スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

使うぜ、「Google Pixel 7 Pro」!!! バイバイ、iPhone……

「Pixel 7 Pro」を約2カ月使い「これは買いの端末だ」と思った

 メイン端末はiPhoneとしている俺だが、仕事柄「Android端末もちゃんと使わないと視野が狭まる」というコトでAndroid端末も前のめりで使うのである。Androidにはおもしろい端末が多いというのもある。

 そして「やはりコレは必須」ということで、たまーにGoogle Pixelシリーズスマートフォンを買う俺。ここ5年ほど、Pixelシリーズを使っている。

 なぜPixelシリーズが必要かと言えば、まあAndroid端末のリファレンス的存在なので、Androidを理解するには最適。また、いわゆる“Google体験”を真正面から受けることができる端末だからだ。あとPixelシリーズは比較的に安価だと感じられる。

 ほか、iPhoneと比較しつつ使う必要もある。たとえばGoogle各サービスとか両プラットフォームに存在するアプリなどの使い心地の違いを、PixelとiPhoneで比較する。本家の端末どうしで使い比べるわけですな。

 ただ、今年の年始頃から俺の“Pixelを買う理由”が大きく変わってきた。それはその頃使っていた「Google Pixel 4a」にて「レコーダー」アプリの“日本語文字起こし機能”を体験したからだ。録音中の日本語会話などをリアルタイムでテキスト化する機能で、2021年10月発売のGoogle Pixel 6シリーズの機能だったが、その後にPixel 3a~Pixel 5a(5G)でも使えるようになった。

 日本語会話などの音声がテキスト化される精度は、仕事で十分使えるレベル。俺的にはPixelを積極的に買うための大きな理由ともなった。

 現在では日本語音声をテキスト化をするサービスはいろいろあるが、「レコーダー」アプリの日本語文字起こし機能はスゲく衝撃的だった。インタビューとか会議とかの声が日本語テキスト化されるとなると、ライター稼業の「録音を耳で聞いて手でテキスト化する」という超絶かったりぃ作業が自動化されてイーヤッハァー超ハッピィー的に効率化されるからだ。

 そして「Pixel 7 Pro」を購入。よし最強のボイスレコーダーを手に入れた。

 と、ひとまず満足&安心したが、「Pixel 7 Pro」を使うほどに「おっ!!!」「えっマジ!!!」と驚いた。そうして約2カ月。「Google Pixel 7 Pro」は買いの端末だ」と強く思った。

 同時に、それまで使っていたメイン端末である「iPhone 13 mini」を手放すことにした。バイバイ、「iPhone 13 mini」、サイコーにカワイくてキュートでデキるコだったけど、次のユーザーもきっとキミのコトが大好きになるから安心してApple Trade Inしてくれ!!!

 つまりは「iPhone 13 mini」+「iPhone 14 Pro Max」という2台持ち運用だったのを、「iPhone 14 Pro Max」 + 「Pixel 7 Pro」という2台持ち運用に変えることに。メイン端末は「iPhone 14 Pro Max」である。さておき以降、「Pixel 7 Pro」についてレビューしてゆきたいッ!!!

「Pixel 7 Pro」はカッコよくて高性能だが案外安かったのダ!!!

 「Google Pixel 7 Pro」のGoogleストア価格は12万4300円から。最近のスマートフォンはお高いわねぇとか思うものの、じつは超絶欲しい気がしていたPixel 6 Proを危うく買いそうになるもギリギリ踏みとどまり続けてきた俺なので、野獣が獲物に襲いかかる勢いで「Pixel 7 Pro」を購入した。白の256GBにした。

「Pixel 7 Pro」はHazel、Snow、Obsidianの3色展開。Hazelのみ容量は128GBで、価格は12万4300円。SnowとObsidianは128GBと256GBがあり、128GBが12万4300円、256GBが13万9700円

 13万9700円かぁ〜と思いつつ野獣の迫力でポチッと買ったわけだが、後々考えてみたら支払った合計金額は10万730円だった。というのは“Pixel 7シリーズ10%OFFクーポン”をもらえたのと、死蔵していた4年前の端末こと「Google Pixel 3 XL(64GB)」を2万5000円で下取ってくれたからだ。

 10万730円かぁーじゃあまぁイイかなーと思っていたら、「Pixel 7 Pro」購入直後にGoogleから「35000円分のGoogleストアクレジット」が贈呈された。マジか!!! じゃあ13万9700円×0.9-2万5000円-3万5000円で6万5730円なのかーっ「Pixel 7 Pro」実質購入金額は!!! ……「iPhone 14 Pro Max(256GB)」(256GB)が17万9800円だったから、その1/3くらいの値段だョ! 安っ♪

 そして「Google Pixel 7 Pro」着弾&開梱。第一印象は「カッコイイし高級感がある」というものであった。

 「Pixel 7 Pro」(Snow)の背面は滑らかなガラス製で、サイドは光沢のあるアルミニウム。カメラ部分(カメラバー)もアルミでサイドとつながって見える。サイドはガラスとアルミが半々という感じでラインが入っており、それが「Pixel 7 Pro」をより薄く見せているように感じる。

ガラスとアルミのシンプルな素材感と静かな光沢がある。13万9700円以上の高級感がある(実質6万5730円だったけど)
出っ張りのある複眼カメラ端末としては、カメラ部のデザインなど処理が非常にスマートにまとまっている、と思う。カッコイイ

 ご存知のとおり「Pixel 7 Pro」はGoogleが作ったスマートフォン。チップセットとしてGoogleが設計した「Tensor(テンサー)」の最新世代版である「Tensor G2」を搭載している。省電力性能やAI処理性能を高めたプロセッサで、後述の静止画処理機能や顔認証・指紋認証併用機能などもこのプロセッサならではのもの。

 「Pixel 7 Pro」のメモリは12GBでストレージは128GBもしくは256GBから選べる。サイズは高さ162.9×幅76.6×奥行き8.9mmで、重さは212g。6.7型有機ELディスプレイ(3120×1440ピクセル)を搭載し、リフレッシュ・レートは最高で120Hz、HDRをサポートする。最大輝度は1000ニト(ピーク輝度1500ニト)で直射日光下での視認性も良好だ。

 セキュリティは指紋認証と顔認証にも対応。指紋認証と顔認証を併用でき、多くのシチュエーションで快適な画面ロック解除を行える。なお、顔認証は画面ロック解除のみに対応し、購入の承認や特定アプリのロック解除には指紋認証が必要になる。

 ほか、eSIMやおサイフケータイに対応していたり、5G通信対応だったりもする「Pixel 7 Pro」。ただし5Gについてはドコモ「n79」に非対応。ドコモ5Gのミリ波以外の周波数は「n78」と「n79」があるが、「n79」は世界的にはあまり採用されていないため、海外製スマートフォンは「n79」非対応端末が少なくない。ともあれ「Pixel 7 Pro」は「n79」非対応なのでドコモ5G網を十分に利用できないことになる。そのほか詳細なスペックはコチラをご参照いただきたい。

 全体的な使用感としては、なにをしてもサクサク&キビキビという感触。俺の場合はPixel 4aとの比較で、まあ2年くらい前の端末でメモリ容量も異なるので、当然と言えば当然かもしれない。

 とくにスムーズさを感じるのは画面ロック解除。顔認証がクイックで、そうでない場合でも指紋認証でサッと解除できる。

 顔認証にしても指紋認証にしても、画面上の指紋センサー部をタップする必要がある(顔認証の場合は認証後に上スワイプでもいい)ので、俺の場合は端末を手に取ってとりあえず画面上の指紋センサーに指を当てる。直後、指紋認証は一瞬で完了。認識率も非常に高いと感じられる(画面保護ガラスフィルムを貼っているのに)。また指紋認証が行われる前に顔認証でロック解除されることも多い。

 つまりは端末を手に持って画面上に指を置くと、指紋認証か顔認証のどちらかが速攻で機能して画面ロックが解除される。こんなにスピーディかつ的確にロック解除ができるスマートフォンは初めてかもしれない。iPhoneのFace IDも認証は高速だが、直後に上スワイプしてロック解除となるので、なんかこう一瞬の間がある感じがする。それに比べると「Pixel 7 Pro」のロック解除は爆速って印象がある。

 ただ、ロック解除時の動作においては、Pixel 4aのように指紋センサーが端末背面にあるほうがスマートのような気がする。というのは片手で端末を持ちつつその手の指を指紋センサーに当てればロック解除ができるからだ。つまり片手のみでのロック解除が可能。

Pixel 4aの指紋センサーは本体背面にあるので、片手のみでのロック解除が可能。

 とか考えると「「Pixel 7 Pro」の指紋センサーも端末背面だったらいいのにニャ」とか思う俺であった。片手&爆速ロック解除なんてサイコーだと思うのだが「なんで俺はロック解除の話を長々と書いてるのかニャ」とも思うのであった。

「Pixel 7 Pro」のカメラ機能は強力!!! これはツカエる!

 「Pixel 7 Pro」は俺におけるAndroid端末のリファレンス機でありかつスゲく実用的な自動テープ起こし端末ということで買ったわけだが、軽くカメラ機能にも期待していた。ら!!! その期待は大いに裏切られたっつーか、軽い期待が重い衝撃に変換されて俺を襲った。

「Pixel 7 Pro」のカメラ部。3つのレンズがあり、左から広角カメラ用レンズ、超広角カメラ用レンズ、望遠カメラ用レンズとなる。望遠カメラ用レンズはペリスコープ型(プリズムを使用した屈曲光学式)で、そのためにレンズ部が四角く見える
「Pixel 7 Pro」の標準カメラアプリの表示例(横位置)。「.5×(超広角レンズ使用/35mm換算12mm)」「1×(広角レンズ使用/35mm換算24mm)」「2×(広角レンズ使用/35mm換算48mm)」「5×(望遠レンズ使用/35mm換算120mm)」で撮影倍率を切り替えられるほか、スライダーで撮影倍率をシームレスに調節することもできる。※本記事の35mm換算値は概数
「5x」以上の望遠撮影(AIの画像処理に超解像ズーム)も可能で、最大30倍の超解像ズーム撮影を行える

 つーかですね、「Pixel 7 Pro」のカメラ機能、かなりイイんスよ。画質もイイし手ぶれ補正も強いし望遠撮影もかなりイケる。AI超解像ズームも「けっこうツカエる」という画質。そして後述するがAIによる写真編集機能も強力でありかつ実用的なのであった。

 で、まずは「Pixel 7 Pro」のカメラ画角から。以下の画像はリサイズ処理および人物が入っている場合はモザイク処理をしている。

「.5×(超広角レンズ使用/35mm換算12mm)」で撮影。茨城県牛久市にあるブロンズ製大仏立像こと「牛久大仏」ですな。全高120メートル
「1×(広角レンズ使用/35mm換算24mm)」で撮影
「2×(広角レンズ使用/35mm換算48mm)」で撮影
「5×(望遠レンズ使用/35mm換算120mm)」で撮影。ここまでが各レンズをそのまま使って撮った画像だ
「10x(AI超解像ズーム/35mm換算240mm」で撮影。十分ツカエる解像感だと思う
「30x(AI超解像ズーム/35mm換算720mm)」で撮影。拡大すると「デジタルズームっぽいな」と感じられるが、スマートフォン画面でのパッと見ではよくわからない。

 30倍撮影は「わーこんなに被写体を引き寄せられるー!」というインパクトが強く、画質もそこそこイイので、なんかこーAI超解像ズーム云々を忘れる感じ。10倍くらいなら画質も良好なので素材性がある写真となる。俺的感覚では15倍ズームくらいまで「これならツカエる」という印象だ。

 あと、高倍率ズーム時の手ぶれ補正が「とてもよく効く」のだ。30倍ズーム(35mm換算720mm)あたりにすると通常の感覚では「激しく手ブレする」って感じで手持ち撮影は無理のハズなのだが、「Pixel 7 Pro」だと被写体が「スッと静止する」という感覚。動画でも同様に手ぶれ補正がよく効くという印象だ。

室内で30xズーム撮影している状態のスクリーンショット。画面端にはターゲットスコープ的な表示がなされ、被写体のどの部分をズームしているのかわかる。ていうか30倍の手持ち撮影のスクリーンショットなのにブレずに取得できてるってスゴくないスか?

 牛久大仏はあいにくの天候で微妙にネムい写真となったが、じつは「Pixel 7 Pro」ったら発色も精細感も良好な写真がしっかり撮れるのであった。そんな作例を以下に。これらはリサイズのみしている写真だ。

「.5×(超広角レンズ使用/35mm換算12mm)」で撮影。発色を少し“盛っている”感じがするが、色も精細さも良好
「.5×(超広角レンズ使用/35mm換算12mm)」で撮影。すっきりとヌケのいい描写だ
「.5×(超広角レンズ使用/35mm換算12mm)」で撮影。明暗階調もなかなか良好
「1×(広角レンズ使用/35mm換算24mm)」で撮影。木々のディテイルもよく写っている
「5×(望遠レンズ使用/35mm換算120mm)」で撮影。この倍率がナニカと便利だと感じる
「1×(広角レンズ使用/35mm換算24mm)」で撮影。中央の肉にピントが合っている。その周囲はややボケ気味。「2×(広角レンズ使用/35mm換算48mm)」で撮影したほうがよかったかも
「2×(広角レンズ使用/35mm換算48mm)」で撮影。この倍率は手元の料理を撮るのにちょうどいいかも
「1×(広角レンズ使用/35mm換算24mm)」で撮影。夜景も得意な「Pixel 7 Pro」であった。ゴーストが少々出ている
「.5×(超広角レンズ使用/35mm換算12mm)」で撮影。東京タワーの展望台から
「1×(広角レンズ使用/35mm換算24mm)」で撮影。これも東京タワーの展望台からの夜景
「1×(広角レンズ使用/35mm換算24mm)」で撮影。東京タワー展望台から見下ろした風景。細部までよく描写されている

 画質も手ぶれ補正機能も良好で、カメラアプリ自体も使いやすい。レンズ部を囲むカメラバーは外観的にもイイが、レンズ部を傷つけにくい構造でもあって扱いやすい。「Pixel 7 Pro」のカメラ機能は、非常に高いレベルで良好なバランスを備えていると思う。

 余談だが、「Pixel 7 Pro」は商品撮影でもけっこうツカエる。↓の記事の写真はほとんど「Pixel 7 Pro」によるもの。盛大にレタッチしてはいるが、仕事に使えるレベルのカメラ性能なのであった。

写真加工系機能もしっかりツカエる!

 これまでPixelシリーズスマートフォンは使っていたものの、カメラ機能はあまり使っていなかった。写真画質についてPixelシリーズにはあまりいい印象はなかったからだ。だが「Pixel 7 Pro」で撮ってみたら高画質。

 また、撮った写真を「Pixel 7 Pro」上で加工してみたら、なかなか実用的。たとえば「ポートレートのぼかし」機能が便利だ。

人物が写った写真を表示すると「背景をぼかす」というボタンが表示される。これはAIが「その写真に使えそうな機能」を自動選択して表示しているようだ。これとは別に「ポートレイトのぼかし」という機能もある。これを使うと背景と前景のどちらかをぼけさせることができる。ぼけの強さも自由に変えられる

 この「ポートレートのぼかし」機能は人物に視線を集めるのに効果的。背景をあまり見せたくない場合にも使える。処理は一瞬だし人物と背景の分離も正確なので、気軽に多用できる機能だと思う。

 それからCMでもおなじみの「消しゴムマジック」機能。使ったことはあったが、改めて使ったら「こんなに手軽だったっけか」とちょっと驚いた。

写真のなかに小さく人物が写り込んでいる。「消しゴムマジック」機能を使うとこういった対象を自動的に見つけてくれる。そして「すべてを消去」を押せばパッと消してくれる。さらに消したいものがあれば、対象を円で囲んだりなぞれば消える
「消しゴムマジック」機能、余計なものをしっかり消してくれるし、だいたい自然な仕上がりになる。……てか、どこまで消せるの? 牛久大仏の写真で試してみた。まず手前の人物や椅子、仏像の頭部を消してみると……あら楽勝で消えた! 後ろの大仏も? あらーこれもサクッと消えた。そしてなんの面白みもない写真が完成して寂しい気分になったョ!

 この「消しゴムマジック」機能の効果的っていうか役立つ使い方を見つけた。それは指の写り込みの消去だ。スマートフォンを保持する指がうっかり写り込んだりすることが、俺の場合多いのだが、その失敗を挽回できる。

あーまたやっちゃったー指の写り込み。「消しゴムマジック」機能を使えばこういう失敗も挽回……というか、ごまかすことができるのであった

 カメラとしてもナイスであり、写真編集マシンとしても秀逸な「Pixel 7 Pro」。このスマートフォンは俺的撮影機材としての地位もスゲく高めていったのであり、俺においてめちゃめちゃコストパフォーマンスが高い機材なのであった。いろいろな観点で「買いの端末」でありオススメ♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。