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「Google Play」が果たす役割とは、開発者とユーザー双方に働きかける最新アップデート
2025年11月20日 19:20
グーグル(Google)は20日、記者向けにアプリストア「Google Play」に関する説明会を開催した。スマホ新法の施行が12月に迫る中、あらためて、Google Playの役割や今後提供される新機能が説明された。
ベスト オブ 2025
Android & Play事業本部マネージングディレクターの菅野圭吾氏はまず、年間のGoogle Play配信アプリ、ゲームを表彰する「Google Play ベスト オブ 2025」を発表。ベストアプリには「DMM TV」が、ベストゲームは「Pokemon TCG Pocket」(通称ポケポケ)が選ばれた。「Pokemon TCG Pocket」は、日本だけではなく米国や欧州でもベストゲームを獲得しており、菅野氏は「快挙だ」と評価する。
また、部門ごとにもアワードを受賞。カーアプリ部門で獲得した「radiko」については、ユーザー体験をベースにした評価だという。ドライブ中にその地域だけでなくさまざまな地域のAM/FMラジオの番組を楽しめることが評価されたとみられる。また、今回からは注目トレンド部門も新設。ある意味新人部門ともいえるこの部門では、今後流行しそうなアプリがピックアップされている。
AIでの開発支援を拡大
「Google Playの役割は、開発者とユーザーを繋ぐ役割」という菅野氏は、開発者向けに開発プロセスの効率化とビジネスの拡大支援、マルチデバイス対応を主軸に開発者をサポートしていると語る。
特に、近年は生成AI、グーグルのGeminiをアプリの開発や運営に取り入れやすい環境を整備している。19日に発表になった「Gemini 3」では、テキストや画像、動画をシームレスに理解できるマルチモーダルの能力を備えている。また、より深い意図を読み取れる推論力を備えており、これらの能力をアプリでも活用すれば、より開発を効率化できるという。これらは「Prompt API」を導入することで、画像理解とコンテンツの分析、文章作成の面でアプリ内に簡単に組み込め、アプリを進化させられる。
また、生成AIを使った画像編集ツール「Firebase AI Logic」も用意している。AndroidデバイスでさまざまなAIに対応することができる。
開発者を支援するAIもある。統合開発環境「Android Studio」では、エージェントAIを備えており、自然言語で指示すると、複雑なコード変更の計画から実装、実行までをオートパイロットで処理する優れもので、開発者からも「開発チームの作業時間が大幅に削減できた」と前向きな声も聞かれるという。
シームレスなマルチデバイス体験
Androidスマートフォンだけでなく、タブレットやパソコンなどさまざまなデバイスでのアプリ体験にもグーグルは力を入れている。たとえば、さまざまなUIに変換できるツールキットを用意している。
これをアプリに入れてしまえば、さまざまなUIに対応でき、マルチデバイス対応が効率的にでき、時間が大幅に削減できる。
ビジネスの成長
Google Playは、Androidデバイスのアプリやゲームの玄関口として機能している。何十億ものユーザーに、Androidの世界への入口として機能している。同社では、単にアプリをダウンロードできる置き場としての機能だけでなく、新しい、魅力的なコンテンツと手会える場にしようと機能拡充を行っている。
たとえば、スペース機能では、国や地域によって異なるカテゴリーの情報や機能を集めている。日本ではコミックスペースとして月間100万人のユーザーが漫画タイトルの試し読みやファン同士の交流などに利用している。これがブラジルになるとサッカー、インドではクリケットのスペースが用意されており、より地域の文化に即したものが設けられている。今後、韓国ではエンターテイメントのスペースが展開され、世界中の多くのユーザーの興味関心を通じてアプリを紹介していく。
さらに、アプリのホーム画面最上段には、最新のトピックを表示する「スポットライト」が用意される。こちらは、今後日本でも展開されていく。
ゲームは重要
菅野氏は、Google Playにおいて「ゲームの世界は重要」との考えを示す。毎月20億人以上のプレイヤーがGoogle Playにアクセスしているといい、デベロッパーと協力して、よりシームレスにマルチプラットフォームでゲームができる環境作りを進めている。成果として、現在モバイルとパソコンの両方で遊べるゲームが30万以上あるといい、パソコンのゲーム市場でも「Google Play Games」の存在感は高まってきている。
「Google Play Games」では、プレイしながらリワードを得られるプログラムが好評を得ており、今後さらに直感的にプレイできる2つの新機能が今後展開される。
1つ目は「サイドキック」機能。サイドキックは「相棒」を意味していて、Geminiを使ってアドバイスを表示させる。菅野氏は、「ゲームの攻略本のようなもの」とたとえ、ユーザーにあわせたアドバイスが確認できるようになる。今後数カ月以内にグローバルで提供される。
2つ目はプロフィール機能。クーポンなどのリワードを確認したり、最近プレイしたゲームの最新情報を確認したりできる。
このほか、ユーザー同士を繋ぐ「リーグ機能」などが一部のタイトルで搭載されており、今後タイトルを増やしていきたいとしている。
また、Google Play Gamesでは、リワードプログラムを展開している。過去の東京ゲームショウでは、リワードプログラムのランクに応じてVIPラウンジを提供しており、リアルの場でもそこでしかできない体験を楽しんでもらえる場を提供していく。
プラットフォームとしての安全性
菅野氏は、プラットフォームにとって信頼性は基盤になるところと指摘。「信頼性と安全性は一番重要な部分」だとし、継続して進化していかなければならない部分だと協調する。
安心安全なアプリ体験を提供する施策の1つとして、決済部分を菅野氏は挙げる。Google Play内での決済では、利用時に生体認証を組み込んでおり、安全かつ素早い決済体験ができるように工夫されている。「安全性を担保しながらも、スムーズな決済体験を提供できている」と菅野氏は話す。
また、プラットフォーム上でマルウェアアプリなど不正なアプリを検知しブロックする「Google Playプロテクト」では、毎日プラットフォーム上で2000億個のアプリを検査しているという。菅野氏は「数のイメージがつかない」とこぼすほど大量のアプリを検査しており、30億人以上のユーザー端末が安心して使えるようにしている。
実績として、2024年の1年間で約1300万個の悪質なアプリを検出している。Google Play以外で配信、取得されたアプリも検査しているといい、これらサイドローディングでダウンロードされたアプリは、Google Play配信のものと比較して50倍以上の数がマルウェアとして検出されているという。
無論、Google Playでは、アプリが公開される前にアプリの検査を実施。2024年の実績として、236万本のアプリをポリシー違反として配信を止めており、15.8万の悪質な開発者のアカウントを無効化している。また、機密データへ不必要にアクセスしている130万本のアプリも、公開が阻止された。
Google Playでは、今後も開発者とユーザーに価値ある関係を作ることをミッションに、技術とプラットフォーム、AIの力を持って開発者を支援、そしてユーザーに出会いを届けられるよう尽力していくとしている。





























