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Apple、EU域内で「アプリ開発者が専用アプリストアで配信」を選択できるように――今春には開発者のWebサイトで配信が可能に

 アップル(Apple)は現地時間12日、EU域内の同社デバイス向けアプリの配信について、開発者がApp Storeによらないアプリ配信を選択できるようにすると発表した。

 今春後半には、開発者のWebサイトから直接EU域内のユーザーにアプリの配布ができるようになる。

 この取り組みは、EU域内に適用される規則「Digital Markets Act(DMA)」に遵守するための取り組みとみられる。

 具体的には、その開発者のアプリのみがラインアップされた独自のアプリストアで配信することや、外部のWebページで商品やサービスの取引が完了するよう誘導する場合、独自にプロモーションや割引などができるようになる。

 また、今春後半のソフトウェアアップデートで提供される「Web Distribution」では、認定デベロッパーが所有するWebサイトからiPhoneアプリを配布できるようになる。

 この方法で配布するアプリの開発には、アプリ配布やシステムとの統合、アプリのバックアップと復元が容易になるAPIを提供するとしている。また、ほかのiPhone向けアプリと同様に、プラットフォームを保護するための要件を満たすことや、Webサイトのドメインを開発者向けサイト「App Store Connect」に登録する必要がある。

 Web配布ができる開発者は、EU内で法人化、住所登録などを行っており、その情報が「Apple Developer Program」に登録されている開発者。さらに、「Apple Developer Program」のグッドスタンディング(good standing)メンバーとして2年以上継続、前年度にEU域内のiOSで年間100万回以上の初回インストールを記録したアプリがあることが条件とされている。