スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

Macのテキスト音声入力に最適なマイクとは?

夏からずっと音声入力(ディクテーション)に頼りまくりな俺

 Macで原稿を書いているが、ときどき音声入力でテキストを書いていた。Macのマイクに話した言葉が認識され、テキストとして入力できるという機能だ。現在は「かなりすごい」と言える認識率で十分な実用性がある。

 使い方は簡単で、システム環境設定>キーボード>音声入力で、「音声入力」をオンにするだけ。MacBookなら内蔵マイクで音声入力が行えるが、デスクトップMacの場合はUSBマイクなどを接続して使う必要がある。

Macでテキストの音声入力)を行うには、システム環境設定>キーボード>音声入力の項目で音声入力をオンにする必要がある。Windowsでの音声入力方法はコチラ
オンライン会議や音声入力でよく使っているマイクはサンワサプライ「USBマイクロホン MM-MCUSB25」。マイク側でUSB接続のオンオフができるためPCと接続しっぱなしでよく、ミュートスイッチもあり、声に適した音質だったりもして、いろいろと好都合&便利。ただしこの機種は廃盤品で、後継機種は「USBスタンドマイク MM-MCUSB25N」

 実用性の高いMac音声入力だが、7月末からは急激に使いまくるようになった。というのは、重度の寝違いっていうか背中の肉離れを起こしたから。発症当初は連日唸るほどの激痛で、上半身を一方向に固定していないといられない感じ。ただ起床後2~3時間経過して鎮痛薬が効き始めると、まあデスクワークならなんとかできるという状態になる。それまではキーボードに(左の)手を置くだけでスゲく痛いのであり脂汗が出るほど。

 しかし起床後2~3時間何もできないとなると、仕事にも支障が出る。そこで単純に「あっそうだ、痛みが引くまで音声入力で原稿を下書きしよう!」と考え、毎日のようにMacで音声入力をするようになった。

 さて、音声入力のために毎日マイクを使うようになったわけだが、好んで使っていたUSBマイクに対して違和感が出てきた。出しっぱなしにしておくと、ちょっと邪魔なのである。

こんな感じで机上に出しっぱなしにして音声入力していた。だが、背中の痛みが引いた後は使わないので、午後から夜くらいまでは単なるオブジェと化し、なんか、ちょっと邪魔な感じ。

 じゃあ単純に音声入力するときだけマイクを出して、終わったらしまえば? まったくそのとおりだが、しかし、ヘタに動くと背中が激痛なんスよ、肉離れで。なので、もっと「目障りでも邪魔でもないマイク」を使うことにした。

 そして最適マイク探しの旅へ。背中が痛いので手が届く拙宅ガジェット墓場と、ネットショップでのマイク探索である。

 テーマ的には「Macのテキスト音声入力に最適なマイクとは?」という感じで音質や机上へ置いたときの見栄えを考慮してマイクを探していった。だが、途中から趣旨が変わってきた。

 というのは、Macの音声入力は、どうも「どんな音質もマイクでもだいたいしっかり言葉を認識してくれる」っぽいからだ。まあ、あまりに音質がダメなマイクだと認識率も下がると思うが、フツーのマイクならどれでもあまり認識率の差が感じられない。実際、以下に紹介するマイクならどれでも「十分高い認識率で音声入力できる」という感じ。

 なので、「どれだけデスクトップPC付近や机上で邪魔にならないか」に主軸を置いてのマイク探しに重点が置かれたというわけだ。それでは以降、使っていった順で、マイクをレビュー。

ソニーの多用途コンデンサマイク+USBなSound Blaster

 ガジェット墓場からまず発掘されたのは、ソニーの多用途マイク「エレクトレットコンデンサーマイクロホン ECM-PC60」であった。でもコレ、プラグ式。デスクトップPCっていうかMac Studioの背面に接続する必要があったりしてチョイ面倒……と思ったら続けてCREATIVE「Sound Blaster PLAY! 3」が発掘された。USBオーディオインターフェースである。コレと上記マイクを組み合わせればMacにマイクをUSB接続できるハズ! つーか、なんて便利なんだ俺のガジェット墓場は!

ソニー「エレクトレットコンデンサーマイクロホン ECM-PC60」はプラグインパワー方式のコンデンサーマイクで、ピンマイクとして胸元に留めるなどしても使える。2011年発売の息の長い製品で、実勢価格は3600円くらい。
CREATIVEのUSBオーディオインターフェース「Sound Blaster PLAY! 3」。プラグ式のマイクやイヤホンをPCへUSB接続できるようにするアダプターですな。実勢価格は1800円くらい。
両者をつないでMacにUSB接続してみた。ばっちり音声入力ができた。

 すっげぇ! 俺のガジェット墓場の亡霊たちにより、一発で新たな音声入力用マイクがセットアップできた! とは思ったのだが、んんん~。マイクなどの存在感はやや静かになったものの、2つの機材が机上に出ているのも、なんかこう邪魔感がある。悪くはないけど、もっとスッキリさせられるハズ! ということで次のマイクに。

謎のUSB-Cピンマイクを使う

 なんだコレ~! 俺のガジェット墓場から次に発掘されたのは、USB-C接続のピンマイク。「MIC-TI」と書かれた英語/中国語の説明書といっしょに発掘されたので、たぶんそういうブランド名か製品名だと思うが、とにかく使ってみた。

USB-C接続のピンマイクが出てきた。購入した記憶も使った記憶も消失している。
Mac Studio前面のUSB-Cポートに接続したら、フツーに音声入力できた。

 初めは胸にピン留めして使ったが、なんかケーブルが体に触れてウザかったので、キーボードの上にちょこんと乗せて使うことに。問題ない。フツーに音声入力できる。

 だが、キーボード付近から手前に延びた細いケーブルがたまに太ももに当たってヤな感じ(短パンのため)。やっぱりディスプレイ下部に増設したUSBハブにマイクを接続したい。

ディスプレイの下のフチにUSBハブをセットして使っている。このUSBハブはMac Studioにつながっている。USBハブからUSB機器へ電源を供給できるセルフパワータイプのUSBハブだ。
製品としてはORICO「USB3.0ハブ 4ポート クリップ式」で、Amazonでは2588円。

 このUSBハブ便利なんスよ~。USBハブ的な存在感が希薄なのだが、ディスプレイにしっかり装着でき、USBプラグの挿抜が快適。まあディスプレイによってはUSBプラグ挿抜時に画面が動いちゃったりするかもしれないが。ともあれ、このUSBハブに挿す方向で、引き続きUSBマイクを物色していく。

サンワサプライのUSBポート直挿しマイク

 そういえばサンワサプライからオンライン会議とかに使えるUSBマイクがけっこう出てたニャ~とか思い出し、ちょっと検索してみた。すると、なんかも~俺的音声入力環境に最適っぽい製品を発見。

 それは「USBマイクロホン MM-MCU02BK」という製品で、希望小売価格は5280円であるものの、サンワダイレクト価格は3850円。あら安いとか思ったら、Amazonではさらに値引きしていて2073円だったので光の速さで購入した。

サンワサプライ「USBマイクロホン MM-MCU02BK」は、USBポートに直接挿して使うタイプのコンデンサーマイクだ。USBプラグ付近にタッチ式のミュートボタンがある。
ディスプレイ下部のUSBハブにセットしてみた。写真では若干の存在感がある。
実際に使うときは、マイクを自分の顔のほうに向ける。すると小さな球のような見栄えになり、目障り・邪魔という感じが全然しない。
USBプラグ付近のミュートボタンに触れると赤色LEDが灯ってミュート状態に。再度触れると青色LEDが灯って音を拾う状態になる。

 おっコレは素晴らしい! これまで音声入力に使ったマイクとして、最も存在感が希薄な感じにセットできる。机上に何も置かれないのもナイス。もちろん音声入力用マイクとしてしっかり機能する。オンライン会議用マイクとしてもフツーに問題なく使えた。手を出しやすい価格(現在だけかも)もグレイトと言えよう。けっこーオススメ。

もっと小さいUSBマイクってないの? ……ある~!!!

 なるほど。USBポート直挿しで、小さければ、邪魔な感じがほとんどしない。これならもう挿しっぱなしでいい。とか思ったが、「もっと小いUSBマイクならもっと気持ち良く使えるハズ!」とも思ってしまい、俺の音声入力最適マイク探しの旅はまだ続くことになった。

より小さいUSBマイクを探して見つけてBOYA「BY-M100UA」。コンデンサーマイクで、Amazonで3,000円だった。
ディスプレイ下部のUSBハブにセットしてみた。非常にコンパクトにまとまる♪

 これはイイ! そこそこ音質もよく、音声入力にもオンライン会議にも使える。3000円のマイクで声がまずまず通る音質がありつつ、非常にコンパクトに使えるということで、納得感のある値付けだ。まあでも音質を求めるスタンスだと少し物足りないかもしれない。

 とか思っていたら、さらに小さいUSBマイクを発見。Parishopブランドの「超小型 PCマイク世界最小USBマイク」でAmazonで699円だったので迷わずポチッとな。

Parishop「超小型 PCマイク世界最小USBマイク」。マウス用のUSBドングルのような小さである。
ディスプレイ下部のUSBハブにセット。存在感はほとんどない。音質はよくないが、音声入力するにあたって問題は感じられない。
このようなUSBグースネック(別売)を使ってマイクを口元へ近づければ、声をより明瞭に入力することができる。

 このUSBマイク、音質はイマイチなんだが、音声入力で使うにおいては全然問題なし。気持ち、ほかのマイクより認識率が悪いような気がするが、気がする程度で、大きな問題はない感じ。Appleの音声入力ってこんな音質イマイチなマイクでも音声入力できちゃうんだ~何でもアリなんだ~とか驚いたりして。

 てな感じで体をあまり動かせなかったこの夏、マイク探訪の旅をしていたら、徐々に背中の痛みも引いてきた。さておきMacの音声入力を(マイク非搭載のデスクトップMacで)使っている方は、小型USBマイクに着目するといいかもしれない。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。