スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iPhone 14 Pro Maxを買い、約1カ月使って思うこと

高いがうまいスマートフォン、みたいな

2022年秋の俺は、「iPhone 14 Pro Max」「Apple Watch Ultra」「AirPods Pro(第2世代)」を一挙購入した。ので、いま頃になってクレジットカードの請求額がががが!!! みたいな感じではあるのだが……。

 確か「iPhone 14 Pro Max」が手元に届いたのは2022年の10月5日。その日から使い始めて約1カ月が経ったが、毎日じわりじわりと満足感があり、当初の「iPhone 13 Pro Maxから大きくは違わないかも」的な微妙な不安は払拭された。つまりiPhone 14 Pro Maxにかなり満足している俺なのであった。

iPhone 14 Pro Maxの256GB・シルバーを購入した。価格は17万9800円。

 なんかこう、静かだけれど充実した満足感である。この感じナンカに似てるな~と考えていたら、そうだアレだあのお菓子。

 20年くらい前だったか、軽井沢へドライブに行ったときに「茜屋珈琲店」という喫茶店に入った。疲れていて、甘いものとカフェインが欲しい感じ。そこで食べたのが「高いがうまいお菓子」(800円)とコーヒー。お菓子はチョコレートケーキだった。

 現在だとそんなに高くないケーキだが、20年くらい前だと確かに高かったのかもしれない。気持ち的には「おいしくなかったら残念感が強い値段だな」みたいな感じだったが、食べたらしっかりした満足感が得られ、コーヒーと合わせるとさらに別ベクトルの満足感があった。ドライブの疲れは消え、味覚も臭覚もそして視覚までも癒され、それが記憶に残っている。

 iPhone 14 Pro Maxを使った感触はこれとよく似ているのだ。最初は身構えて「フツーだったら残念(な値段)だな」と思っていたが、使ってみたら十分満足。あぁよかった、ふぅ満足、みたいな。

 具体的には後述するが、iPhone 14 Pro Maxならではの機能がどれもけっこうよかった。カメラは予想以上によく、これがiPhone 14 Pro Maxの俺的満足度を底上げしている。てコトで以降、iPhone 14 Pro Maxを約1カ月使っての印象をアレコレ書いてみたい。

なぜiPhone 14 Pro Maxを買った?

 iPhone 14 Pro Maxを買った理由は、仕事柄最新のiPhoneが必要だし、最新テクノロジーをこの手にして感じたいし、というのが表向きなところ。いやコレらが歴とした理由ではあるが、ほかにも「最新iPhoneがいい」と思うややプライベートな理由もある。

 ひとつはカメラ機能。最近のiPhoneの上位機種は世代を増すごとにカメラ機能が向上して画質が上がっている。また、iPhoneは当然だが日々携帯する。ので、気軽にスナップを撮ったりできる。

 まあスマートフォンを使っていれば誰もがスナップ撮影をすると思うが、やはりそういう日常の記録となる写真は、なるべく高画質で残したい。ある日が過去となり、未来にその過去の日の写真を見たときに「あぁ~もっと高画質の写真を残しておいたらなぁ」と後悔し……た記憶が多々あるので、そういう後悔をなるべくしたくないからだ。

 じゃあ最新のデジタルカメラ専用機でスナップを……というのはナイ。スマートフォンと違って本格的な高画質デジタルカメラは携帯性がぜんぜん気軽ではない。「これは絶対撮っておこう」的なイベントがあるか、よほどの撮影好きでなければ、毎日持ち歩いたりしない。

 高級コンパクトデジカメなら携帯性がいいが、これも……毎日持ち歩くってのはナイ。撮る気満々というときに携帯することはあるものの、やはりデジタルカメラ専用機は撮ったあとに画像ブラウザーなどがある環境に写真を転送するのに一手間かかるし、写真しか撮れないデバイスなのにスマートフォンより嵩張ったりする。そういうちょっとの不便が、手軽に持ち歩けはするコンパクト系のデジカメさえ面倒に思わせるのだ。

 カメラを持ち歩かないと、平凡で普通でアリガチ……と思えるけどのちに貴重な瞬間となって残る日常風景は、撮れないのだ。スマートフォンなら持ち歩くし、カメラが内蔵されているから何となく日常を撮ったりできるし、そのカメラ機能が高性能なら、高画質な過去を未来で楽しめる。

 俺がスマートフォンのカメラ機能を重視するのは、「わー最新スマートフォンのカメラはやっぱりキレイだ~バエるゼ~」みたいなこともあるわけだが、それ以上に「現在最もキレイに日常のシーンを残せる常時携帯可能なカメラデバイスがスマートフォンだから」という理由が強い。「高いけど10年後の俺の眼福のために」という強い動機が、最新ハイエンドスマートフォンの価格を乗り越えさせるのであった。

 ほかにも、処理が速かったり、表示が見やすかったり、操作感がより快適だったりするのも理由となる。ちょっとくらい遅くても見づらくても快適さが足りなくても、できることは同じと言えよう。だが、より速く見やすく快適なハードウェアがある現実からすれば、それらの「ちょっとくらい」は少々の鬱憤を生み、その鬱憤は毎日毎日積み重なっていく。病気にはならないと思うが、日々の小さな鬱憤は自分のいろいろな感覚を鈍らせる。鈍らせるというより、敢えて鈍ることで鬱憤をなかったことにしようとする、と思う。

 あと、スマートフォンで撮った写真はクラウドに自動的に上がり、自在に検索したり並べ替えたりして閲覧できる。撮るだけで、そうなるのは、まあ現在では当たり前のことではあるが、デジタルカメラ専用機を駆逐するほどスゴいことだと思う。

 まあこういうのは価値観の違いで「そうそう!」と同意できたり「意味わかんねー」となったり、人それぞれだ。でも俺の場合はこーゆー事柄の優先順位が高いので、迷わずなるべく高性能の最新ハードウェアを買ったりしているのであった。

 ちなみに、iPhone 14 Pro Maxは、それまで使っていたiPhone 13 Pro Max 256GBを下取りにして買った。下取りには「Apple Trade In」を使った。

 iPhone 13 Pro Max 256GBの「下取りによるおおよその返金額」は9万4000円だった。俺が買ったiPhone 14 Pro Max 256GBは17万9800円。差し引き8万5800円。iPhone 13 Pro Max 256GBからiPhone 14 Pro Max 256GBへのハードウェアアップグレード料金が8万5800円なので、まずまず納得できる額となった。

iPhone 14 Pro Maxのカメラはどうなのか?

 iPhone 14 Pro Maxのカメラ機能は、前述の高画質スナップ撮影のためにも重視しているが、それに加えて「仕事で使える画質」ということでも期待していた。ここ4年くらい、iPhoneによる風景写真は、Web記事に十分使える画質があったりする。撮った瞬間「あっコレでいいじゃ~ん!」と採用できる写真になったりする。ロケでミラーレス一眼とかを使うよりもiPhoneのほうが遥かにフットワークがいいので、仕事道具として活躍するシーンが多い。

 今年の元旦は、初日の出をバックに自転車を撮ろうと、超明るいLED定常光ライトとミラーレス一眼を使って撮ったが、なかなか厳しい仕上がりに。定常光の光量がまだ不足していたためだが、同じ状況で「念のために」とスマートフォンで撮った写真は「そう、これ!」という良好な仕上がりになった。コンピュテーショナルフォトグラフィー万歳って感じ。

 閑話休題。

 結局、iPhone 14 Pro Maxのカメラ性能はどうだったのか? 使用約1カ月現在で「十分良好、iPhone 13 Pro Maxより明らかに高画質になった」と感じられる。

 iPhone 14 Pro Maxのカメラは、画面側が1200万画素で背面が4800万画素。ただし背面は4ピクセルを1ピクセルにまとめてピクセルビニング処理を行って1200万画素の画像を生成している。4800万画素をそのまま使うにはRAW撮影する必要がある。

 で、細かい話はさておいて、iPhone 14 Pro Maxのカメラを使い始めた1発目から「おっ♪」と思わせる画質だった。被写体はヘンだが、↓こんなの。なお、以下の作例は断り書きのない限り「リサイズのみで調整処理なし」の写真だ。

iPhone 14 Pro Maxで初めて撮った写真がこれ。マクロモードで撮っている。デジタルタイマーのパッケージ一部で、パンダと猫がカップ麺を食べていてカワイイな~と撮影。撮影場所は自宅仕事場だが、この位置・環境でiPhone 13 Pro Maxのマクロモードで撮ると、もうちょっと眠くて粗くて違和感のある画質になりがちだった。しかしiPhone 14 Pro Maxだとハッキリ&クッキリ。たぶんピクセルビニングが効果を発揮しつつ暗所に強いと言われるセンサーも画質向上を後押ししているのだと思う。

 んんん? もしかしてiPhone 14 Pro MaxはiPhone 13 Pro Maxより、画質かなりよくなってたりする? じゃあパンダと猫がカップ麺食べてるし、中華屋さんに行って食べ物を撮ってみよう! そしてiPhone 14 Pro Maxで撮ったのが↓の写真。

通常撮影モードでレンズは1x(24mm)でチャーハンを撮影。あらま! iPhoneでチャーハンけっこう撮影してきた(しかも同じ店のほぼ同じ場所だ)が、こんなに自然かつリアルかつ精細に撮れたのは初めて!
続いて坦々麺も撮影。これも常撮影モードでレンズは1x(24mm)。発色も解像感もバッチリ。
マクロ撮影モードで撮影。レンズは0.5x(13mm/超広角)。iPhone 13 Pro Maxのマクロモードだとこういう透明感のある写真は撮れなかった、と記憶している。

 撮った写真を見て、スゴイ!!! 凄まじい!!! とか思うと同時に気づいたのは、コレって2000年にキヤノン「PowerShot G1」を使ったときの驚きとよく似ているということだ。その記事はコチラにあるので、興味があればゼヒ。って22年前の記事だが。

 iPhone 13 Pro Maxのカメラ機能はスゴいなぁと思って多用したが、iPhone 14 Pro Maxは明らかにそれを(わりと大きく)上回ってきた、と感じられる。被写体が変わるとまた違うかもしれないが、いまのところはiPhone 14 Pro Maxの連勝という気がする。

 ホントは同じ被写体をiPhone 14 Pro MaxとiPhone 13 Pro Maxで撮り比べたほうがいいと思うのだが、購入後にウカウカしてたらiPhone 13 Pro Maxが下取りで回収されちゃったもんで……すまんす。

 しかしiPhone 14 Pro Maxの画質は明らかにイイかも~と思い、それからビシバシ撮りまくった。以下、iPhone 14 Pro Maxでの作例を、iPhone 13 Pro Maxの画質記憶と交えて掲載してみたい。

大弛峠から空を見上げて超広角(0.5x/13mm)で撮影。空の青を若干強めに出すのは前のiPhoneからの傾向という気がするが、iPhone 14 Pro Maxでは解像感が高まってシャープさが増した写真が多く撮れるという印象だ。
高所から超広角(0.5x/13mm)で撮影。やや逆光で明るい空を入れながらの撮影だが、山々も潰れずに描写されている。スマートフォン写真のなかでは発色も抑え気味のように感じる。いやーしかしかなり鮮明な印象の写真が撮れるようになった。
登山道的なところを下りながらメインカメラ(1x/24mm)で撮影。これも暗部が適切に持ち上げられてイイ感じの仕上がりと思う。
紅葉を逆光で3倍ズーム(3×/77mm)にて撮影。背景がそこそこボケてピントが合った被写体が際立っている。発色も自然でいい感じ。ボケのカタチが微妙に気持ち悪いかな~と思うのは、iPhone 13 Pro Maxでも同様であった。
逆光のススキを2倍ズーム(2×/48mm)で撮影。太陽など強い光が入るとゴーストが出ちゃうのは相変わらずだが、こういう厳しい状況でもなかなか踏ん張って描写してくれる。なお、2倍ズーム撮影時は4800万画素中央部をクロップして画像を生成しているそうだ。
紅葉を3倍ズーム(3×/77mm)で撮影。実物はこれよりもほんの少し彩度が低かったと思うが、それでもさほど違和感のない発色となっている。細部のクリアさも良好。
林道的なところをツーリング中に1枚。メインカメラ(1x/24mm)で撮影したが、細部までよく描写しつつ明暗階調も比較的に豊かだと感じられる。
林道的なところを走行後は洗車。暗いところから明るいところまで適切にコンピュテーショナルフォトグラフィーしてくれつつ、ディテイルの描写も良好で、イイ感じの記録写真となった。現場にいた俺としては「そう、こういうふうに夕方で、バイクはこんな色合いで、空の雰囲気もこうだった」と感じられるので、自然な見え方になるよう処理しているんだろうなと感じる。なお、ナンバーの部分のみモザイク処理している。

 iPhone 14 Pro Maxのカメラは、iPhone 13 Pro Maxからかなり変わったと感じる。もちろんよい方向で。iPhone 13 Pro Maxの写真と比べてみると、iPhone 14 Pro Maxで撮った写真は盛大にイジっても破綻することがないレタッチ耐性が高まりつつ、より広い明暗階調をうまいこと1枚の写真に収めつつ、発色についてもヤリスギ感があまりない自然な色合いになっているように感じる。

 それとiPhone 14 Pro Maxのカメラ、画角のボタンが4つになり、コレがなにげに非常に便利。超広角(.5×/13mm)、メインカメラ(1x/24mm)、2倍ズーム(2×/48mm)、3倍ズーム(3×/77mm)をワンタップで切り替えられる。

ワンタップで4つの画角を切り替えられる。花のマークはマクロモードを意味するが、タップしてマクロモードを解除することもできる。
超広角から15倍デジタルズームまでをシームレスに調節することもできる。
画角の変化
超広角
メインカメラ
2倍ズーム
3倍ズームと切り替えた

被写体に応じて手軽に画角を変えられる。またどの画角もピクセルがデジタルズームなどの処理をされないと思われるので、iPhone 14 Pro Maxのカメラ性能を十分発揮させつつ手軽に画角変更を行えるというわけだ。いろいろと便利だが、食べ物を撮るのにとくにツカエるという気がする。

メインカメラ(1x/24mm)
2倍ズーム(2×/48mm)
3倍ズーム(3×/77mm)。画角の違いを複数枚撮っておくと、目的に応じて使い分けられる“写真の素材性”が高まる。

 それから夜景もイイ感じ。俺は、あーんまり夜景を撮るヤツではないのだが、久々に撮ってみたら「あら~iPhone 14 Pro Maxってこんなにしっかり夜景撮れちゃうんスね~」と思った。以下は東京タワー関連の夜景。

赤が強い感じだが、これは赤い光でライトアップされているからだ。
窓越しに都市を鳥瞰撮影。
ちょっと下向きにして道路を撮影。

 夜景について若干気になるのは、暗い空をミョーに明るく調整してしまうこと。夜のダイナミックな雲も撮るというなら好都合だが、真っ暗闇の空というのが撮りにくいのかもしれない。画角や構図によっては僅かに見える空が真っ黒く潰れてイイ感じになったりはする。暗闇にそびえ立つ東京タワー、という感じで撮影にトライしたが、薄い雲を絶対に明るくしてくれちまう感じでうまく撮れなかった。完全に雲がなければ真っ黒の空が撮れるのかもしれないが。

 動画についてはブレを大きく抑えるアクションモードがすごい。上下左右のブレをかなり抑えてくれてスムーズな動画となる。プライバシーの関係で提示できる作例がないが、「これならジンバル不要」と感じる人が少なくないと思う。

 ほか、ポートレートモードでは手前の被写体をボカすことができるようになったり。

ポートレートモードでは、被写体をタップすることでその背景や前景をボカすことができるようになった。インカメラでも同様で、自分の背景をボカしたり、自分をボカして背景にピントを合わせたりできる。

 あるいは、iOS 16の新機能ではあるが、画像の切り抜きがメチャ簡単にできたり。

撮った写真のなかの切り抜きたい対象を長押しすると、その部分がエフェクトで囲われてコピーなどができるようになる。ドラッグしてほかのアプリを開いてドロップ(貼り付け)することも可能。切り抜き可能な対象はけっこー幅広くて驚かされる。切り抜き不可能な対象の場合、長押ししても無反応だ。

 てな感じで、カメラ関連機能だけでかなり“使いで”があるiPhone 14 Pro Max。画質もがっつり上がっていると感じられる。画質向上はたぶんピクセルビニングがスゲく効いているのだと思うが、カメラ機能重視のiPhoneユーザーはiPhone 14 Pro Max(やiPhone 14 Pro)に要注目だと思う。ぜひショップとかで試用を♪

ほかも細々イイ感じに順当進化

 iPhone 14 Pro Maxを使っていて「やっぱりイイな」と思うのは、例えばディスプレイ。6.7インチSuper Retina XDRディスプレイ(2796×1290ピクセル)は明るいし高精細だし、HDR表示も屋外での表示もピーク輝度が上がってより見やすくなった。HDR表示は相変わらずスゲく美しく、俺の身近にあるディスプレイのなかでもっとも感動的な表示をしてくれる。

HDR撮影されたと思われる写真を表示すると、まぁ透明感あり重厚感ありで美しい。やはりSuper Retina XDRディスプレイはイイ!!!

 ディスプレイつながりでは「常時表示ディスプレイ」が思いのほか便利。スリープ状態でもうっすらと画面表示がなされるというもので、画面を見るだけで日付や時刻、ウィジェットによる情報が見えて実用的だ。

 周囲の明るさに合わせて常時表示の“うっすら表示の明るさ”も滑らかに変わるのもナイス。この明るさ調節がかなり繊細で、本が読めない程度の明るさの常夜灯が点いていると、すごーく薄く常時表示される。そこで照明を点灯させると、フッと常時表示が明るくなる。直射日光下だとさらに明るくなる。そんな挙動をし、どんな明るさのもとでも「画面内容はギリギリ視認できる省電力な表示」にしてくれる。

暗いところでは暗めに、明るいところでは明るめに表示される常時表示ディスプレイ。便利でありバッテリー消費もさほど気にならない。

 表示を一時的に消したい場合、画面上部のセンサーを何かで覆えばいいようだ。紙一枚でもセンサー部が覆われれば間もなく画面は消灯する。「これって絶対光が透けて通るよな」という薄い布とかでも、センサーを覆えば画面が消灯。光センサー以外に近接センサー的なものも機能しているようである。なので、画面を下にして置いたり、ポケットに入れたりしても表示はオフになる。

 ところで、使用開始当初は「ずっと表示してたらバッテリーが減りまくり?」とか思ったが、そんなには減らない感じ。体感では24時間で10%くらい余計にバッテリーを消費するというイメージだ。

iOS 16.1ではバッテリー残量表示がよりわかりやすくなった。電池グラフィックが減りつつパーセンテージでも表示される。

 あと、これはかなり前からだったような気がするが、防塵防水等級がIP68というのもイイ。防塵等級は最上級の6級で、粉塵が中に入らない耐塵形。防水等級も最上級の8級で、継続的に水没しても内部に浸水することがない水中形。調べてみたらiPhone XSからIP68になっていた。でもiPhoneってな~んか水に強くなさそうな見栄えなんスよね。

 iPhone 14 Pro Maxについては不満もある。画面上部のヘンなカタチの“ノッチ”が廃止されて黒い楕円の穴となりDynamic Island機能によって“センサーやカメラのための穴をうまく誤魔化した”のは「なるほど巧いなあ」と思う。

 だが、もうさ、上部数ミリ横一直線真っ黒にしちゃってセンサーとかをゴージャスに搭載したほうがよくない? とか思ったりする。結局、黒い楕円は目立つのであり、表示の邪魔もする。ノッチより目立たなくなってマシになってはいるんスけどね。

画面上部の楕円の黒い穴は永遠に黒い穴のままだが、その周囲に黒バックで様々な表示がなされるDynamic Island機能。便利ではある。でも小手先の工夫という気がする。いや工夫はけっこうだが、画面上部までなるべく全部表示エリア! と、こだわり過ぎという気もする。

 同様に、カメラレンズの出っ張りも。iPhone 14 Pro Maxのレンズは歴代のiPhone中最大に出っ張ってる感じ。俺的にはレンズ部を少し凹ませるように埋め込んで欲しい。より傷つきにくいし指紋も付きにくいから。レンズ部が凹んでるくらいに本体の厚みを増したりして、そのぶんバッテリー容量を増やしたりしてほしい。どーせデカくて重いiPhone 14 Pro Maxなんだから、現在より何ミリか厚くなってもいーじゃん、とか思うのであった。

iPhone 13 Pro Maxのレンズの出っ張りまではギリギリ許せる感じだったが、iPhone 14 Pro Maxの出っ張りを見ると「iPhone 15 Pro Maxはどんなことになっちゃうのぉ~?」と不安になってくる。本体を厚くしてレンズ凹ましてスマートフォン中最強のバッテリーライフ端末とかにしてほしい。

 あとLightning。Lightning端子を搭載し続けると、なんかスゲく儲かるようなことがあったりするんだろうか? まあでも逆に、いきなりUSB-Cに変わっても、これまでものすごい本数出回って使われているLightningケーブルが次々と廃棄物になってド反エコなので、Lightningが生き残るのに絶対反対ってわけでもない。でもUSB-Cが主流となりつつあるなか、新しいiPhoneの箱の底にまた新品のLightningケーブルが入ってるのを見ると非常にモヤモヤするのであった。

 てな感じのiPhone 14 Pro Max。若干の文句はあるものの、まあ小さい文句ですな。全体的には非常に快適に使えているし、カメラ機能は予想を上回って高機能・高画質化したし、非常に満足度が高い端末となった。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。