スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

通信障害対策っ!!! povo2.0とIIJmioのデュアルSIM運用だゼっ!!!

うっ、povo2.0使ってみたい病が……

 iPhone×2台持ちの俺。どちらにもIIJmioのSIMを入れていたが、auの通信障害のような事態が起きたときに対応するため、IIJmioのSIMのキャリアを変更した。ドコモとauのSIMを2台の端末に入れて使うようになったわけですな。ドコモと(通信障害の)auにしたのは、加入者数1位2位のキャリアだからだ。

 iPhone 13 miniにはドコモのSIMが入っていて、iPhone 13 Pro MaxにはauのSIMが入っているというカタチ。どちらもIIJmioで契約したMVNOのSIMだ。

 ドコモに通信障害が起きたらau SIM入りiPhone 13 Pro Maxを使い、auに通信障害が起きたらドコモSIM入りiPhone 13 miniを使えばいいや〜、と。IIJmioでSIMタイプ(キャリア)をタイプD(ドコモ回線)からタイプA(au回線)へと変更手続きをする程度の手軽さでキャリアの冗長化ができるので、とりあえず的にそうしてみたのであった。

下にあるのがau SIM入りiPhone 13 Pro Maxで、上に乗っているのがドコモSIM入りiPhone 13 mini。拙宅はau電波がちょい弱いっぽい。

 こうしてしばらく2台のiPhoneを携帯してみた、のだ、が。う〜ん、これだとちょっぴりダメな気がしてきた。

 というのは、たいていの場合、俺はこれら2台の端末を携帯しているが、場合によってはメイン端末のiPhone 13 miniだけ持ち歩くことがある。iPhone 13 miniは決済端末でもあるので、こちらは必ず持ち歩く。iPhone 13 Pro Maxは、どちらかと言えば映像を撮るためのスマートフォンという位置付けなので、Vlogデジカメなどを持ち歩くときはiPhone 13 Pro Maxを携帯しないことがあるのだ。

 で、iPhone 13 miniだけ携帯して出かけたとき、突然ドコモで通信障害が起きたらどうしよう? と考えたりすると、iPhone 13 miniでドコモとauのデュアルSIM運用がやっぱり正解ということになる。

 ドコモSIM入りiPhone 13 mini+au SIM&SIMピン携帯という案もある。けど、デュアルSIM端末でSIM別途携帯ってなんかこう負けた感じっていうか雑すぎる感じっていうか残念感丸出しなので、今回ソレはナイ方向で。

 ちなみにiPhone 13 miniはデュアルSIM対応端末で、eSIM×1とnanoSIM×1もしくはeSIM×2を使ってのデュアルSIM運用に対応している。これはiPhone 13 Pro Max、iPhone 13 Pro、iPhone 13でも同様。

 また、iPhone 12、iPhone 11、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRもデュアルSIM運用に対応している。ただしこれら端末の場合、nanoSIM×1とeSIM×1の組み合わせに限られる。

 ということで、使用中のiPhone 13 miniにもう1枚SIMを追加したい。回線障害時を念頭に置いたSIM追加なので、音声通話対応SIMを追加したい。

 iPhone 13 miniには、すでにIIJmio契約のドコモSIMが入っているので、auのeSIMを追加できればいいな〜と思う。のだが、残念ながらIIJmioには音声通話対応のeSIMが存在しないのであった。IIJmioのeSIMはいまのところデータ通信専用のみで、SMSも使用不可である。

 またIIJmioのeSIMとして、仮に音声通話対応のau eSIMがあったとしても、それをそのまま使うのは、ちょっと微妙な気がする。同じMVNOのSIMを使うと、そのMVNOの何らかの障害で両方のSIMが使えなくなる可能性がありそうだからだ。やっぱりこういうSIMの冗長化は、キャリアもSIM提供企業も、多角的に見ても重ならないようにするのが大事かな、と。

 じゃあ、やっぱり「povo(ポヴォ)2.0」のeSIMを新規契約するしか!!! いやほかのMVNOとかキャリアでも音声通話対応SIMはあるが、回線障害を考えて回線を維持するとなると、やっぱり結局維持費最安のpovo2.0しか!!! KDDIのpovo2.0はもちろんau回線だし尾瀬とか行っても通信できるし!!!

 などと、いろいな理由と理屈を総動員し、「povo2.0使ってみたい欲」を満たそうとしている俺なのであった。だってやっぱpovo2.0基本0円だし180日以内にトッピングするだけで回線維持でき(以下後述)。

povo2.0ってナニ?

 まず、「povo2.0」の概要から。注目度が超絶高いサービスなので大半の方がすでにご存じと思うが、KDDIのサービスで、回線はau(au網)。SIMおよびeSIMを発行しているが、基本的には音声通話対応SIMのみの発行となる。

 非常に大きな特徴は、基本料金が0円という点。そこに必要に応じてデータ通信容量や電話かけ放題などの“トッピング(有料)”を追加し、ユーザーにマッチする通話・通信内容へとカスタマイズしていく。

povo2.0のSIMカード。マルチSIMだがさておき、レモン色でかわいい!

 なお、トッピングをまったく追加しない状態でも国内通話(税込22円/30秒)や最小限のデータ通信(送受信最大128kbps)が可能。たまにしか電話を使わないし、データ通信は自宅や特定スポットのWi-Fiが使える、というユーザーは0円で回線(SIM)を維持していけることになる。

povo2.0のSIMカードに付属していたSIMピン。なんか普通のSIMピンより光沢があるような……。

 ただし、トッピングを一切行わないで使い続けられるわけではない。(具体的には180日間トッピングの購入がない場合、そのSIMは順次利用停止になるとのこと(事前の通知あり))。

 povo2.0のSIMを有効化した日から180日の間か、購入したトッピングのうちもっとも遅い有効期限の翌日から180日の間に、有料トッピングを追加しないとSIMが使えなくなるというわけだ。ちなみに、トッピングを追加しなくても、従量通話料とSMS送信料の合計額が税込660円を超えている場合は回線は維持される。

 povo2.0のトッピングはいろいろ用意されているが、現在もっとも安価なのは「smash.使い放題パック(24時間)」で税込220円。180日に1度このトッピングを購入すればずっと回線を維持することができる。6カ月で220円なので、1カ月の回線維持費用がたったの約37円だと考えると、「povo2.0しかない!」と思う人は少なくないと思う。

 なお、同一名義で契約できる回線は5回線まで。これはpovo2.0の合計回線数ではなく、au・UQ mobile含めての回線数となる。povo2.0を1回線契約するためには1つのpovo2.0のアカウントが必要で、povo2.0のアカウントの作成にはユニークなメールアドレスが必要になる。なので、povo2.0を5回線契約しようとすると、メールアドレスが5つ必要になる。

 いや〜俺みたいな「一応この回線とこの回線とこの回線は維持しておきたい、仕事でたまに使うかもしれないから」的なヤツにはピッタリなpovo2.0。もちろん常用の回線として使っても非常に安価に運用していけると思うが、非常に便利なサービスですな。

povo2.0は全部オンライン、店舗窓口はナシ、au系サポート窓口も使用不可

 povo2.0は新規契約から各種手続きまですべてオンラインで完結するサービスだ。KDDIのサービスではあるが、auなどの店舗やサポート窓口ではpovo2.0に対応していない。

 俺の場合、povo2.0の新規契約やSIM種類変更を行ったが、その印象からすれば「これなら店舗窓口とかナシでオンラインだけで大丈夫」という印象であった。まあ、SIMフリーってナニって人にはオススメできないが、このテのサービス(を利用するためのアプリ・Webサイト)としては、とてもシンプルで使いやすいと感じられた。実際にpovo2.0アプリで回線契約したが、その様子をスクリーンショットで見ていこう。

povo2.0の新規契約や各種手続きはpovo2.0アプリか公式Webサイトから行う。ここではアプリでの手続きをご説明。以降のスクリーンショットはiOS版だが、もちろんAndroid版もある。新規契約は「povo2.0を申し込む」から、すでに回線契約をしている場合は「ログイン」からアカウント登録に使ったメールアドレスを入力する。ここでは新規契約から進めた。
povo2.0の回線契約は、1回線につきpovo2.0アカウントを1つ使う。アカウントを登録するにはメールアドレスが必要になる。パスワードは不要で、アプリなどにログインするたびにアカウントのメールアドレスに6桁の認証コードが送られてくるので、これを入力して操作を進める。eSIMを申し込んでゆきたい!
申し込みはサクッと完了。支払い合計金額は0円♪ いいですね〜ハードルがメチャ低いですね〜。続いて説明を読んで先に進める。トッピングなど料金の支払いに使うクレジットカード情報を入力する。povo2.0の利用にはクレジットカードが必須なのだ。
クレジットカード情報を入力したら、本人確認書類の登録。ここでは運転免許証を使った。免許を撮影していく。
免許の表、斜めから、裏側の撮影に加え、本人の顔も数パターン撮影していく。地味にメンドクサイ〜。ちゃんとやらないと本人確認ができず、再トライになってスゲく面倒(実際に俺はヤラカシた)。なので、きっちり撮影しよう!
免許を撮影して送信したら、契約名義などの確認となる。多くの項目は免許などから自動的にOCRされて入力されるが、間違いや未入力があればそれを訂正・入力していく。以上でいったん手続きは終了。
その後、本人確認が完了するとメールで通知される。ので、再度アプリにログインして手続きを進める。本人確認完了後は、(eSIMの場合は)eSIMの発行(有効化)、eSIMの設定(スマートフォンで使えるようにするためのQRコードの表示)を進める。あとはスマートフォンでQRコードを読み、eSIMをアクティベートすればOK。

 以上の手順でeSIMの新規契約〜開通手続きが完了した。この流れで、すでにIIJmio契約のドコモSIMが入っているiPhone 13 miniに、povo2.0のeSIMを追加してみると……。

eSIM導入後、基本的な設定を完了すると、2回線同時使用中を示すアンテナピクトが表示される。
2枚とも音声通話対応SIMなので、たとえば通話時にどちらの回線を使って発信するかを選べるようになる。

 ちなみに、iPhone 13のデュアルSIM運用はDSDS(デュアル・シム・デュアル・スタンバイ)。コチラの記事で解説されているが、2枚のSIMがどちらも着信を待ち受けしていて、どちらの電話番号にかかってきてもすぐ出られるというイメージ。片方のSIMでデータ通信中には、もう片方のSIMで電話着信を受けることができる。

 ほか、デュアルSIM運用中に片方のSIMをオフにしておくこともできる。要は、2枚のSIMを1台のスマートフォンに入れておき、両方同時に使うか、どちらをオフにするか、どちらを通話用・通信用にするかなどを、より手軽に切り替えられるようになる。

サポートもけっこう手厚いイメージのpovo2.0

 んんん〜、やっぱイイなぁiPhoneでのデュアルSIM運用。異なるキャリアの2つの回線がひとつのスマートフォンに。このスマートフォンを携帯しておけば、万が一の通信障害でも困らない可能性がグッと高まる♪

 などと満足してひととおりpovo2.0体験を完了したが、うっかり気の迷いで「このeSIMを物理SIMへ交換してみよう」とか思ってしまった。そういうコトもpovo2.0アプリでデキるハズと思っており、SIM種交換は単なる思いつき&好奇心なのだが、実際はアプリ操作のみって感じではなかった(現在は)。

 通常は、povo2.0アプリ上部の「プロフィール」(人物マーク)>「契約管理」から「SIMの再発行・交換」を行えるようになっていると思われる。だが現在は「メンテナンスにより「povoアプリ」による再発行の受付を停止」しており、チャットによるサポートでのSIM種類交換となった。アプリの向こうにサポートの人が登場してのやりとりとなったのだ。

えっいきなりチャット・サポート? やべぇスマートフォンしかも小さいiPhone 13 miniでのテキスト・チャットとか焦るゼ! だがいくつか情報を伝えると、非常にスムーズに対応してくださった。途中、本人確認書類とのツーショット撮影などする必要が出たが、1度目は間違えて船舶免許を撮ってしまい、すぐに運転免許証を撮ったりしてバタバタと。

 夜7時頃のチャット・サポートによるSIM種交換依頼だったが、サポート担当はAIじゃなくて人間であった。サポート完了時にお礼を言ったら、その対応がなんとなく女性っぽかったような印象だったがさておき、サポート開始が速いしサポート自体が的確・丁寧だしこれならチャットでのサポートでも全然ダイジョーブという感じ。好印象である。

 んんん〜いいなぁpovo2.0。iPhone 13 Pro Maxにもpovo2.0のeSIM入れて、デュアルSIM iPhone×2台持ちの4回線野郎になろうかな? ……それはヤリ過ぎ。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。