スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

増え続けるUSBケーブルを断捨離&タグ付け整理

怪しいUSBケーブルは断捨離、ケーブルタグで性能を明記して整理してゆく!!!

 ハードウェアを買うたびに増えるUSBケーブル。俺のようなハードウェア買いまくり野郎の場合、スゲいスピードでUSBケーブルが増えるのである。ハードウェアの付属品のUSBケーブルだが、ご丁寧に複数のUSBケーブルが付属するハードウェアもけっこうあったりする。おかげでUSBケーブルがたまりまくり、USBケーブル専用引き出しが複数できたりして困惑している。

比較的によく使うUSBケーブルを入れた引き出しがこちら。ただ、ちょっと気を抜くと「このUSBケーブルも使いやすいから、この引き出しに入れておこう」とかなって、数ヶ月すると引き出しがカオスな感じに。
こちらはUSB Type-CケーブルやSSDなどが入った引き出し。最近はUSB Type-Cケーブルが急増中で、この引き出しもカオス化しつつある。
古いのから新しいのまでいろいろなタイプのUSBケーブルやコネクターを収めた引き出し。たまーに「あぁこのタイプのUSBケーブル保存しててよかった~」と思えるケースもあるが、まあそういうのはホントに稀で、この引き出しはUSBケーブルの墓場とも言えよう。

 そして最近はUSB Type-Cケーブルが増加中。急に増え始めた感じだが、最近買ったハードウェアのUSBポートがUSB Type-Cだったり、また必要があって新たにUSB Type-Cケーブルを買ったりしているのが原因だ。このUSB Type-Cケーブル急増が始まったのは2021年の秋頃。40インチの曲面ディスプレイを使い始めたのがきっかけである。

 ↑このディスプレイ、USBドッキングステーション(ポートリプリケーター/高機能ハブ)的な機能をもっている。PCとUSBケーブル1本でつなげば、PCからの映像が出力されるし、USBハブも使えるという機能だ。また、同時期にMac mini(M1/2020)も購入し、これにもUSB Type-Cポート(Thunderbolt 3)が2つあり、それを使ってSSDへのデータバックアップを行ったら「あら速い!」と快適。その流れで好んでUSB Type-Cケーブルを使うようになった。

 さらに2022年の春にMac Studioを購入。USB Type-C(Thunderbolt 4)ポートが6つも備わっていた。そのうち2つは本体前側にあり、非常にアクセスしやすいことから、さらに俺におけるUSB Type-Cケーブルの需要は高まったのであった。

 だがしかし、やや大雑把にUSB Type-Cケーブルを使っていたため、ちょっとした問題が起きがちであった。具体的には「うっかりして遅いUSB Type-CケーブルでSSDをつないでデータのコピーをしちゃう」的なこと。データコピー中に「ん? 遅くない? あっケーブルが遅いのか」とか。また、テザー撮影中にミョーに画像転送が遅く感じられて「あーこれ遅いほうのケーブルだっけか」とかなったりも。

 USB Type-Cケーブルは複雑で、ケーブルを見ただけでは対応するUSB規格がわからなかったりする(わかるケーブルもある)。USB 3.xのUSB Type-Cケーブルの場合、見た目は同様でもデータ転送速度に「5Gbps」「10Gbps」「20Gbps」の差があったりする。うっかりケーブルを間違うと、10分くらいで終わるデータコピーに40分くらいかかったりすることもあるわけですな。

 ともあれ、こういう「USB Type-Cケーブル扱い間違い」は今後も増えそうだ。ということで、USB Type-Cケーブルにケーブルの性能を示すタグをつけることにした。「USB 3.2 Gen 2×2 / 20Gbps / 100W / 1m」みたいな感じで、明示するわけですな。

 ……と、その前に、この際だから、全然使わないしそもそも性能的に怪しい感じのUSBケーブルを処分することに。USBケーブルの断捨離であり、USB Type-Cケーブルなどの性能明示であり、これをガッツリ行ってスッキリとUSBケーブルを使ってゆきたいッ!!! というわけだ。

怪しいUSBケーブルをどう除外するか?

 USBケーブルはたーくさん存在し、見た目からは判断できない「仕様」「性能」も多様である。そのあたり詳細は検索してお調べいただきたいが、「どのUSBケーブルが、どういうものか」を、どうやって調べるのか? ↓これを使って調べるのがイイと思う。

Bit Trade Oneの「USB CABLE CHECKER2」。2019年10月頃に発売された「USBケーブルの性能を調べられるチェッカー」で、各種USBケーブルの素性のほとんどを暴き出してしくれるジョリーグッドな逸品。「USBケーブルの混沌」から我々を助け出す救世主みたいなハードウェアなのである。6,000円前後で売られている。写真ではわかりにくいが、「CONNECTION」セクションのLEDランプがすべて点灯しており、これはつないでいるUSBケーブルがUSB 3.2対応で通信も高速でUSB PD給電に正しく対応していることを示している。

 このチェッカーを使うと、たとえばUSBケーブルが充電専用なのかデータ通信にも対応しているのかを判別できる。あるいはUSB 3.xっぽい見栄えのケーブルが、じつはUSB 2.0だったとかいうことを暴いてくれたりもする。USBケーブルの抵抗値なども表示されて、いわゆる良質なケーブルか粗悪なケーブルかもわかる。USB PD対応のケーブルかどうかもわかるし、オルタネートモード対応のUSBケーブルかどうかもわかるし、USBケーブルアダプターがOTG対応かもわかる。

USBケーブルをつないだら、「CONNECTION」セクション下段(USB 2.0の箇所)のLEDがすべて点灯した。これはデータ通信にも充電にも対応しているUSB 2.0ケーブルであることを示している。上部のディスプレイにはケーブルの抵抗値(ミリオーム)が示され、このケーブルはまあ普通だけどちょっと抵抗値が高めかナ、的な雰囲気だ。
別のUSBケーブルをつないでみる。「CONNECTION」セクション下段の「VBUS」と「GND」のみが点灯し、このUSBケーブルは充電専用であることがわかった。
こちらはUSB 3.2対応であるものの、データ通信はさほど速くないケーブルでのLED表示。

 使いこなすにはある程度のUSB規格に対する理解が必要だが、このチェッカーはエンジニア系の先達ユーザーも多い。そういった人のレビューを見ると「なるほど、こう使うのか」とヒントがあるので、そういった記事をお読みいただきたい。

 俺の場合、これを使ってまずは充電専用のUSBケーブルをなるべく除外・処分した。データ通信非対応のUSBケーブルは、汎用には不向きで、(ハードウェア付属品は)品質に難のあるものが多いからだ。

 ただ、たま~に、「あぁ~このハードウェアは充電専用USBケーブルで充電しないと困るな」ということも。たとえばモバイルバッテリーと録音機材や撮影機材などをつないで給電しつつ使おうとした場合、機材によっては充電専用USBケーブルをつながないと録音・撮影ができないモード(マスストレージモードとか)に入ってしまったりする。そういう場合には↓こんなコネクターを使って対応している。

SSA Serviceブランドの「USB2.0対応・転送/充電 or 充電専用モード切替スイッチ」。データ通信にも対応するUSBケーブルのType-Aコネクターに装着して使い、スイッチ切り替えでデータ通信対応か充電専用かを切り替えられる。Amazonで548円。

 このコネクターがあれば充電専用USBケーブルを全部処分できるゼ~って感じだが、しかし、無理に処分しなくてもいいですな。良さげな充電専用USBケーブルは数本残すなどし、それに「充電専用」と書いたタグを付ければいいかな、と。

 USB PD充電対応とか高速データ通信対応とかのUSB Type-Cケーブルは、購入履歴などを見て「販売店が示しているケーブルのスペック」をまず信じることにした。同時に、一応は上記USB CABLE CHECKER2で調べてみて、「ホントにそのスペックなのかどうか」をチェック。USB CABLE CHECKER2ではUSB PDに正しく対応しているかどうかはわかるが、実際の充電の詳細までは調べられないので、そのあたりは先延ばしにし、信頼できそうなUSB Type-CケーブルだけをUSB PD充電に使うことにした。

昔ながらのファイバータグ……を使おうと思ったが

 USBケーブルの整理・分類がだいたい終わったので、日々使うケーブルからタグ付けをしていくことに。ケーブルタグは愛用品があり、いわゆる“ファイバータグ”と呼ばれるものを使ってきた。ある程度の耐久性がある繊維プレートにヒモがついているもので、↓こんなの。

ファイバー紙製のプレートに紐が結んであるタグで、ケーブル分類をはじめ幅広く利用できる。プレート部は強く押し固められた紙などの繊維で、ある程度の防水性はある(製品による)ものの、屋外での使用には適さないように思う。ヒモは麻糸だと思われる。室内での使用なら十二分に耐久性があると感じられる。
こんな感じで使用中。LANケーブルの両端に「このケーブルがどこにつながっているか」などを書いておくと、配線時に混乱しない。
スゲく便利で使い所も多いので、多種多様なファイバータグを備蓄しているのであった。

 最初このファイバータグにケーブルの仕様などを書いてケーブルに結んでいたが、途中で疑問が出てきた。ひとつは、紐で結び留めるのが面倒だということ。あと硬めのタグがプラプラしているのも、なーんかモヤモヤする。ファイバータグは頻繁に手にして扱うUSBケーブル向けじゃない気がし、もうちょっと手軽に使えるタグはないのかな、と探し始めた。

耐熱・防水の樹脂製お手軽ケーブルタグ

 手軽に使えて書き込める面がある程度大きいものがいいかな、と思って買ってみたのが耐熱・防水の樹脂(TPE)製のケーブルタグだ。Jiangyuzhuoブランドの品で、Amazonではホワイト50枚入りが999円だった。1枚約20円。

約長さ61×幅13×厚さ2mmのタグで、わりと柔軟で手触りはサラサラ。
両端の渦状部分をケーブルに引っ掛けるようにして使う。……字が汚い~。

 なかなかいい感触のタグで、ケーブルに対する着脱も容易。太めのUSBケーブルにもちゃんと引っかかって使い勝手がいい。油性マーカーで書き込むのが適切だと思うが、書いたすぐ後ならアルコールなどで拭き取って消すこともできる。アルコール→消しゴムという手順で消すと、よりキレイに消せる。書いてある程度の時間が経った場合はわからないが、気軽&手軽に扱えるタグですな。

 ただ、厚さ2mmとビミョーに厚め。ケーブルに装着してもさほど邪魔にはならないが、もう少し薄かったらより違和感が少ないかな、と。また、タグをケーブルに装着したあと、ケーブルを雑に扱っているとタグが外れそうになったり、片側だけ外れたりする。この点を嫌う人もあると思う。

貼るだけのシール式が手軽、だけどそのうちベタつく?

 シール式のケーブルタグも使ってみた。ひとつはYFFSFDCブランドの「ケーブルラベル 300枚入 白色」でAmazonにて665円(1枚約2.2円)。もうひとつは「ケーブル ラベル 8色16枚480ラベル」でAmazonにて740円(1枚約1.5円)。

こんなふうに、台紙にシール状態で貼ってある。
細い部分をケーブルに軽く巻くようにして貼る。
こんなふうに折り返す。
広い部分を二つ折りにして貼り合わせれば完成。この二つ折り部分中央にはミシン目が入っていて、きれいに二つ折りにできる。……字が汚~い。

 素材は紙のようだが、表面がコーティングされていて、容易には千切れない程度の強度がある。ただし引っ張る方向によっては容易に切れることがある。表面へはボールペンや油性マーカーで書き込めるが、ボールペンの場合はインクによっては擦れて滲むことがある。

 厚みは非常に薄く、ハサミでカットして小型化するのも容易だ。とても手軽に扱えて、汎用性が高いケーブルタグだと思う。

 ただ、ケーブルに巻く部分もシールになっていて、恐らくではあるが、その部分の粘着剤は経年劣化などでケーブル側に付着してしまうと思う。表面がファブリックのケーブルにこういった粘着剤が付着してしまうと……どうスか? そんなの気にしなーい、それは絶対イヤ、と意見が分かれるところかもしれない。

個人的に気に入った面ファスナー式

 購入前に「もしかしたら予想以上にかさばる?」と少し躊躇したRimikuruブランドの「ケーブルタグ 面ファスナー式(50個セット)」。Amazonで1,480円(1枚29.6円)だったが「案外よかったりするかも?」とも思って購入してみたら、個人的にかなり気に入れた。

面ファスナーで作成したような感じのケーブルタグで、内側の面ファスナーでケーブルに留められる。表側には若干の凹凸があるものの、細字の油性マーカーなどで書き込める。
ケーブルへのセットは容易。ケーブルから外すのも容易。

 微妙に書き込みにくいのが少々の難点ではある。だが、ほかの使用感は良好。

 たとえばケーブルを挟む細い部分の内側には、少々の面ファスナー部分があり、そのために表面がファブリックのケーブルへ装着した後にズレにくい(表面が樹脂だと普通にズレる)。高速通信やUSB PD充電に対応している太めのUSB Type-Cケーブルは表面がファブリックだったりするので、このタグの使用感を気に入った次第。ただし、タグを無理にズラすと、ケーブル表面のファブリックが荒れて毛羽立つことがある。

 書き込める面積も広めで扱いやすい。ただし上記のとおり、やや凸凹なので少々書きにくい。手芸素材として売られている面ファスナーテープの裏側の、あのザラザラ感がある。

 基本的に薄いテープ状なので、意外にかさばらないのも好印象。タグが潰れてしまっても大した問題にはならないので、やや雑に扱っても大丈夫だ。耐久性は十分あり、手だけでちぎったりするのは無理というレベル。

 50枚入りで1,480円で、1枚29.6円となり、あまり安い感じではない面ファスナー式ケーブルタグではある。だが、まあそんなに大量に使うものでもないので、しばらくコレで行こうかな、と。

【番外編】ヘラマンタイトンの「線名札」がヒジョーによかった

 結束バンドの代名詞こと「インシュロック(INSUKOK)」で有名な「ヘラマンタイトン(Hellermann Tyton)」。ケーブルタグを探していたら非常に興味深いヘラマンタイトン製品を見つけてしまい、思わず買って使ってみたら超良かった。

 それは「線名札」という製品。プラスチックのケーブル用名札で、その使い勝手が非常によく、俺脳内のケーブルタグ価値観が上書きされてしまった。

ヘラマンタイトンの「線名札」。プラスチックのケーブルタグで、写真はSMF100という製品。ひとまわり大きなSMF180もある。SMF100は100本入りで1,800円くらい、SMF180は100本入りで2,500円くらい。
使い方は簡単で、ワイヤー部分でケーブルを巻き、ワイヤー先端をタグの穴に通す。
ワイヤーを必要なだけ手前に引く。
ワイヤーを引いた後、(この向きの場合は)左にカチッとロックされる感触があるまでワイヤーをズラす。ワイヤーは左側の小さいほうの穴に入り、そこで固定される。この状態でワイヤーが緩むことはない。ワイヤーをやや強く右側へズラせばカチッという感触とともにロックが外れる。そこから再びワイヤーを左側へ動かせば再度ロックできる。
必要に応じて余ったワイヤーをカットして完成(再利用する場合はカットしない)。字が汚~い。

 なにこの作業効率の高さ!!! もう紐式のファイバータグとかには戻れない~。全部ヘラマンタイトンの線名札にする。こっちのほうが手軽さ・耐久性に優れて薄くて軽くて再利用までできる!!! のであった。まあちょっと硬いのでUSBケーブルの名札として違和感があるかもしれないが、LANケーブルとかはコレがいいかもしれない。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。