ケータイ用語の基礎知識

第856回:+メッセージ とは

 「+(プラス)メッセージ」は、2018年5月9日より、NTTドコモ、au、ソフトバンクのスマートフォン向けに開始された新しいメッセージングサービスです。2018年5月15日現在、Androidアプリが提供されています。iPhone、iPadで使えるiOSアプリは、近日、提供される予定です(※5月14日現在、ソフトバンク版アプリの提供は中断されています)。

最大2730文字のメッセージを

 +メッセージは、本コーナーの「第845回:RCSとは」で紹介した「RCS」を採用したサービスです。

 「+メッセージ」が使えるのは、サービス開始当初、ドコモ、au
ソフトバンクの3社のユーザーだけです。サブブランドの携帯電話サービスや、格安SIMなどと呼ばれるMVNOの回線では利用できません。

+メッセージの画面の一例

 「+メッセージ」のユーザー同士(アプリを双方がインストールしている場合)であれば、最大全角2730文字を送受信できます。絵文字も「+メッセージ」アプリであればどの機種でも共通で、同じ見かけの文字をやりとりできます。写真や動画も約100MBまでやり取りできます。このほか専用のスタンプや、音声メッセージ、地図情報を送ることもできます。

 メッセージを相手が読むと、既読を示す機能もあります。

アドレス帳の相手に「+メッセージ可能」のマーク

 「+メッセージ」は、アドレス帳に登録している連絡先が送受信先になります。相手が「+メッセージ」に対応している場合、名前と同時に「+メッセージアイコン」が表示されます。「+メッセージ」対応者だけをフィルタリングして表示することも可能です。スマートフォンのアドレス帳と連動して動作しているので、不明な差出人からのメッセージを識別できるのも特徴の1つと言えます。

 アドレス帳へ追加登録する場合、相手の電話番号が分かれば手動で追加することもできますが、自分の情報をQRコードで表示することもできます。このQRコードを相手の「+メッセージ」アプリで読み取らせることでもアドレス帳へ追加できます。

 「SMSより、より進化したメッセージング」をうたう「+メッセージ」は、料金面でも従来のSMSと異なります。SMSでは、一通単位で送信料が発生するのに対し、「+メッセージ」は、パケット通信量でカウントされます。つまり送受信した通信データの容量に応じて通信料がかかる形です。

 SMSは、電話の発呼の仕組みを利用して送受信しています。一方。+メッセージは、スマートフォンのデータ通信の仕組みをそのまま利用しているのです。そのため、「+メッセージ」の場合、自宅など追加費用がかからないWi-Fiで繋がっていると、どんなに大きなデータを送受信しても通信費がかからないということになります。

 RCSをバックボーンとしている「+メッセージ」ですが、一部省略されている機能もあります。たとえば「音声IP電話」「ビデオ通信」などがそれに当たります。ただ、録音した音声データをやり取りすることもできます。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)