【MWC Barcelona 2022】

クアルコムCEOのアモン氏が「MWC 2022」で語った内容とは

 米クアルコムのCEOであるクリスティアーノ・アモン氏は、スペイン・バルセロナで開催された「MWC 2022」に登壇し、プレゼンテーションを行った。本記事では、その内容を中心にお届けする。

アモン氏

「Snapdragon 8 Gen 1」

 アモン氏は、2021年末にクアルコムが発表した最新チップセット「Snapdragon 8 Gen 1」をあらためて紹介。

 同チップセットは、サムスンの「Galaxy S22」をはじめとしたハイエンドスマートフォンに採用されている。アモン氏は、「Snapdragon 8 Gen 1は、優れたAI性能や通信性能を備えている。今後は、これ(同チップセット)を備えたデバイスがより多く登場するだろう」と語った。

「Snapdragon Connect」

 続いてアモン氏は、「Snapdragon Connect」を発表した。これは、“本当の意味でのコネクティビティ体験”を実現するためのもの。

 モバイル通信だけでなく、Wi-FiやBluetoothなどの通信も含めて、高いパフォーマンスを発揮できる製品に対して「Snapdragon Connect」のバッジが付与されるという。

2種類のオーディオプラットフォーム

 次に発表されたのは、2種類の新たなオーディオプラットフォーム「Qualcomm S5 Sound Platform」「Qualcomm S3 Sound Platform」。

 2021年3月に発表されたオーディオ技術「Snapdragon Sound」向けに開発された同プラットフォームにより、ゲームにおける遅延の25%低減に加え、クリエイター向けのステレオ録音機能などが実現する。

Wi-Fi 7対応の「FastConnect 7800」

 続いて発表された「FastConnect 7800」は、Wi-Fi 7に対応したソリューション。

 同ソリューションでは最大5.8GbpsのWi-Fi速度をサポートしており、2022年後半に製品が発売される予定。アモン氏は「サンプル出荷はすでに始まっており、非常に期待している」と語った。

5Gモデム「Snapdragon X70 5G」

 5Gモデムとして、「Snapdragon X70 5G」が発表された。同モデムは、600MHz〜41GHzまで、すべての商用5G帯域をサポートできるものとなっている。

 4Xダウンリンクキャリアアグリゲーションをサポートし、ダウンロード速度は最大10Gbps。

5Gミリ波の普及に向けて

 続いて、エリクソン CEOのボリエ・エクホルム氏が登壇。

 クアルコムやエリクソンは、5Gミリ波の普及などを目的としたGSMAの「5G mmWave Accelerator Initiative」に参画している。

 両者は、エネルギー効率の向上なども図りながら、5Gネットワークの拡張に関する研究開発を推進していく。

エクホルム氏

パソコンやモビリティ、XRも

 クアルコムは、「Windows on ARM」の拡大に向け、ARMベースのプラットフォームへ移行するパソコンベンダーをサポートしている。

 連携先のひとつであるレノボのルカ・ロッシ氏(シニア・バイス・プレジデント兼インテリジェント・デバイス・グループ プレジデント)は、ノートパソコン「ThinkPad X13s」やスマートグラス「ThinkReality A3」を紹介。

 ロッシ氏は、クアルコムとの長期にわたる協力関係を紹介しつつ、“真のモバイル性”の実現に向けた取り組みを続けていくと語った。

ロッシ氏

 また、アモン氏は、XR分野におけるバイトダンスとの協業や、モビリティ分野における取り組みなども紹介。さまざまな分野において、新たな価値を創造していくとした。

オープンかつ仮想化された5Gインフラの普及へ

 クアルコムでは、オープンかつ仮想化された5Gインフラの普及を促進すべく、富士通や楽天モバイルなどとも協業しながら取り組みを進めている。

 アモン氏は、「こうしたパートナーシップをどう発展させていくかということに関して、とても興奮している」と語り、プレゼンテーションを締めくくった。