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au回線から接続してもau IDが設定できない?

【Galaxy Z Fold6】

本体を開くと大画面で利用できるのが「Galaxy Z Fold6」の魅力。今回は端末の開閉も一段とスムーズになった

 7月31日に発売されたサムスンの「Galaxy Z Fold6」。筆者はauのメイン回線として、「Galaxy Z Fold4」、「Galaxy Z Fold5」を使ってきたので、今年も発売のタイミングで機種変更。過去2回はいずれもau版を使ってきたけど、今回はsamsung.comで販売されたオープン市場向けのSIMフリー版を購入。SIMフリー版は各携帯電話会社のような端末購入サポートプログラムが利用できないため、出費がかさむけど(泣)、何とか頑張って、買いました。

今回、筆者が購入した「Galaxy Z Fold6」は、samsung.com限定カラーのクラフテッドブラック。純正の「S Pen Case」(右)を購入してあるけど、現在はAliExpressで購入した金縁ケース(中央)を装着中。左側のオレンジケースはMagSafe対応

 そういえば、「Galaxy Z Fold4」はauのスマホトクするプログラムを使って購入したんだけど、そろそろ返却の時期。すでにデータは、ほかの端末に移してあって、あとは返却するだけの状態だったんだけど、端末を初期化しようとしたら、なぜか電源は入らないし、充電もできない……。このままでは返却できないので、auの「故障紛失サポート with Cloud」で修理に出したところ、わずか数日で返却されてきた。同封されていた修理報告書によれば、バッテリーの過放電制御で電源が入らなくなっていたとのこと。無事に復旧されて、電源投入も充電もできるようになってました。

データをほかの端末に移行したまま、「Galaxy Z Fold4」を放置していたら、電源が入らなくなり、充電しなくなってしまった
しかたなく、故障紛失サポートセンターに修理に出した。その後、数日で手元に返却されてきた。バッテリーの過放電制御によって、電源が入らなくなり、充電できなくなるという

 実は、この症状って、ネット上でも何度か見かけたことがあるけど、修理報告書には「定期的な充電をお願いします」と書かれているので、使わなくなった「Galaxy」は放置せず、ときどき充電した方がいいようです。

 無事に復旧して「Galaxy Z Fold4」が戻ってきた数日後、今度はGalaxy Harajukuに出向き、フィルムの貼り替え(無料)を依頼。以前、本コーナーでほかの著者が説明していたけど、筆者も使いはじめて1年後くらいにフィルムが剥がれはじめ、Galaxy Harajukuで貼り替えてもらったことがある。

 今回はauに返却するタイミングだし、フィルムの端に小さな浮きが見つかったので、再依頼したというわけ。いつものように、フィルムはきれいに貼り替えられ、端末は無事にauの返却窓口に旅立っていきました。ちなみに、端末購入サポートプログラムでの端末返却では、本人限定郵便を受け取ったり、返却キットを受け取る日時を指定するなど、いくつか手順があるんだけど、このあたりの流れがauのWebサイトではあまり説明されていないのがちょっと残念でした。

 話を元に戻して、新たに購入したSIMフリー版の「Galaxy Z Fold6」ですが、サムスンの移行ツール「Smart Switch」を使い、従来の「Galaxy Z Fold5」からデータを引き継ぎ。同じGalaxy同士なので、ほとんど迷うことなく、移行は完了。SIMフリー版だからといって、何も特殊なことはなく、auユーザーには欠かせない「My au」や「au PAY」などのアプリも同じように使いはじめることができた。ちなみに、「Smart Switch」はAndroidスマートフォン同士だけでなく、iPhoneから移行するときも「LINE」の全トークデータを引き継げるようになっている。

 機種変更でデータを移行してから、8月、9月と使い続けてきた「Galaxy Z Fold6」だけど、先日、au PAYの残高にau PAYカードからチャージをしようとしたところ、なぜかチャージができないという事態に遭遇。

「au PAY」アプリで「au PAYカードチャージ」を実行したところ……
なぜか、エラーになってしまい、チャージできない

 au PAYカードの利用可能額は十分だし、1カ月にチャージできる金額の上限にも達していない。au PAYカードのWebページを確認したところ、特に問題はないため、au IDの設定に何か原因があるかもしれないと考え、au IDのWebページにアクセスしたところ、「指紋・顔認証によるログイン設定」の登録済み端末に「Galaxy Z Fold6」が登録されていない。そこで、「Galaxy Z Fold6」でアクセスしている状態で、「この端末を登録する」を選んだところ、今度はエラーが表示されてしまう。ほかにも、いろいろな可能性を試してみたんだけど、どうにもこうにも解決できず、auのサポート窓口にチャットでサポートを依頼。

 チャットのサポート窓口はおそらく「1対多」の対応をしているため、こちらの投稿に対するレスポンスが遅かったが、結局、解決できないということで、電話でのサポートに移行。電話サポートではブラウザのキャッシュクリアなど、初歩的な案内もすべて試してみたけど(とっくに自分でやってる)、解決策は見つからず、最後には「遠隔操作サポート」まで試したが、これもダメ。サポート側で「指紋・顔認証によるログイン設定」の登録端末をすべて削除したことで、パソコンからau IDとパスワードでのログインはできるようになったものの、スマートフォンからはau回線に接続して(Wi-Fiはオフ)、au IDのWebサイトにアクセスしてもログインできない事態に陥ってしまった。当然、トラブルのきっかけとなった「au PAYカードからau PAYの残高にチャージできない」という問題も解決できなかった。

サポート窓口とやり取りして、au側の生体認証の登録をリセットしてもらったので、改めて、au IDのサイトにアクセスし、「指紋・顔認証によるログイン設定」で登録しようと試みる
なぜか、ここでもエラーになってしまい、「指紋・顔認証によるログイン設定」の登録ができない
ブラウザのキャッシュなどをもう一度、クリアし直して、au IDのサイトにアクセスすると、au IDはログアウトされていて、右上の「ログイン」からログインを試みたところ……
なぜか、au IDのサイトにログインできなくなってしまった。au回線から接続しているのに……。ブラウザは「Chrome」だけでなく、「Samsungブラウザ」でも試したが、状況は変わらず……

 スマートフォンにせよ、パソコンにせよ、トラブルが起きることはしかたないけど、auユーザーにとって、au IDはさまざまなサービスを利用するための根幹となるもの。しかもauはさまざまなサービスにau IDを紐づけるように展開し、さらに利用範囲を拡大する状況にある。そんな重要なau IDを管理するためのサイトに、auの回線から接続しながらアクセスができなかったり、本来、セキュリティ強化のために提供されている「指紋・顔認証によるログイン設定」が登録できない、パスワードによるログイン設定の可否が変更できなかったりといった状況に陥ってしまうのは、さすがにいただけない。

 しかも今回のトラブル解決では、電話でのサポートを開始してから、最終的にサポート窓口のスタッフが 「わかりました。これはシステム側の問題と思われます。こちらで改善を試みますので、数日後にまたお試しいただけますか?」 というギブアップとも受け取れる言葉が出てくるまで、約2時間以上かかってしまった。チャットでの時間を含めると、3時間近くになるかもしれない。トラブル解決に根気よく取り組んでいただいたサポート窓口のスタッフのみなさんには頭が下がる思いだが、やはり、システムの不具合である可能性を早く見極める必要があるだろうし、これだけの問題であれば、 「数日後にまたお試しいただけますか?」 といった悠長な返事ではなく、修正できた段階でユーザーにSMSやメールなどで周知するなどの取り組みも必要じゃないでしょうか。

 こうしたアカウントに関するトラブルは、auに限ったことではなく、今年2月にも本コーナーの「どうにかならない? デュアルSIMがまともに使えないdアカウント」という記事で、デュアルSIM環境でのdアカウントの挙動について、問題を指摘した。

 現在は改善されたように見受けられるけど、それでもたまに 「dアカウントの認証に失敗しました」 という通知が表示され、本当に正しく動作しているのかが不安になる。

 現在、各携帯電話会社は決済サービスやクレジットカード、金融サービスなどと連動する形で、“経済圏”競争をくり広げ、さまざまな業界を巻き込みながら、利用シーンを拡大し続けている。各社の「dアカウント」「au ID」「SoftBank ID」「楽天ID」といったアカウントは、こうした各サービスの根幹を担う重要な存在だ。不正利用や詐欺などを防ぐため、さまざまな対策が実施されているが、今回のau IDのトラブルを見るにつけ、各携帯電話会社のサービス仕様やユーザーインターフェイス、サポート体制にもまだまだ多くの課題があり、いつ何時、トラブルが起きるのかがわからない状況にある。

 今回は「チャージができない? じゃあ、また今度」というレベルなので、数日待つことになったが、急を要するようなトラブルだったときはどうですんでしょう? だからこそ、各社には自らのシステムや対策を過信せず、ユーザーの反応にも耳を傾けながら、安全かつ有用なサービスを提供していただきたいところです。お願いしますね。>各社のみなさん