みんなのケータイ
ドコモ「いつでもカエドキプログラム」の返却って、案内や説明が不十分?
【Galaxy Z Flip4 SC-54C】
2023年9月26日 00:00
スマートフォンの価格が高騰する中、ここ数年、各社が拡充してきたのが「端末購入プログラム」。クルマの残価設定ローンと同じように、分割払いで購入し、2年後など、一定期間が経過した後、端末を返却するか、残債分を払って買い取るか、再分割するかを選ぶことができる。
20万円を超えるような高額の端末でも端末購入プログラムを利用することで、2年後の端末返却を条件に、月額5000円程度を24回、支払えば利用でき、実質負担額を約半額程度に抑えられるわけだ。
しかし、筆者のような仕事をしていると、できるだけ最新機種を使う必要があるため(という言い訳?)、利用期間が拘束される端末購入プログラムは、あまり積極的に使ってこなかった。
とは言え、それじゃ実状がわからないし、最近はさらに端末価格が高騰してきたので、昨年9月に発売された「Galaxy Z Flip4 SC-54C」は、NTTドコモの「いつでもカエドキプログラム」を利用して購入した。
当時の購入価格は14万5000円(税別)で、「オンラインショップおトク割」で5000円が引かれ、税別で14万円、税込で15万4000円が支払総額。分割払いは1回目が3784円、2回目以降が3768円、24回目の残債は6万7320円。22カ月以内に端末を返却する場合、早期利用特典が適用され、端末の分割払い代金から月々880円が引かれる。
つまり、1年使って、端末を返せば、少し負担額を減らせるわけだ。ちなみに、ドコモはこのしくみを進化させた「いつでもカエドキプログラム+」を今年9月からスタートさせており、「Galaxy Z Flip5」や「Galaxy Z Fold5」、「iPhone 15」シリーズなどが対象機種となっている。
そんなわけで、今年は「Galaxy Z Flip5」が発売され、レビュー記事で「Galaxy Z Flip4」と比較する写真なども撮ったので、昨年購入した「Galaxy Z Flip4 SC-54C」はお役御免。少しでも負担を減らすため、端末を返却することにした。
ドコモの「いつでもカエドキプログラム」や旧サービスの「スマホおかえしプログラム」で端末を返却する話題については、本誌でも何人かのライター諸氏がレポートしていたが、少しサービス内容が更新されていたほか、ドコモの手続きの流れや案内が気になったので、それらの点も含めて、触れておきたい。
まず、端末返却の手続きは、ドコモショップでもできるけど、待ち時間もないので、my docomoのドコモオンライン手続きで進める。my docomoの「お手続き」から「いつでもカエドキプログラムご利用(郵送)」を見つけて、「お手続きする」をタップしてスタート。最初に「いつでもカエドキプログラム」の契約内容の画面が表示され、契約中の機種名「Galaxy Z Flip4 SC-54C」が加入日(購入日)や製造番号(IMEI番号)と共に表示される。
続いて、「電話機送付キット受取のための本人確認方法」という画面が表示される。従来は「本人限定受取郵便」のみでの対応だったが、「オンラインでの本人確認(eKYC)」が利用できるようになった。しくみとしてはLiquidの「LIQUID eKYC」を利用したもので、本人確認書類は「運転免許証」「マイナンバーカード(個人番号カード)」「在留カード」「運転履歴証明書」が利用できる。
各携帯電話会社やMVNO各社の手続きで経験がある人なら、ご存知だろうが、運転免許証の表裏面をカメラで撮影したり、本人の顔写真を前面のカメラなどで写したりすることで、本人認証が完了する。あとはmy docomoに戻り、受付完了のメールをどのメールアドレスで受け取るのかを指定すれば、手続きは完了となる……。
と言いたいところだったが、手続きを進めた結果、「申し訳ございませんが、手続きを進めることができません」と表示されてしまった。
何が引っかかったのかというと、「いつでもカエドキプログラムご利用(郵送)」の手続きを進めるには、先に「smartあんしん補償/ケータイ補償サービス」の廃止が必要という点。正直なところ、「だったら、先に言ってくれよ(表示してくれよ)」と言いたい。そうじゃなかったら、申し込み手続きの最後の段階で、「補償サービスが使えなくなります。廃止しますか?」と表示するくらいの配慮があってもいいんじゃないでしょうか。
ちなみに、補償サービスを廃止すると、万が一、「いつでもカエドキプログラムご利用(郵送)」の手続き後、何らかのアクシデントで破損してしまったときが心配だが、「smartあんしん補償/ケータイ補償サービス」を解約した場合でも「いつでもカエドキプログラム利用申し込み日の前々月1日から申し込み前日までに「smartあんしん補償/ケータイ補償サービス」の契約があれば、加入中とみなし、故障修理が必要な場合でも2200円で利用可能」とのこと。
しかたなく、ドコモオンライン手続きの最初の画面に戻り、補償サービスの廃止を手続きしたうえで、もう一度、「いつでもカエドキプログラムご利用(郵送)」から、やり直すことに。もちろん、eKYCも全部やり直し。あー、めんどくさ!! ユーザーの手間って、考えてます? > ドコモさん
そんなこんなで、手続きをやり直し、ようやく「いつでもカエドキプログラムご利用(郵送)」の申し込みが完了。spモードメールに「【ドコモ】お手続きを承りました」というタイトルのメールが届いて、ひと安心。
ところが、その後、1週間、経っても返送キットが届かない。「【ドコモ】お手続きを承りました」のメールを受信して以降、何の連絡もない。返送キットについては、1週間から10日間くらいで届くということなので、到着までもう少し時間がかかるのかもしれないけど、手続きがどういう状態になっているのかがわからない。
そこで、再びmy docomoにアクセスし、「いつでもカエドキプログラムご利用(郵送)」のメニューにアクセスしたところ、「申し訳ございませんが、手続きを進めることができません」と表示されてしまう。今度はその理由として、「お客様はいつでもカエドキプログラム未契約なのでお申込できません。ご契約情報をサイドご確認ください」という表示が……。しかも手続き内容の履歴をチェックすると、「いつでもカエドキプログラム」を「解約」したことになっている。
机の前で思わず、「おいおい、いい加減にしてくれよ」と口走ってしまった。おそらく、ドコモとしてはユーザーが「いつでもカエドキプログラムご利用(郵送)」を申し込んだので、「いつでもカエドキプログラム」の契約を解除し、申し込みが重複することを避けるため、「解約」という文言を表示したんだろうけど、こういう表現が適切なのかどうかは甚だ疑問。
本来であれば、「返送キットを手配中です」とか、「返送キットを送付しました」「端末を返却待ちです」などと表示するのが筋であって、確認のためにmy docomoにアクセスして「お客様はいつでもカエドキプログラム未契約なので~」なんて表示されたら、「あれ? 間違って解約しちゃった?」などと、ユーザーの不安を煽るだけ。
たとえば、手続きを受け付けた段階で、単に「【ドコモ】お手続きを承りました」なんていう内容のないメールを送るだけでなく、「1週間から10日くらいで、返却キットをお届けします」とか、「返却キットの到着をお待ちください」くらいのメールを送れないもんですかね。子どもの「家に帰るまでが遠足」じゃないけど、「いつでもカエドキプログラム」はユーザーが端末を返却するか、端末代金を支払い終えるまでが“プログラム”じゃないんでしょうか?
ドコモに限った話じゃないけど、こういう配慮のなさがオンライン手続きに躊躇する人が多い理由のひとつで、それがドコモショップへの駆け込みやドコモインフォメーションセンターの問い合わせにつながってるんじゃないでしょうか。
特に、「いつでもカエドキプログラム」は端末の送付や補償サービスの解約など、ユーザー側の手続きやドコモとのやり取りが必要なサービスであるにもかかわらず、端末を安価に手にできることばかりがアピールされていて、全体的な手続きの流れはあまり説明されていないのが実状。IT業界じゃ当たり前の手法ですけど、一度、購入から完了までの手続きのフローチャートを作って、Webページに載せるくらいの工夫はできないもんでしょうか? > ドコモさん
ということで、しかたなく、ドコモインフォメーションセンターに問い合わせたところ、「いつでもカエドキプログラムご利用(郵送)」の申し込み手続きは無事に完了していて、「返送キットの到着をお待ちください」とのこと。
いつも思うことだけど、ドコモインフォメーションセンターのオペレーターはていねいでわかりやすい対応をしてくれるんだけど、肝心のドコモ自身の情報提供や説明が不十分で、余計な手間が増えている印象は否めない。お客さんへの情報発信のあり方や説明内容について、今一度、しっかり見直していただきたいところです。