レビュー
「iPhone 13 Pro」カメラをとことん試す、シネマティックモードや望遠カメラの魅力とは
2021年10月8日 00:00
アップルから「iPhone 13」シリーズが発売された。「iPhone 13」、「iPhone 13 mini」、「iPhone 13 Pro」、「iPhone 13 Pro Max」という今年も4機種のラインアップになっている。さっそく「iPhone 13 Pro」を入手したので、ブラブラとあちこちを撮り歩いてみた。そのカメラ機能の率直な印象をお伝えしたいと思う。基本的なスペックなどは既報の別記事を参照していただきたい。
アップデートされたトリプルカメラ
「iPhone 13 Pro」に搭載される3つのカメラは全て1200万画素。焦点距離はそれぞれ、
- 超広角カメラ:35mm版換算 約13mm F1.8
- 広角カメラ:35mm版換算 約26mm F1.5
- 望遠カメラ:35mm版換算 約77mm F2.8
となっている。
超広角カメラはマクロ機能搭載およびオートフォーカス化され、広角カメラは画素ピッチ1.9μmの、より大きなセンサーを搭載、望遠カメラは焦点距離が長くなるなど、レンズ設計を含めてカメラ周りに手が入れられた。カメラ性能にこだわる「iPhonegrapher」ならつい欲しくなってしまうアップデートである。
毎年「iPhone」を入手して使っているが、昨年は6.7インチディスプレイ搭載の大きくて重い「iPhone 12 Pro Max」を選んだ。しかし今年は6.1インチディスプレイの「iPhone 13 Pro」を選択した。
それはなぜか。
昨年は「Pro Max」と「Pro」のカメラ機能に差があったからである。センサーサイズが大きくカメラが高性能だったため、仕方なく「Pro Max」を使っていたという理由があった。今年のモデルはその差がないので、取り回しのいい「iPhone 13 Pro」をチョイスした。これにより軽快な撮影を楽しめている。
新機能いろいろ
「iPhone 13 Pro」は新機能が盛りだくさんだ。好みの色合いやトーンを撮影時に適用できる「フォトグラフスタイル」。そしてムービー版ポートレートモードとも言える「シネマティックモード」だ。さらに近い将来「ProRes」での収録と編集機能が追加される予定となっている。
「フォトグラフスタイル」は撮影時に自分好みのテイストをつけられるプリセットだ。空やスキントーンはオリジナルの雰囲気を残しつつ、設定した鮮やかさやコントラストを撮影ごとに適用できる。
「標準」「リッチなコントラスト」「鮮やか」「暖かい」「冷たい」という5つのセットから「トーン」と「暖かみ」のパラメーターを調整して撮影可能。あとからフィルターをかけるのではなく、シャッターを切るだけで選択したスタイルでの撮影ができるのである。
ただ残念なのは「ポートレートモード」との併用ができない点とパラメーターが少ない点だ。今後の進化に期待したい。
シネマティックモード
テレビCMやアップルのWebサイトで大々的にフィーチャーされている目玉機能が「シネマティックモード」だ。
これは言わばムービー版ポートレートモード。ボケ効果を作りつつ、フォーカスするポイントをコントロールできる。
「A15 Bionic」と「Neural Engine」の演算によって、フレーム内の被写体に瞬間的にフォーカシングして、なおかつ自動的に切り替えるというまさに映画のようなシーンを撮影できる。
もちろん編集画面でF値を変更してボケ味を変えたり、フォーカシング位置を指定したりすることも可能である。一度使うと面白くて病みつきになる機能だ。これは超広角カメラをのぞくアウトカメラと、TrueDepthカメラ(インカメラ)で使用できる。
「iPhone 13 Pro」実写インプレッション
発売から1週間ほど「iPhone 13 Pro」を手にブラブラと撮影した。使い勝手はiPhoneらしく良好だった。やはり「iPhone 13 Pro」は軽快でいい。各撮影モードでの印象をお伝えしたい。
まとめ
「iPhone 13 Pro」は誰が撮っても失敗がなく、万人がキレイだと感じる写真を多く撮影できるスマートフォンに仕上がっている。
アップデートされたカメラユニットは総じて素晴らしい性能で、ほとんどのシーンで鮮やかで精細感あふれるカットを手にできるはずだ。少しでもいい写真を撮りたいのであれば「無印」の「iPhone 13」シリーズではなく「iPhone 13 Pro」シリーズをチョイスしたい。
しかし、本誌でも既報の通り、グーグルから「Pixel 6」もそろそろ登場する見込みだ。もしこれから新機種購入を考えているのなら、「Pixel 6」シリーズの登場を待ってから判断するといいかもしれない。