スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
ロジクールの小型キーボード「MX KEYS MINI for Mac」を使う
2022年9月5日 00:00
US配列で無線でミニなMac用キーボードだゼ!!!
ロジクールは魅力的な入力デバイスを多数発売している。マウスにキーボードにWebカメラなど。俺の場合はマウスがずっとロジクール製だし、Webカメラもロジクール製ばかり。高性能だし使いやすいからだ。
しかしキーボードについては、魅力的ではあるものの、国内では日本語配列版ばかりリリースされている。なので英語配列派の俺は「あーまた日本語配列だー」と棒読みモードで諦めることが多い。
そんなところに登場したのが「MX KEYS MINI for Mac」。おっMac用とはチョイ珍しい……しかも英語配列。キーボードは東プレ「REALFORCE R3(Mac用配列のハイブリッドモデル / R3HH21」を超絶愛用中でモバイルにもこれを持ち出す気満々であるのだが……。
ぐぬぬぬ〜試したい。「MX KEYS MINI for Mac」を打ってみたい。直販価格1万5950円とお高めだけど使ってみたい。
いや、もしもってコトがあるじゃないスか。「MX KEYS MINI for Mac」はテンキーレスの英語配列キーボードで、カーソルキーの位置が俺的に微妙であり、たぶん「MX KEYS MINI for Mac」が俺的メインキーボードになることはなさそうな予感だが、「カーソルキーが極小であること以外は全部イイ」という可能性も。そうなったらモバイルキーボードとして「MX KEYS MINI for Mac」が大活躍しちゃったり? もしかしたらiPadやiPhoneとの相性も抜群で予想外の大活躍モバイルキーボードになっちゃったり? どうなのどうなの?
といった毎度の好奇心が抑えきれずにポチッと「MX KEYS MINI for Mac」を購入した俺なのであった。そして購入後10日ほど使ったのでレビューしてゆきたいッ!!!
「MX KEYS MINI for Mac」はどんなキーボードか?
「MX KEYS MINI for Mac」は、その名のとおり、Mac用のキーボード。キー配列は英語(US)配列で、Apple純正のMac用テンキーレスキーボード(US配列)と非常に近いキー配列になっている。↓こんな感じ。
イイ感じのキー配列ですね〜。英語キーボード派のMacユーザーにとってありがたい存在ではないだろうか。
ほか、「MX KEYS MINI for Mac」はワイヤレスキーボードで、MacとはBluetooth LEもしくは別売USBドングル「Logi Bolt USBレシーバー」で無線接続できる。iPhoneやiPadとはBluetooth LE接続となる。3台までのデバイスとペアリングしてキーボード操作により接続先を切り替えられる。
Bluetooth接続×3台で、プラスしてLogi Bolt USBレシーバー×1個かな? とか思ったが、Logi Bolt USBレシーバーを使っても使わなくても、接続先デバイスは3台までしか登録できないようだ。
なお、Windowsマシンと接続しても使用可能。その場合、optionキーをAltキー、cmdキーをWindowsキーと読み替えて使うことになる。
電源は内蔵バッテリーで、キーボードのUSB-CポートからUSB充電できる。フル充電後最長10日使用可能で、バックライトをオフにして使えば最長5カ月使用可能とのこと。
本体サイズは縦131.95×横295.99×高さ20.97mmで、重さは506.4g。携帯して使うためのキーボードとしてはけっこう重い感じ。また、背面には出っ張りがあるので、携帯用キーボードとしては嵩張るのも残念。
公式サイトでは、「MX KEYS MINI for Mac」を「Appleクリエーター向けに作られたミニマリスト キーボード」と紹介しているが……minimalって感じではないような!? Magic Keyboardと比べちゃうと重めゴツめ厚めという印象がある。
ほどよい傾斜と安心できる打鍵感が、なかなかイイ!
続いて打鍵感を。「MX KEYS MINI for Mac」はパンタグラフ式のキーを採用しており、キーピッチは19mm、キーストロークは1.8mm、押下圧は60±20gとなっている。アイソレーションキーで、中央がやや凹んでいて指へのフィットがいい。
実際にタイプしてみると、なかなか好印象。サイズも配列も「Apple Magic Keyboard」とよく似ているのでつい比べてしまうが、俺的には「Apple Magic Keyboard」よりだいぶ使いやすく感じられた。
その理由は、まずキーボードがそこそこ傾斜していること。ほんのわずかな違いではあるが、真っ平らに近い「Apple Magic Keyboard」に対し、「MX KEYS MINI for Mac」はある程度の高さと傾斜があり、タイプしていてあまり違和感がない。
また、小型ながらもキーサイズやキーピッチはフルキーボードとほぼ同じ。配列もフツーなので、すぐにタッチタイプできるようになった。
それからキー押下時の感触。「Apple Magic Keyboard」よりも深めのキーストロークがあり、キー入力時のクリック感も強めで、キートップ上の凹みの指への当たりも好感触。キーボード全体の剛性感も高く、たわむようなことはまずない。俺的には「明快な入力感触」と「頼り甲斐のあるキー押下感」があるあたり、かなり打鍵しやすいキーボードだと感じられた。
なお、打鍵音は高音成分をあまり含まない音で、耳障りではない。のだが、静音キーボードって感じでもなく、そこそこ打鍵音は聞こえてくる。でもまあ静かな部類だと言えそうだ。
俺的にやはり残念だったのは、カーソルキーの小ささ。キーボード本体が横にあと2キー分くらい大きくなってもいいから、普通サイズのカーソルキーを搭載してくださいよ〜、とか思う。
俺みたいに細かいコトにこだわらなければ、メインで使っていけるキーボードだと感じる人も多いかと思う。Mac用でテンキーレスキーボードよりさらに小さいサイズで、しかも英語配列という条件がつくと、あまり選択肢がないわけだが、その少ない選択肢のなかにあって非常に使いやすいキーボードだと思う。なかなか稀有な存在かも。
「MX KEYS MINI for Mac」は使用感がけっこうイイから、PS5とかに接続して使えない? と思ってPS5とBluetooth接続を試みたが、PS5側で「このキーボードは利用できません」的なメッセージが出てダメであった。
だったらLogi Bolt USBレシーバー経由で「MX KEYS MINI for Mac」をPS5に……と思って試してみた。結果、キーボードは認識されたような状態になったが、キー入力を一切受け付けてもらえないのであった。残念。
iPadに接続しても使ってみた。結果、非常にいい感じで使えた。だが、地球儀キーがどうも機能しない(というか「MX KEYS MINI for Mac」には地球儀キーはなくその位置はfnキーのみっぽい)ようで、けっこう多くのショートカットが使えなかった。
まあでもテキスト入力は非常に快適にできたし、ディクテーションキーで音声入力もできたし、絵文字キーやスクリーンショットキーも機能した。iPadOS端末と組み合わせて出張セット的に使うのもイイかもしれない。
じゃあiPhoneとつなげたら? と思ってそうしてみたが、iPadとつなげたときほどは、使えるメディアキーが多くなかった。iPhone向けキーボードとしては物足りない感じではある。とは言え、iPhoneでここまで快適にキー入力できるなら十分な価値があるように思った。
使いやすいメディアキーはカスタマイズ対応、もちろんLogicool Flowにも対応
「MX KEYS MINI for Mac」を使っていて「いいなぁ」と感じたのは、キー最上段に並ぶメディアキー。これが実用的だと感じられた。俺的によく使う機能が割り振られているのだ。
たとえばディクテーション。音声入力(音声によるテキスト入力)のことで、その機能をワンボタンで呼び出せる。 俺の場合、「iPhone 13 Pro Max」と打鍵するのが面倒とかいうときによく音声入力を行う。「あいふぉんじゅうさんぷろまっくす」と言うだけで「iPhone 13 Pro Max」と入力されるのでタイプするより効率的。このための専用ボタンがあるのはちょっと嬉しい。
あるいはその右隣の絵文字メニュー。このキーで文字ビューアを表示させることができる。その右隣はスクリーンショット用のキーで、その隣にはマイクのミュート / ミュート解除ボタンがある。
ほか、スリープ移行用ボタンがあるのもナニゲに便利。Macのリアルなユースケースをよく知る人によるキーボード仕様決定という印象を受ける。
なお、最上段のメディアキーのうち、左から5キーめから右端まで(つまり右から11個めまで)はカスタマイズできる。カスタマイズはLogi Options+アプリで行う。
「MX KEYS MINI for Mac」はLogicool Flowにも対応している。Logicool Flowは3台までのパソコンを1組のマウスとキーボードで扱える技術。MacやWindowsマシンを3台並べてワンセットのマウスとキーボードでそれらを使えつつ、各パソコン間でファイルやフォルダのコピー&ペーストができる。
KVMスイッチを使うなどせずとも、Logicool Flow対応のマウスやキーボードを使うだけで、複数のマシンを最小限の入力デバイスで扱えるわけですな。ちなみに、マウスだけでLogicool Flowを使うこともできる。
場合によって便利だったりウザかったりするバックライト
「MX KEYS MINI for Mac」を箱から出しで使い始めた瞬間に「えっ?」と疑問に思ったことがある。それはキーボードのバックライト。スマートイルミネーションという「キーボードに手が近づいたことを近接センサーが察知してバックライトが点灯」したり「周囲の状況に合わせて自動的に明るさが調整」されたりする賢いバックライト機能である。
だが、部屋の明るさなど状況によっては、このバックライトによりキートップの刻印が非常に見づらくなってしまう。最初にこのキーボードの電源をオンにしたとき、まさにその「キートップ刻印が見えにくくなる部屋の状況」だったのだ。
誤解を恐れずにもっと言えば、ある程度以上明るい部屋で「MX KEYS MINI for Mac」のバックライトが点灯すると、だいたいキートップ刻印の視認性が下がる。グレーっぽい色のキーに、薄明るい白でキー刻印が光ると、グレーに暗めの白って感じで見づらい。「これならバックライトがオフのほうがいいや」って感じにナリガチなのであった。
とかまあ軽く文句を言ってみた俺だが、でもこの「MX KEYS MINI for Mac」、Macに真っ向から対応している英語配列キーボードとしては、非常にハイレベルのバランスを持つ良品だと思う。キー配列も打鍵感もキーボード全体の剛性感も上々。Mac用の英語配列・小型キーボードを探しているなら、一度触れてみてほしい。