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グーグル、6.7インチの「Pixel 7 Pro」を発表

 米グーグル(Google)は、Androidスマートフォンの新製品として「Pixel 7 Pro」を発表した。価格は899ドル(約13万円)~。

 日本でも発売され、日本向けの価格は12万4300円~となっている。

 グーグル独自の最新チップセット「Tensor G2」を搭載する「Pixel 7 Pro」では、いったいどんな体験が可能になるのだろうか? 本稿では、「Pixel 7」シリーズで可能になる体験に焦点を当てて紹介する。

カメラ

 自然な肌の色を実現する「リアル トーン」について、「Pixel 7」シリーズでは、カメラのチューニングに使用するデータセットに対し、1年で1万枚以上の画像が追加された。露出や明るさが調整され、暗い場所での肌色をより美しく表現できるようになったという。

 目の見えない人や弱視の人向けに、アクセシビリティも向上した。「Pixel 7」シリーズの「ガイド付きフレーム(Guided Frame)」では、高コントラストのアニメーションと触覚フィードバックによって、セルフィー(自撮り)撮影をしやすくなる。

 低照度の撮影にも、「Tensor G2」が役立つ。「Tensor G2」によって手ブレが低減され、暗所でも美しく撮影できる。

 手ブレは、夜間だけでなく日中にも発生するもの。そこで「Pixel 7」シリーズでのみ利用できる「Google フォト」機能の「Photo Unblur」では、機械学習を用いて写真のボケが除去される。古い写真も数回タップするだけで、ボケが取り除かれるという。

 動画撮影性能は「新しい10ビットHDR」でアップグレードされており、より広い色域と高コントラストで、映画のような映像が撮れるとアピールされている。「Pixel 7」シリーズは、4K60FPSの撮影をサポートする。

 「Super Res Zoom(超解像ズーム)」と呼ばれる「Pixel 7」シリーズの新たな機能では、「Tensor G2」に搭載された新たな機械学習モデルにより、ノイズが少なくシャープな2倍ズーム画像が生成される。

 また、「Pixel 7 Pro」は4800万画素の望遠カメラを備えており、5倍光学ズームに対応するが、「Super Res Zoom」により、10倍光学ズームの見た目に近い写真を生成できる。15倍のズームでも手ブレを抑えて撮影できるほか、最大30倍のズームでも精細さが維持される。

 「Pixel 7 Pro」の超広角レンズは、「Pixel 7」よりも「21%広い」とアピールされている。マクロフォーカスを搭載し、雨粒や花びらなどの細かいものも、鮮やかに撮影できるしくみを備える。

音声入力や音声認識

 「Tensor G2」は、音声入力でも力を発揮する。音声入力時には、メッセージに関連する絵文字が自動的に提案されるようになる。また、声で絵文字を検索することもできる。

 「Pixel 7」シリーズの音声認識技術を活用することにより、メッセージアプリで音声メッセージをそのまま書き起こせる。また、レコーダーアプリの新機能として、会議やインタビュー時に、話者を識別する「スピーカーラベル」機能が、“今年の後半”に実装されるという。

 「Pixel 7」シリーズでは、自動音声ガイダンスのある店舗やサービスに電話をかける時のサービス「Direct My Call」(米国内で提供)も改善される。自動音声ガイダンスにおける各オプションを説明する録音メッセージを聞く代わりに、オプションのリストが表示され、ユーザーは希望するオプションをタップするだけで済むようになる。

セキュリティ

 「Tensor G2」とセキュリティチップ「Titan M2」により、セキュリティ面でも強化が図られる「Pixel 7」シリーズ。セキュリティアップデートの期間として、5年間のアップデートが保証される。

 グーグルは、「データの専有領域を最小限にすること」「データを非特定化すること」「データへのアクセスを制限すること」を、ユーザーの個人情報を保護するための重要なポイントとして挙げている。

 たとえば健康管理のために録音した“いびき”の音などは、ユーザーの睡眠の質を向上するために役立てられるが、データ自体がグーグルで保存されたり送信されたりすることはない。

 デバイス上で処理(オンデバイス)できないシーンについては、データを保護するためにVPN(仮想プライベートネットワーク)が用いられる。「Pixel 7」シリーズには、追加費用なしで「Google One」によるVPNが付属することが明らかにされた。

ハードウェア性能

 「Pixel 7 Pro」の大きさは、162.9×76.6×8.9mm、重さが212g。メモリーは12GB、ストレージは128GB/256GB/512GBとなる。

 6.7インチのQHD+(1440×3120)ディスプレイは、最大120Hzのリフレッシュレートに対応する。

 アウトカメラは5000万画素の広角カメラ、1200万画素の超広角カメラ、4800万画素の望遠カメラの3眼構成。

 バッテリー容量は5000mAhで、急速ワイヤレス充電もサポート。

 5G通信として、ミリ波とSub6に対応。nanoSIMとeSIMのデュアルSIMを利用できる。

 FeliCaをサポートする。生体認証は、ディスプレイ内指紋認証や顔認証に対応する。

 カラーは、オブシディアン(Obsidian)、スノー(Snow)、ヘーゼル(Hazel)の3種類がラインアップされる。