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超便利な「Android eSIM転送」をGalaxyとPixelで試す
【Galaxy Z Fold6/Pixel 9】
2024年9月5日 00:00
「Galaxy Z Fold6」で便利だと思った機能の1つが、eSIM転送だ。iPhoneやiPadでは「eSIMクイック転送」という名称で実装されているが、Androidにも同様の機能が徐々に広がっている。キャリア側のサイトに飛ぶ必要なく、端末同士の操作だけでeSIMプロファイルを移行できるのが、その特徴。グーグルは、23年のMWC Barcelonaでこの仕様を発表しており、通信キャリアの業界団体GSMAの標準仕様に準拠しているとしていた。
eSIM転送というと、端末から端末に直接eSIMプロファイルが移されるように思えるが、それではセキュリティ上、色々と問題がある。
実際には、キャリアのサーバーに端末側から再発行の依頼をかけ、新しい端末でダウンロードする仕組みになっているようだ。この辺は、iPhoneのeSIMクイック転送と同じ。大々的にアピールしていなかったため、あまり知られていないかもしれないが、現状ではNTTドコモのみ、これに対応している。
Galaxyシリーズは、この機能にいち早く対応しており、初期設定時に、データをコピーする流れの中でそのままeSIMプロファイルまで移行することができた。ここまでくると、SIMカードスロットからSIMカードを抜き出すより手軽で、eSIMのメリットがある。移行可能な時間帯にも制限がなく、複数端末を利用している場合でも、SIMカードを移すのに近い感覚で利用できる。
ちなみに、ドコモはこの機能を「Android eSIM転送」と呼称しているようだ。グーグルが採用を発表し、Androidの標準仕様に取り入れていることもあり、当然ながらPixelシリーズでも同じことができる。ドコモのサイトにも、GalaxyシリーズとPixelシリーズで、かつAndroid 14以上の端末がこの機能を利用可能なことが明記されている。
標準仕様のいいところは、メーカーをまたがることができる点にある。実際、筆者はGalaxy Z Fold6から「Pixel 9」にeSIMプロファイルを移してみたが、あっさり成功。すぐにPixel 9からGalaxy Z Fold6にeSIMを戻したところ、こちらもまったくつまずくことなく操作ができた。
手順としては、eSIMを移したい端末側で設定を開く。Galaxy Z Fold6からPixel 9にeSIMを移す場合には、Pixel 9側で「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」と進んでいき、「＋SIMを追加」を選択する。次の画面では、「他のデバイスからSIMを移行する」をタップし、「Google PixelまたはAndroidデバイス」というボタンを押す。
すると、もともとeSIMが入っていた側、この場合だとGalaxy Z Fold6に、「Pixel 9にSIMを移行する」というポップアップが表示される。この中の「次へ」をタップすると、QRコード読み取り画面になるため、Pixel 9側に表示されたそれを読み込む。Pixel 9側に移行するSIMの候補が表示されるため、ドコモの回線を選び、画面の手順に従っていく。途中、Galaxy Z Fold6側で指紋認証が必要になるが、あとはPixel 9側で操作をすれば、eSIMの移行が完了する。
逆も同様で、手順自体は変わらない。メーカーごとにユーザーインターフェイス（UI）をカスタマイズしているため、デザインは少々異なるが、基本は同じ。異なるメーカー間でも、問題なくeSIMプロファイルを移行できる。ここまで簡単なら、物理SIMにこだわる必要もなくなる。Galaxy Z Fold6、Pixel 9ともにデュアルeSIMに対応しているため、むしろeSIM化しておいた方がいいぐらいだ。
もっとも、現状の対応端末はGalaxyとPixelのみ。標準仕様になっているだけに、より広いメーカーが対応することを期待したい。また、対応しているキャリアがドコモのみなのも、かなり残念なポイント。4キャリアが対応したiPhoneのように、キャリアを問わずに利用したい機能だ。特にオンライン専用プラン/ブランドは、eSIMとは相性がいい。eSIM転送を実装すれば、機種変更時のトラブルも大幅に減りそうなだけに、対応を期待したい。