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ソフトバンク宮川社長、NTT島田社長の発言に「詭弁に過ぎない」

ソフトバンク代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川 潤一氏

 ソフトバンク代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川 潤一氏は、同社の2024年3月期の第2四半期決算 説明会で、7日の島田明代表取締役社長の「NTT継承資産は政府に帰属」する見解について「詭弁に過ぎない」とコメントした。

 質疑のなかで、NTT島田社長の「公社時代の資産の継承について、株主である政府に帰属している。その後、NTT株が売り出され、最終的な帰属は2/3が民間に移転されている」という発言について意見を問われた宮川氏は、継承資産に関する考え方やNTT法改正の議論そのものの在り方についての見解を述べた。

 宮川氏は「継承資産を保有して運営しているのは、NTT東日本とNTT西日本で、この東西の株をNTT(持株)が100%持っている。この継承資産が株主のものというのは、どこか『NTT自身は直接関係ない』といった主張に聞こえた。公社継承資産を有していることの重要性、当事者意識が希薄しているようで非常に残念。そういった意識であるなら、やはり一度国に返すべきだ」とした。

 また、NTT法改正の議論の仕方についても「偉い方が電気通信事業法でやれるとしたという話が上がったが、これも一個人の考え方だと思う。もっとたくさんの有識者が『おかしい、おかしい』としており、これも一つの声だと思う。その声と声をぶつけあって議論していくのが民主国家だと思う。NTT法は『法律』なわけであるので、法律の改正の議論を今現在自民党のプロジェクトチームでまず議論しているわけだが、本来は『国会で議論すべきもの』ではないかと、これが法治国家というもののあるべき姿なんじゃないか」と苦言を呈した。

宮川社長

 続けて宮川氏は、「結局NTTとNTT以外の意見が対立していることになる。これがもし押し切られた(NTT法が強引に改正された)としても、最後まで我々は腹落ちしない。そうなると、ずっと『NTTが嫌いなポジション』になってしまう。通信会社は、いままで協力して技術面など通信業界を引っ張ってきたのに、こんなことで分裂してしまっていいのか? やっぱりお互いに本当に腹を割って話し合い、誰かが一方的に決めるのではなく、議論した上で次のステージに行かないと、このしこりは10年~20年では取れないと思う。日本の通信にとって非常に悲しいことになってしまう」とし、議論の重要性に対する考えをあらためて示した。