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「IIJmioの15GBプラン値下げ」、その背景はユーザーの“中容量シフト”――谷脇社長が語る

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、2026年3月期第3四半期決算を発表した。売上高は2493億3000万円で前年同期比8.7%増。営業利益は244億1000万円で17.9%増。当期利益は162億7000万円だった。本稿では、個人向けモバイル事業の動向を中心にお伝えする。

IIJ 谷脇康彦社長

モバイル事業は好調、個人向けはより大容量を求める傾向に

 モバイル・IoT事業の売上高は410億4000万円。そのうち、個人向けモバイルサービス「IIJmio」は187億4000万円を売り上げた。「ギガプラン」の回線数は123万8000回線。前年同期は108万5000回線で、1年を経て約15万回線の増加と順調な伸びを見せており、前四半期の121万6000回線と比較しても、成長基調が続いていることがわかる。

 2025年3月のギガプラン改定が回線数の伸びに寄与した。また、2025年4月に始まった日本航空による「JALモバイル」も同じく、個人向けモバイルの成長につながった。eSIMの契約数は20万回線を突破したという。

 IIJmioでは2025年3月の「ギガプラン」のプラン改定に引き続き、この3月にもギガプランのうち、15GBのプラン(15ギガプラン)を値下げする。音声通話付きの場合、現行の1800円から1600円に、データ通信専用プランも1730円から1530円に改定され、それぞれ値下げ幅は200円となる。

 IIJmioの主力は5GBを中心とした比較的低容量帯で、IIJmioユーザーの4割を占めている一方、15GBのユーザーは4%弱に留まる。インターネットイニシアティブの谷脇康彦社長は「(2025年の)3月時点では15GBプランの料金は改定していなかった。しかし最近は5GB以上の中容量帯のプランにユーザーが移り始めている」と15ギガプランの料金を値下げした意図を説明した。

 徐々に中容量帯にユーザーが移り始めていることについて「スマートフォンの高機能化やサービスのリッチ化がある」と見解を示す谷脇氏。そうした環境の変化を踏まえての15ギガプランの値下げだと説明した。

オプテージの「フルMVNO」参入

 IIJと同じく、MVNO型の携帯電話サービス「mineo」を手がけるオプテージは、2027年度にも音声通話も含めたフルMVNOサービス事業に参入することを発表している。

mineoの発表会(2026年1月撮影)

 IIJもデータ通信サービスでフルMVNOサービスを展開しているが、オプテージでは、音声通話やSMSも含めた形での提供を目指す。加入者管理装置を含めたコア設備を自社で保有することで、SIMカードの自社発行やMNPの手続きが自社で行えるため、より柔軟なサービス設計が可能になるなどのメリットがある。

 谷脇氏は「フルMVNOとしてのプレイヤーが増えるという点では非常にいいことと思う」と市場の活性化を歓迎する姿勢を見せる。加えて、IIJ自身の音声フルMVNO参入の可能性については「我々のフルMVNO事業をさらにエンハンス(拡張)していくことも可能性として、当然考えなくてはいけない。これまでも検討してきたことだが、今後も実現に向けて頑張っていきたい」と言及した。

 オプテージのフルMVNO参入の表明に加えて、異業種からの参入も増加傾向にあるなど、動きを見せているMVNO市場。谷脇氏は「MVNOが増えるとモバイル市場全体が活性化する。JALのように経済圏があり、さらにモバイルをツールとして活用すると、市場全体の活性化にもつながる」と語る。IIJ自身も他社に回線を提供するMVNEとして、引き合いがあるとしており今後注力する分野のひとつと位置づけた。