スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

SIMカードを財布に入れて持ち歩きたい!

いちばん使いやすい薄型SIMカードケースを探す

 携帯電話大手キャリア各社から独自のオンライン専用料金ブランドなどが出揃いつつ、格安SIMのMVNOも頑張っている現在、ひとりで複数回線を使い分けるユーザーも増えているように思う。俺もそうで、低価格で維持できる回線を予備として確保している。

 そうなるとチョイ困るのが、SIMカードの保管や携帯。現在はnanoSIMが主流だが、アレって小さいじゃないスかミョーに。小指の爪ほどのミニミニサイズ。小さくて扱いにくいと思うが、さらに保管や携帯もしづらい。

SIMカードには標準サイズSIM、microSIM、nanoSIMがあるが、現在主流なのはいちばん小さなnanoSIM。ここまで小さいと、SIMカードスロットに入れにくいし、指ではじいて飛んじゃうこともある。
大手キャリアの格安プランやMVNOにより、ひとり複数回線を維持するのもたやすくなった。のだが、小さなnanoSIMの保管・携帯をうまくしないと、nanoSIMを紛失しがち。外出先でnanoSIM交換しようとして落とすとマジ焦るんスよね〜

 俺の場合、以前は端末に入れていない状態の“使用可能な予備SIM”は1〜2枚だった。ほかのSIMは端末に入っていて稼働状態。予備SIMは、SIMカードアダプターやSIMピンとともに小さなビニール袋に入れ、保管したり財布に入れて携帯していたり。

クレジットカードより一回り小さいビニール袋に、予備のnanoSIM、SIMピン、それから一応的にSIMカードサイズアダプターを入れて保管したり携帯したり。このまま財布のカードポケットに入る

 ただ最近では予備SIMが増えてしまった。3〜4枚くらいある。これらをそのまま上の写真のようなビニール袋に入れて保管・携帯してもいいのだが、枚数がある程度増えるとSIMが混ざって「これが音声SIMだっけ? こっちがデータSIM?」という混乱も起きがち。この際もうちょっと整理してSIMを保管・携帯しよう、と考えたのであった。

 そこで、かつて使っていたSIMケースを使ってみたり、新たに買ってみたり。今回はそれらSIMケースをそれぞれご紹介したいと思う。なお、使いやすさについては、記事が進むごとに使いやすいSIMケースが紹介される構成になっているので、サイコーに使いやすいSIMケースを手っ取り早く知りたい方は、記事の後ろから読み戻るようにするといいかもしれない。

安心感が高いが、かさばる&中途半端&融通が利かないタイプ

 SIMを携帯するなら安心感があるSIMケースがいいだろうと考え、入れたSIMがしっかり守られるタイプをまず使った。頑丈そうでなるべくコンパクトなのをひとつ購入。そして使い始めて「あぁそうだった、ダメなんだこういうのは」と思い出したのであった。

「うまく工夫して使おう」と思って買ったSmallRigブランドのメモリーカードケースで、Amazonで1299円。SIMピン(付属品)、SIMカードアダプター(付属品)、microSDカード×2枚、SDカード×3枚が入る
nanoSIMは、SIMカードアダプターにセットした状態で1枚入る。SD / microSD対応カードケース付属の(microSDカード→SDカードサイズ変換)トレイなどを使えば、3つのSDカード収納部にそれぞれnanoSIMを入れられる。たたし、トレイにはテープでフタを自作し、nanoSIM落下防止を施す必要がある。ともあれ、このケースにはnanoSIMが4枚入ることになる

 イイじゃないスか〜、と最初は思った。SIMもそこそこ扱いやすい。ケース自体の作りもいい。

 のだが、結局こういうケースは、安心感と引き換えにコンパクトさが失われる。「分厚くなっちゃった〜、ビニール袋にSIMとSIMピン入れたほうがいいかも〜」というコトになるのであった。財布にも入らないし。

 一昔前にも、こんなふうなSIMケースとして安心感がありつつ、扱いやすい秀逸な汎用カードケースを使っていた。カード収納部は粘着素材で、SIMなどをペタリと貼る感じで収納する。↓これ。

JAPAEMOブランドの汎用カードケース。クレジットカードより一回り小さいサイズで、厚みはあるものの、そのままカードポケットに収まる。引き出し式で、シリコーンっぽい粘着素材(白い部分)にSIMカードなどをペタリと貼れる。SIMカードが不意に落ちることもなく、SIMカードを貼り剥がししやすくて使いやすい

 このケース、現在はもう廃番っぽいが、使いやすい。ただし厚みが少々あって、使うたびに最後は「やっぱり薄いSIMを入れるケースが厚めってヤだな」とかなって、長期間使うことはなかった。だから廃番になったんだろうか?

薄くて安心感アリのカード型ケース、SIMの出しにくさが……

 それからカードタイプのSIMケース。いろいろあるのだが、昔ながらのカード型ケースをひとつ選んで買ってみた。

クレジットカードサイズで、クレジットカードより若干厚めのSIMカードケース。これらは10年以上前に買ったケースだが、このタイプは現在でも健在のようだ
新たに買ったカードタイプのSIMケースは、v4simブランド品で、Amazonで468円だった。nanoSIMポケット×3、microSIMポケット×1、各サイズSIMカードアダプター(付属品)用ポケット×3、SIMピン(付属品)ポケット×1がある。SIMカードアダプターを別途調達してそこにnanoSIMを入れれば、nanoSIM×7枚を収納できる

 このタイプ、見たところの収納力や機能性はバッチリなのである。このケースなら工夫次第で7枚までのnanoSIMが入るし、ポケット付近にマスキングテープなどを貼って書き込めばSIMの分類を明確に行えて、さらに財布のカードポケットに収納できる。
 またSIMの脱落しにくさもバッチリ。そーとーなことがない限り「SIMが不意に抜け落ちる」ということもない。安価なのもこのタイプの魅力。

 だがしかし、慣れないと「入れたSIMが死ぬほど出しにくい」のも、このタイプのケースの特徴。人によっては初めて使った直後に「うわSIM出てこねーマジかよ一生出てこねえ感じじゃん!」みたいに焦ることも。

各SIMポケットは、SIMがちょうど入るサイズの凹みになっている
SIMを入れるとこのように収まる。SIMポケットの開口部は、SIMサイズより小さな窓になっていて、SIMを入れた状態で不意にSIMが飛び出してくることは絶対と言っていいほどない。なので、出し方を知らないと「SIMが出てこなさすぎてカッとなってSIMケースを破壊してSIMを取り出す」ような暴挙に出る人も
このタイプのケースからSIMを出す方法。SIM収納側が出っぱるような方向で、ケース自体をたわませて、SIMポケット上部にわずかな隙間を生じさせる。続いてSIMポケット左上の切り欠きからSIMピン先端を入れ、ケースとSIMの間にSIMピン先端を入れた状態にする
指とSIMピンでSIMを挟むようにして、SIMとSIMピンを同時に引き抜いていく

 とまあ、ちょっと無理矢理な感じでSIMを引き出すのであった。ただ、SIMを出すたびにSIMピンを使う(SIMの端子とSIMピン先端が擦れる)ので、「これって大丈夫なの?」的な不安が残る。

 ただ、慣れてくると爪の先をSIMピン代わりにしてSIMを引き出すことができるようにもなる。のだが、そのくらい慣れてくると今度は気が抜けて、SIMを取り出した瞬間に爪でSIMを弾いてしまってSIMが飛んでアラたいへん、みたいなことにも。これを外出先でやるとマジたいへんである。

 携帯性もSIM収納数もいろいろ魅力的なカード型のSIMケース。ただし使うにはちょっぴりの慣れやコツが必要なのであった。

安っぽい感じなのに、ミョーに高く、でも超使いやすいSIMケース

 前出のカードタイプのSIMケースより、さらに薄かったり使いやすかったりするケースはないものか? と執拗に探しまくったら、良さそうなのを見つけた。AmazonにあったSilverCoralブランドのSIMケースで、640円だった。単なるビニールケースに無理矢理付属品を追加して値段を上げたような商品ではあったが、ヒッジョーに使いやすい。↓こんなの。

薄っぺらいビニールケースで、一応SIMポケットもある的なSIMケース。クレジットカードサイズだ
nanoSIM×5、microSD×1、3タイプのSIMカードアダプターおよびSIMピンを収納できる。工夫すれば9枚のnanoSIMを収納できると思う
ケース自体は非常に薄く、SIMを入れた状態でも刻印入りクレジットカード程度の厚みしかない。またSIM収納部はややタイトなので、不意にSIMが抜け落ちてしまうような可能性は低いように思う

 SIM収納枚数が多く、SIMピンやSIMサイズアダプターも入って、しかも非常に薄い。もちろん財布のカードポケットに入る。また、ケースに入れたSIMが脱落しにくく、それでいてSIMは指だけで容易に取り出せる。地味な外見なのにいちばんデキるコ! すニャらしい!

 ちなみにこのタイプのケース、AliExpressとかで「SIMケース PVC」と検索すると、近い機能性を持った製品がいくつかヒットする。安さ重視ならそちらから買うのも良さそうだ。

クリアファイルと両面テープで自作するSIMケース、俺的にはサイコー

 もっと自由度の高いSIMケースを! と探し続けたが、上記の薄っぺらい感じのビニールケースが最強であった。しかし、それでも不要なポケットがあったり、無駄な空間があったり、あるいはSIM分類のためのメモを書き込みにくかったり、不満は残る。

 じゃあもう自作すればいいんじゃね? ということで自作してみた。原始的な自作だが、各ユーザーの必要に応じてのカスタマイズも簡単だと思うので、その手順をご紹介したい。

クリアファイルをカットしてSIMケースを作成する
クリアファイルの折り返し部分(のど)を好みのサイズにカット。財布のカードポケットに入るよう、クレジットカードサイズに切った。既にできあがりに近い
カードポケットに対して出し入れしやすいように、自作SIMケースの4つの端を丸くカットした。この作業はパスしてもだいじょうぶ
こんな感じで、ノートのように開閉するSIMケースなのだ
内側の好みの位置に両面テープを貼れば、ほぼできあがり。入れたいSIMなどアイテムの数に応じて、貼る両面テープの本数や貼る位置をアレンジしよう
貼った両面テープが剥がれてこないよう、両面テープの両端をテープで押さえるように貼る。この作業はパスしてもだいじょうぶではあるが、行うと自作ケースの寿命が伸びる
両面テープの両端は、このように保護しておかないと、端から剥がれてきちゃうんですな
あとはSIMなどをペタリと貼ればOK。必要に応じて付箋紙やマスキングテープを貼り、そこにSIM種類などのメモを書き込むと便利だ
閉じれば、両面テープの余り部分により、ノートが開いてこず、SIMなどをちょうどよくホールドしてくれるのであった。ただ、使っているうちに両面テープの粘着力が落ちてくる。そうなったら新しい両面テープへ貼り直そう
このまま財布のカードポケットに入れられる
でもSIMの脱落などが不安、という場合、クレジットカード用ビニール袋に入れてから財布に入れるといいかも
カード専用の厚手スリーブだと、よりSIMケースの出し入れをしやすい
ツイデに“テレホンカード”を収納しておけば、万が一のときに予備SIMに加えて公衆電話も使えて安心感が高い
こちらは社員証などを入れるケース。ジップ式ファスナーがあるケースだと、自作SIMケースを安心感とともに携帯できる
横位置のケースだと自作SIMケースをより出し入れしやすい

 てな感じの自作SIMケース。使用感はと言うと、手前味噌で自画自賛ではあるが、スゲくよい。10分かからず作れるわりには、薄さバッチリでSIM収容枚数もたっぷりで原価激安で、自作がチョイめんどくさいって点以外は文句なし。俺的にはサイコー。

 いや〜クリアファイルってスゲいですな。つーかこういう簡易的だが実用的なSIMケース、MVNOとかの入会プレゼントで配布すればいいのにニャとか思うのであった。ともあれ、すぐ作れるわりには実用性が高いSIMケースなので、ぜひお試しを♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。