みんなのケータイ

どうにかならない? デュアルSIMがまともに使えないdアカウント

【AQUOS R8 pro SH-51D】

ベトナムでのモバイル通信をどうするか

 昨年12月、ちょっと早めの冬休みを取り、ベトナムのフーコック島に行ってきた。日本からはホーチミンで国内線に乗り継ぎ、約1時間のフライトで到着するところで、YouTubeなどを見ると、いくつか旅レポが公開されている。

 現地は時期が早かったこともあってか、ほとんど日本の観光客に会うことがなく、リゾート気分を楽しむことができた。

 海外に行くとなれば、モバイルユーザーとして、気になるのは現地での通信をどうするか。コロナ禍もあって、だいぶ、情報が鈍ってしまったけど、基本は各キャリアのローミングサービスと現地通信事業者のSIMカードあたりから選ぶことになる。

 筆者は国内各社の回線をそれぞれ契約しているため、できれば、各回線を海外で使えるようにしたいところ。ただ、今回は移動日も含めると、全日程が9日間と長かったため、普通に各社の国際ローミングを使うと、1回線あたり5000円以上、かかってしまう。

povo2.0の海外ローミングは利用したい渡航先のトッピングを購入するという形。12月は1つ買うと、1つもらえるキャンペーンを実施していた。旅行の多いシーズンにまた実施して欲しいなぁ

 昨今の厳しい経済状況も踏まえ、主要3社(ブランド)以外のサービスやAmazonなどで販売しているeSIMを組み合わせることにした。

povo2.0の海外ローミングは渡航前にトッピングを購入しておく。渡航先に着くと、利用期間が開始されるしくみ。現地のプリペイドSIMよりは少し高いが、降機して、すぐに使えるし、安心感は大きい。

 たとえば、「iPhone 15 Pro Max」はソフトバンクのnanoSIMカードをメインで使いつつ、楽天モバイルのeSIMも登録しているんだけど、そこにAmazonで売っていたVietnamobileのeSIM(データ通信量120GB/有効期間30日)を追加した。

 販売する業者によって、少し対応は違うかもしれないけど、Amazonで購入後、注文番号を案内された専用URLのWebページに入力すると、数日後にeSIMを登録するためのQRコードがメールで送られてくる流れが多いようだ。

 楽天モバイルは海外でも最大2GBまで使えるため、追加したeSIMが使えなかったときの予備という位置付け。auで利用している「Galaxy Z Fold4」も同様で、Amazonで購入したVinaphoneのeSIM(データ通信量無制限/有効期間10日)を登録した。

 そして、仕事を含め、メインで使っているNTTドコモの「AQUOS R8 pro SH-51D」をどうするか。NTTドコモの「世界そのままギガ」も検討したけど、やっぱり、9日間で6880円だし、12月は何もキャンペーンがなかったので、povo2.0のeSIMを登録し、海外ローミングのトッピングを購入することにした。

 povo2.0の回線は以前、本コーナーでも紹介した「Surface Duo 2」に登録していたもの。ところが、「Galaxy Z Fold4」などを利用しはじめたことで、「Surface Duo 2」の出番が少なくなり、今回の渡航を機に「AQUOS R8 pro SH-51D」のデュアルSIM用に移行することにした。

 povo2.0はサービス開始当初、国際ローミングのサービスを提供していなかったが、昨年7月から「海外ローミング」の提供を開始。

 渡航先のトッピングを購入する形式になっていて、今回の渡航先のベトナムは「1GB/3日間/760円」と「3GB/7日間/2200円」というトッピングが用意されていた。しかも昨年12月8日~12月25日までは、海外データトッピングを1つ買うと、もうひとつもらえるというキャンペーンも実施していたため、「3GB/7日間」を買うことにした。

ドコモメールが受信できていない?

 そんな構成で渡航時の通信環境を準備して、まずはホーチミンへひとっ飛び。追加したeSIMも有効になり、povo2.0の海外ローミングのトッピングも有効にできた。かつて、渡航先でSIMカードを探し回っていたことを考えると、本当にラクになりました。

せっかくリゾートに来たんだから、こういうのを楽しみたいよね

 フライトスケジュールの関係上、ベトナムの国内でフーコック島へ飛んだのは2日目。フーコック島に入り、のんびりと過ごしていたんだけど、ふと「AQUOS R8 pro SH-51D」の画面を見ると、通知にエラーが表示されていて、ドコモメールも受信できていない。

あまり使ってないけど、SIMカード(ドコモUIMカード)を切り替えると、ドコモメールが利用できなくなってしまう
dアカウントも認証されなくなり、再認証を求められる。再認証をしないと、ドコモメールをはじめ、各サービスが利用できない

 今となってはドコモメールに重要なメールは来ないので、そのまま放置していても良かったんだけど、どうやらデュアルSIMでpovo2.0側の回線を有効にすると、dアカウントの認証ができず、ドコモメールだけでなく、dアカウント認証を使うアプリがみんな利用できなくなってしまう。

 これを解消するには、有効なSIMカードをNTTドコモ側に切り替えて、通信をしなければならないんだけど、海外渡航中なので、「世界そのままギガ」で接続するしかない。

 せっかく出費を抑えるために、デュアルSIMでpovo2.0を使ったのに……。結局、「世界そのままギガ」を使って、一時的に回線を切り替えたりしたけど、この認証エラーって、海外に限らず、国内で使っていてもエラーが起きる。何のためのデュアルSIMなんだか……。

 実は、このdアカウント認証時のトラブルを回避する方法はあって、別の端末に[dアカウント設定]アプリをインストールし、そちらで生体認証を登録しておけば、「AQUOS R8 pro SH-51D」で認証が必要なときに別端末側で認証して、ログインを許可することができる。

結局、「世界そのままギガ」を利用して、dアカウントを再認証するしかないようだ

 セキュリティを強固にする方針は理解できるけど、デュアルSIMを切り替える度に再認証しなければならないのは、さすがに使い勝手が悪い。ちなみに、VinaphoneのeSIMで使っていたau回線の「Galaxy Z Fold4」は、VinaphoneのeSIMで接続している状態でもauメールが受信できていた。

 dアカウント認証については、本コーナーの他の著者陣もトラブルや扱いにくさを指摘しているけど、ちゃんと認識されているんでしょうか。 > NTTドコモさん

ベトナム滞在中、2回ほど、「世界そのままギガ」を利用した。1回目は1時間プランだったけど、2回目は24時間を申し込んだ

その後の「楽天モバイル(MVNO)からのMNP」

 最後にもうひとつ。昨年12月に本コーナーで「『釣った魚に餌はやらぬ』の楽天モバイル(MVNO)からMNP転出を試みるも……」という記事を掲載した。

 本誌編集長からは「めっちゃ読まれました」と聞かされたが、その後の状況について、報告しておこう。

 まず、当初、楽天モバイル(MVNO)で取得したMNP予約番号は、有効期限が残り10日を切ったため、いずれの事業者でもオンラインでの申し込みができなくなり、期限切れを待って、再び、楽天モバイル(MVNO)でMNP予約番号を再取得した。

 次に、どこへMNPをするのかは悩んだけど、前回も書いたように「AQUOS wish3」を購入していたこともあって、もう一度、イオンモバイルに申し込むことにした。ただ、12月は前述の通り、ベトナムに渡航していたため、申し込みができたのは12月27日。

 申し込みの受付を知らせるメールは届いたけど、その後、何も連絡がなく、オンラインで確認してもステータスの変化はなし。実は、12月30日から帰省する予定にしていたので、このままではSIMカードを受け取れなくなり、年末年始で「開通の有効期限を過ぎてしまうのでは?」とヤキモキしたが、12月30日早朝に発送を知らせるメールが到着。

 同日の午後にSIMカードが配送され、その日の内に回線の切り替え手続きも完了した。

 ただ、一連の流れを振り返ってみると、やはり、イオンモバイルの対応には不満が残る。届いた荷物の伝票を見る限り、SIMカードを発送したのは12月29日。都内なので、翌日に配送され、無事に受け取ることができたが、発送を伝えるメールは12月30日付け。

 つまり、発送した日には連絡せず、翌日に連絡をしたことになる。幸い、今回は在宅していたため、無事に受け取ることができたが、本来であれば、発送した日に知らせて、確実に受け取れるようにして欲しいところ。

 また、前回の記事でも説明したように、当初の申し込み時では楽天モバイル(MVNO)からのMNPと同時に「AQUOS wish3」をセットで購入している。

 本来であれば、「イオンモバイルにお乗り換え(MNP)&AQUOS wish3購入で合計18000WAONポイントプレゼント」のキャンペーンが適用されるはずだったが、前回はMNP手続きが完了しなかったため、端末のみが一方的に送られてきて、キャンペーンは適用されなかった。

 昨年、MNPが完了しなかった理由を聞くため、イオンモバイルのサポートに連絡した際、「再申し込みをして、MNPが完了すれば、キャンペーンは適用されます」という回答を得たが、2回目の申し込みでMNPが完了したものの、開通から1カ月半を過ぎた現在もイオンモバイルからは何も連絡がない。

 昨年12月の件と合わせて見えてくるのは、基本的にイオンモバイルの対応が店舗での対面が中心となっているため、オンラインでの手続きや対応の体制が整っていないという点。

 結局のところ、当初のMNPが完了しなかった件も店頭であれば、間違いを見つけ、修正する対応ができそうだけど、オンライン手続きは申し込み後にやり取りするしくみや経験がないため、一方的に申し込みを打ち切っていたように見受けられる。

 イオンモバイルは豊富な料金プランをはじめ、マルチキャリア対応やシニア向けの「やさしいプラン」など、注目点の多いMVNOだが、もう少しオンラインでの手続きとフローをスムーズにして欲しいところです。