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GoogleがEpic Gamesの提案に反論、「Androidエコシステムに害を及ぼす」

 米グーグル(Google)は、Androidやアプリストア「Google Play」をめぐり、米Epic Gamesが米国連邦裁判所に出した提案について、強く反対する姿勢を示している。

経緯

 グーグルに対しては、米国の反トラスト法(独占禁止法)に違反するとして、複数の州が同社を提訴。和解案が示され、2023年9月に合意に達していた。

 集団訴訟の内容は、Google Playがアプリ提供プラットフォームとして独占状態にあり、利用者が高いアプリ利用料を支払うことになっているというものだった。

 「フォートナイト」などを手掛けるEpic Gamesは訴訟結果に対して声明を出し、救済措置を求める構えを見せていた。

Epic Gamesの提案

 米国の陪審裁判においてGoogle Playが違法であると判断され、Epic Gamesは2024年4月、グーグルが変更すべき点を盛り込んだ提案を、米国連邦裁判所に提出した。

 これには、ユーザーが公式のアプリストア(Google Play)以外からアプリをダウンロードできる「サイドローディング」について、警告を表示させないようにする要求が含まれる。

 また、アプリの配布手段がどのようなものであっても、すべての開発者に対してAndroidプラットフォームへの平等なアクセス権を提供するよう求めている。サードパーティのアプリストアが、Google Playのアプリカタログにアクセスできるようにする要求も含まれる。

 そのほか、アプリ内課金の手段の自由化なども含まれ、開発者や利用者に対してさらなる選択肢を与えるものとしている。

グーグルの反論

 Epic Gamesの提案に対し、グーグルは「Epic Gamesの要求は、我々が2023年に各州と和解した内容を踏まえると、不必要なもの」と反論。

 Epic Gamesの提案を受け入れた場合、ユーザーがGoogle Play経由で自身の端末にダウンロードしたアプリについて、あらゆるサードパーティのアプリストアに伝える必要が出てくるという。グーグルではこれについて、「明らかにプライバシーの侵害である」としている。

 また、サイドローディングに関する保護を緩和することによって利用者の安全が脅かされるほか、Epic Gamesの提案は、開発者の知的財産に関する権利を侵すものでもあるとする。

 Epic Gamesの提案が「自社(Epic Games)だけが利益を得られるよう設計されたもので、Androidエコシステムに害を及ぼす」と主張するグーグルは、この提案に対して異議を唱えていく構え。