787億円、粗利率は27.1%となった。また、サイバー攻撃の高度化が影響し、セキュリティサービスの売上拡大傾向が続いている。
システムインテグレーター(SI)では、ネットワーク構築など大口の需要が継続している。売上の8割は月額料金による継続的な売上、いわゆる“ストック売上”だといい、「構築から運用保守」に移行しつつあるという。
モバイルは法人・個人ともに増加傾向が継続
ネットワークサービス全体の売上高は前年度比+9.9%の1787億3800万円、うち個人向けインターネット接続サービスは+6.9%の286.7億円、個人向けIIJmioは+7.9%の252.8億円だった。
2025年度末時点のモバイルサービス全体の契約回線数では、法人と個人(IIJmio)、MVNE全体で639.7万回線だった。法人向け回線が357.3万回線、個人向けのIIJmioが143.0万回線、MVNEが136.6万回線だった。
IIJmioのギガプランの契約数は128.4万回線で、第3四半期から+4.6万回線、前年度比で+16万回線と伸長している。また、MVNE顧客数は212社だった。
取締役副社長執行役員(CFO)の渡井昭久氏は、「法人モバイルはIoT利用が多く単価は小さいが、回線数が増加傾向にある。個人向けのIIJmioも好調に推移、継続して伸長している」と分析した。
AIを事業運営の基盤に導入へ
説明会では、代表取締役社長執行役員の谷脇康彦氏は、同社がAIをどのように活用するのか、これまでとこれからの取り組みを説明した。
同社では、2024年11月から「AI導入推進室」を設置し、社内におけるAI活用を進める上での“中核のエンジン”として取り組んできたという。また、社内ではAI利活用ワーキンググループを立ち上げ、全社横断の生成AI活用に関わる情報共有やガイドラインの整備を進めてきた。
ハード面では、同社の白井データセンターキャンパスで、2026年度に稼働する3期棟が水冷環境に対応したものとして運用が開始されるほか、モジュール型のエッジデータセンターも3月から稼働している。
社内での活用だけでなく、実際に顧客向けのソリューション開発も進めている。たとえば、三菱商事などとの合弁会社でAIプラットフォームを開発し、サービスを提供している。
谷脇氏は、同社におけるAI戦略を「単なる業務効率化ツールや一部サービスの付加価値ではなく、事業運営そのものの基盤技術だ」と指摘し、“社員数の削減”ではなく「個人の暗黙知を会社の資産にするため」や「社員の能力を最大化するため」に活用していくと話す。また、顧客ニーズに柔軟に追従できるよう同社のネットワークサービスを効率化、付加価値の創造をしていくと話す。
AI戦略における中核要素として谷脇氏は「AI前提のサービスアーキテクチャ」「AI駆動開発・運営」、「全社共通AIプラットフォーム」「AI-Readyデータ基盤」の4つを挙げる。AIを前提としたサービス設計や全社でAI環境を標準化するなど、AIの活用を前提としたものに体制を整えていく。
今後の注力領域として、たとえばサイバーセキュリティ対策ではこれまで蓄積された知見や技術情報をAIに取り込んで自律的なセキュリティ運用を進める。また、同社として「AIモデルの開発競争」は行わず、AIを安全かつ継続的に動かすために、AI利用を前提としたネットワークやクラウド環境、高発熱に対応できるデータセンター、エッジデータセンターなど高度なインフラ提供者としてのポジションを目指していくという。
鈴木氏、AI時代で「銀行でもAIが業務を遂行する時代」に
代表取締役会長執行役員の鈴木幸一氏は、「ソフトウェア業界で生きてきた人間」として、AIの普及について「さまざまなものがAIに取って代わられる時代になる」とコメントする。鈴木氏は、テレビの生産工場を例に挙げ「世界中のテレビ工場でロボットが導入され、組み立てラインの工員が取って代わられた。今や世界中の工場で工員が並んで作業している光景は見られない」と話す。
現代では、あらゆる産業でコンピューターの使い方が変わってきているといい、工業だけでなく銀行などでもAIやクラウドコンピューティングの普及により、人間がやってきた業務が取って代わられる方向に進むのではないかとの見方を示した。
一方、同社の現況について「コンピューターエンジニアをこれだけ抱えている会社は世界的に見ても少ない」と指摘し、AI時代となっても「大きな成長が期待できる」と自身の見解を示した。
原材料費高騰の影響は?
谷脇氏は、昨今の原材料費高騰について「半導体やメモリーの供給が不安定な状況が続いているが、業績に重大な影響が出る状況ではない」とコメント。また「システムインテグレーターの領域では、仕入れ価格にマージンを加えて売価を設定しているので、利益の影響は限定的。ネットワークサービスでも、利用機器の償却期間が4年くらいなので、一気に影響は出ない」と分析。「品薄になっている状況もあるので、事業者との連携などタイトな運営を継続していく必要はある」とした。
また、ドコモの回線品質への影響については「ネットワーク品質についてユーザーからさまざまな意見が寄せられているのは事実」としつつも「ドコモ起因なのかIIJ起因なのかを完全に切り分けることは難しい」とし、引き続きキャリアとの話し合いを続けていくと説明した。




















