ニュース

iPhoneが「スマホ新法」に対応、「サードパーティのアプリストア」開放や決済の多様化

 アップルは18日、日本国内でのアプリ配信や決済に関する仕様を大幅に変更した。スマートフォンソフトウェア競争促進法(スマホ新法)の施行に伴うもの。

 iOS 26.2以降のiPhone向けとなり、開発者はApp Store以外の経路でのアプリ配信などを利用できるようになる。

アプリ配信の自由化と「公証」制度

 今回の変更により、開発者はApp Storeを経由せず、独自の「代替アプリマーケットプレイス」やWebサイトを通じてiOSアプリを配信できるようになる。iPhoneユーザーにとっては、いわゆる「サイドローディング」が実現する。

 これに伴い、アップルはすべてのiOSアプリに対し「公証(Notarization)」という基本審査を導入する。

 「公証」は、自動チェックと人による審査を組み合わせたもので、既知のマルウェアやウイルス、セキュリティ上の脅威がないかを確認する。App Store外で配信されるアプリであっても、この公証プロセスを経ることで一定の安全性が担保される仕組みだ。

決済手段の多様化と新手数料体系

 アプリ内でのデジタルコンテンツやサービスの販売において、開発者は3つの方法から決済処理を選択できるようになる。

 ひとつは従来の「Appleのアプリ内購入」を利用するというもの。

 あるいはアプリ内に「代替の決済サービスプロバイダ」を組み込む。

 そして3つ目として、ユーザーを「外部のWebサイトにリンク」させて購入させるという手段もある。

 これに合わせて、開発者がアップルに支払う手数料体系も刷新される。

 App Storeで配信されるアプリの手数料(コミッション)は、従来の30%(または15%)から引き下げられ、原則「21%」(スモールビジネスプログラム参加者などは「10%」)となる。

 Appleの決済システムを利用する場合、上記に加え「決済処理手数料」として5%がかかる。

 一方、代替決済やWebリンクを利用する場合は、この5%は免除される。ただし、Webサイトへのリンクで購入を完結させる場合、新たに「ストアサービス手数料」として売上の15%(または10%)が適用される。

 また、App Store以外で配信されるアプリについては、デジタル商品やサービスの売上に対し5%の「コアテクノロジー手数料(CTC)」の支払いが求められる。アップルによれば、事業者からの申告をもとに算出される。

 これらの変更により日本でデジタル商品を販売する開発者の手数料負担は、現在と同額かそれ以下になるという。

ブラウザエンジンの開放と子供の保護

 iOS 26.2ではSafariの初回起動時にデフォルトのブラウザや検索エンジンを選択する画面が表示されるようになった。

 ブラウザアプリにおいては、従来のWebKit以外のエンジンを使用することも可能になる。

 一方、新たな配信・決済方式に伴うリスクから子供を守るため、13歳未満のユーザー向けアプリでは外部決済リンクの使用が禁止される。

 また、18歳未満のユーザーが代替決済を利用する場合は、保護者による承認が必要となる仕組みも導入される。

 このほか、チャット型のAIアプリのような音声ベースの会話型アプリを、iPhoneのサイドボタンで起動できるようになる。