スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

スマートフォンとつなぐネットワークカメラがスゲく良かった

配線不要の防犯カメラが予想以上にグレイト!

 俺的にけっこう使う通販サイト「サンワダイレクト」。一定以上の品質がある興味深いアレコレを扱っているので、敢えてメールマガジンを受信しているくらい気に入っているネットストアだ。

 そのサンワダイレクトから2022年7月1日にメールが届いた。いつものメルマガかな、と思ったら違った。メールの内容は……。

サンワダイレクトをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。

来月1日に会員ランクが変更になります。

現在のままですと、 8/1 にランクダウンします。

現在のランクを継続するには、当月中に以下条件が全て必要です。

●1回以上購入

 といったもの。要約すると「キミ最近ウチで買ってないから会員ランク下げるから。7月中になんか買わないと下がるから。んじゃ」みたいな感じだ。

 サンワダイレクトの会員ランクは、ランクに応じて値引きがあったり送料が無料になったり、いくつかの購入時特典があるというもの。俺の場合、メール受信時はプラチナ会員で、これが1カ月後にゴールド会員へと下がってしまう。だが、下がっても大した差はないのでまあいいや、と。

 そう思ったが、改めてそのメールをじっくり読むと「誕生日プレゼント」なる制度があった。これは誕生日月の1日にポイントがもらえるというもので、プラチナ会員は1000ポイントでゴールド会員は700ポイント。そして俺の誕生日は8月。8/1に誕生日プレゼントとしてポイントがもらえるが、このままなんにも買わないと700ポイントしかもらえず、なんか買えば1000ポイントもらえる。ぐぬぬぬ300ポイントが……じゃあなんか買おうかナ、とサンワダイレクトの罠にはまりに行く俺なのであった。

 そして買ったのが↓こちら。「ネットワークカメラ 400-SSA006」という製品で、防水防塵機能がありつつ内蔵バッテリーがありつつマグネットでも取り付けられるというWi-Fi防犯カメラである。

サンワサプライ「ネットワークカメラ 400-SSA006」は、屋外設置対応のネットワークカメラで、防水防塵(IP65)、解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)、内蔵バッテリー駆動かつWi-Fi接続なので配線不要。マグネットでスチール面などに吸着して使うこともできる。発売日は2022年6月21日で、サンワサプライでの価格は1万2800円

 おっ、マグネット吸着。そしてバッテリー駆動で配線不要。解像度フルHD。映像はスマートフォンで確認するらしい……あっ出先からでも自宅に設置したこのカメラのライブ映像を見られるらしい! と興味深い要素を多々備えていたので、会員ランク維持のための買い物としては予算オーバーな感じであったが、ポチッと購入。

 そして速攻で届いたカメラをイジってみたら……これがヒッジョーに良かった。てなわけで以降、このネットワークカメラのレビューをば。

どんなネットワークカメラか?

 まず「ネットワークカメラ 400-SSA006」(以下、400-SSA006)の概要から。前述のとおりWi-Fi接続(2.4GHz帯)で使うワイヤレス・ネットワークカメラで、内蔵バッテリーで駆動する(USB給電中の使用も可能)。ワイヤレス接続で内蔵バッテリー駆動ということで、どこに設置するにしても配線の手間がない。

 防塵防水性能はIP65(粉塵が中に入らない耐塵形・あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない防噴流形)で屋外設置も想定されている。また、本体後方には強力なマグネットが内蔵されているので、磁石がつく金属面であれば本体をそのまま吸着させられる。

400-SSA006のサイズは約幅37×奥行き84×高さ92mmで、重量は約320g。バッテリー容量は9600mAhでUSB充電して使う。満充電から約3カ月間動作する(1日10回動作検知した場合)。背面の凹んだ部分に強力マグネットを内蔵している
おもな付属品。本体のほか、取り付け台座×2種、USBケーブル、ネジなどが付属する
磁石がつく金属面なら本体を直接吸着させて使える。付属の丸い台座を壁などにねじ止めすれば、そこに本体を吸着させられる。丸い台座を使うとカメラの向きをかなり自由に変えられる
本体底部には三脚ネジ穴があり、付属台座(雲台付き)を使えば自立させたり、壁などにねじ止めしたりして使える

 400-SSA006からの映像を見たり、400-SSA006の各種設定を行ったりするには、専用アプリ「SanwaConnect」が必須になる。iOS版Android版が用意されていて、アプリの利用にはアカウント作成が必要。パソコンのWebブラウザから映像を確認できるかな、と思ったが、400-SSA006へはSanwaConnectアプリからしかアクセスできないもよう。

iOS版SanwaConnectアプリを使っている様子。わりと直感的に使えるアプリで、縦横どちらの表示にも対応している。ピンチアウト操作で映像の部分拡大もできる。フルHD映像なので、拡大してもそこそこ鮮明。同じLAN内ならWi-Fi接続したスマートフォンからアクセスできるほか、出先ならスマートフォンからモバイルネットワーク経由でアクセスできる

 といった感じで、設置時に配線が不要で、防塵防水で屋外設置にも対応、アプリから手軽にアクセスでき、出先から家の状況を映像で確認するような使い方もできる。防犯カメラとして使えるが、常時録画には対応していない。手動での静止画・動画録画のほか、人の動きを感知して録画を開始することもでき、アプリにはその通知も表示される。機能面もなかなか充実しているので、詳しくはサンワダイレクトの製品紹介ページをご覧いただきたい。

 まあこういう製品は以前にもあった。でも最近ではこーゆーのが1万2800円とかなんですな。ワイヤレス防犯カメラ、かなり手を出しやすくなった感じ。

初期設定、かな〜り手軽……という気がする

 これまで何機種かのネットワークカメラを使ってきたが、この400-SSA006については「こんなに手軽だっけ?」と感じられるところがいくつかあった。全体的に使用感におけるハードルが低い感じがするのだが、とくに初期設定がスムーズに済んだのが印象的。

初期設定はSanwaConnectアプリから行う。最初のSanwaConnectアプリ起動時、アカウントを作成する。その後に「デバイスの追加」を行う。デバイス(種類)を選んだら400-SSA006の電源を入れる
続いて400-SSA006を(自宅などの)Wi-Fiに接続する。このとき、スマートフォンのWi-Fi接続先が2.4GHz帯のアクセスポイントとなっている必要性がある。同じ2.4GHz帯のアクセスポイントのSSID(ネットワーク名)と接続パスワードを入力する。次いで画面に表示されたQRコードを400-SSA006に読み込ませる(カメラで写す)。このQRコードにはWi-FiアクセスポイントのSSIDや接続パスワードが書き込まれているようだ。正しく読み込まれると400-SSA006から音が出るので「ビープ音が聞こえました」をタップ。デバイスが(アプリおよびアカウントに)自動的に追加される
デバイスの登録が済むとアプリ内にデバイスが表示される。それをタップすると400-SSA006からの映像のチェックなど各種設定を行えるようになる

 スクリーンショットと説明文でキッチリ気味に説明すると、そこそこ手間がかかるような印象にはなる。のだが、実際にはアプリでアカウントを作ってデバイスを登録と進んでいくと、あらあらあららと初期設定が完了しちゃう感じ。「屋外で使えるWi-Fiネットワークカメラだからきっとスマートフォンも2.4GHz帯のアクセスポイントにつないでおくんだろうなあ」と先手で2.4GHz帯に設定しておいたのは、俺的にある程度この手のカメラに慣れているからかもしれないが、ほかは迷う要素がないような気がする。

 なお、Wi-Fi経由でアクセスする機器によっては、機器側が2.4GHz帯接続ならスマートフォン側も2.4GHz帯接続じゃないとアクセスできない、ということを何度か経験した。だが400-SSA006の場合、デバイス登録時のみスマートフォン側が2.4GHz帯接続になっていればよく、デバイス登録後はスマートフォン側が2.4GHz帯接続でも5GHz帯接続でも問題ないようだ。

なかなか高画質! ドアホン的に使うなら十分高性能

 俺の場合、このネットワークカメラをどう使おうと思ったのかと言えば、ドアホン(テレビドアホン)的に使おうかな、と。玄関先の様子を見るカメラ。ウチのドアホン、かなり古くて、たぶん解像度がQVGA(320×240ピクセル)とかなのである。ドアホン前に近づいた人の顔はまあ判別できるが、ドアホンから数メートル離れると人の顔はもちろんモノの判別も難しい。ドアホン越しの映像を見て「アレなんだろう?」というモヤモヤ感が、このフルHDネットワークカメラで解消されればいいナ、と。

 で、結論から言うと、スギャッと大解消されたのである、上記のモヤモヤが。ドアホン映像との比較とかはプライバシー方面のアレでご紹介できないが、この400-SSA006にはどの程度の画質があるのか、ちょっとお目にかけたい。

400-SSA006は状態に応じて前面のLEDインジケーターが光る。青色LEDの点灯は動作中を示していて、動作中にこのLEDを消灯させる方法はないようだ。なお、スマートフォンから400-SSA006にアクセスしていない場合は青色LEDは消灯するが、人感センサーなどが働いて400-SSA006が録画中だと青色LEDは点灯する
夜間、天井照明を点灯させた状態での400-SSA006からの映像。印象としてはそこそこ高感度なカメラという感じ。カメラは正面中央の棚から約2mの距離にあり、高さは床から1.5mくらい。部屋のなかの細かな部分までけっこうよくわかる
中央部をピンチイン操作で拡大した様子。デジタルズームと同様なので画質的には荒れる
いっぱいまで拡大した様子。卓上カレンダーの「7」の文字が見える。屋外で試してみたが、7〜8m離れたクルマのナンバーが読み取れるレベルの解像感がある
続いて部屋の照明をすべて消した状況での映像。ある程度以上暗くなると、400-SSA006前面の赤外線LEDが点灯し、ナイトモード(赤外線によるモノクロ撮影)となる。400-SSA006の赤外線LEDは肉眼でも赤く光って見えるタイプで、暗闇だと青色LEDとともに目立つ。なお、ナイトモードをオフの設定にすれば、この赤外線LEDは点灯しない。そのとき撮影される映像は通常感度のカラー映像となる(ので、かなり暗い状況だと対象が映らない)
照明を消した部屋はこんなふうに写った。ほぼ完全に暗闇で、歩くことが困難な状態。赤外線の照射は強く、照射範囲も広いようで、真っ暗闇でもこのくらい映るのであった
中央を少しアップ。なにが置いてあるかもけっこうわかる
いっぱいにアップ。カレンダーの数字が見えるかなと思ったが、赤外線照射が強すぎて文字が白飛びしてしまった
今度は部屋の常夜灯的な照明のみ点灯させて400-SSA006で撮ってみた。部屋全体は暗いものの、椅子や棚の位置や床の障害物が肉眼でどうにかわかるという明るさだ
ナイトモードはオフにし、通常のカラー撮影としてみた。かなり暗い室内だが、だいたい様子はわかる
ちょっとアップにしてみる
いっぱいまでアップ。カレンダーの「7」の数字が見える。天井照明を点灯させていたときよりハッキリ見えるような……

 いろいろな場所を400-SSA006で撮ってみて感じるのは、「このカメラはある程度暗い場所で高画質になるようにチューンされているのかも?」ということ。直射日光が当たるハイコントラスト部とかは、明るい部分が白飛びしやすい。逆にそんな状況でも影の部分はちょうどよい明るさで見える。

 また、玄関先とかって夜中でも足元を照らす程度の照明はあると思う。そういう環境だと夕暮れから夜中まで(ナイトモードをオフにしての)カラー撮影でも十分使えるという印象になった。

 画質もなかなか良くて、ハンドリングもお手軽な400-SSA006。俺的にはやはり、バッテリー駆動でWi-Fi接続で、さらにマグネット吸着のしくみがあるというのがありがたい。屋外で使うにしても万が一の盗難を防止する施策(たとえば三脚ネジ穴を利用してワイヤーロックをつなぐとか)をすれば、必要に応じて取り付け場所を手軽に変更できるというメリットは大きい。室内で使う場合でも、やはり必要に応じて設置場所を手軽に変えられるのは実用的だ。

 まだ使い始めて日が浅く、バッテリー持続時間についての印象は言えないが、「1回の満充電で約10カ月のスタンバイ状態を保ち、1日10回の動作検知で約3カ月使用可能」となっているので、そこそこ保つのだと思う。なお、400-SSA006は(バッテリー切れから)満充電までに約15時間かかるそうだ。

 ……個人的には、もう一台400-SSA006を買おうかな、と。使うのはいまのところ1台だけでいいのだが、2台目を満充電状態にしておけば、1台目がバッテリー切れになったときにすぐ交換して使えるからだ。サンワダイレクトの紹介ページには「給電しながらの使用も可能です」とあるので、室内で2台目を給電しつつ使い、屋外の1台目のバッテリーが切れたら2台目と交換、としてもいいかもしれない。

 ともあれ、なかな使いやすいワイヤレスなネットワークカメラこと400-SSA006。設置も運用もお手軽なので、興味のある方はじっくりとチェックしてみてほしい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。