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携帯大手3社、SMSを進化させた「+メッセージ」5月9日開始

 NTTドコモ、au、ソフトバンクは、携帯電話番号だけでメッセージをやり取りでき、さらに写真や動画も扱える「+メッセージ」(プラスメッセージ)を5月9日より提供する。

 「+メッセージ」は、これまで提供されてきたSMSを強化した新たなメッセージングサービス。RCS(Rich Communication Services)と呼ばれる規格に準拠し、携帯3社のユーザーであれば最大2730文字まで、チャット形式でやり取りできる。RCSをベースにしつもつ、全ての要素を取り入れているのではなく、メッセージ関連の仕様だけを採用。たとえばRCSにはVoIPの仕組みもあるとのことだが、すでに各社ではVoLTEも提供しており、今回は導入されていない。

 迷惑メッセージ対策は、サーバー側で実装される。NGワードのような仕組みはないとのことだが、一定のルールに基づき、問題があればメッセージを止める。

 MVNOには、希望に応じて提供を検討する。「MVNO向けにはいろいろと準備がある。対応していきたい」としており、まずは3社間のサービスを優先した格好。利用できるユーザーの多さがサービスの普及に繋がるとの考えも示されており、質疑応答ではそうした面でもMVNOにも広げたい、といった見解が示された。

 まずはAndroid 4.4以上のスマートフォンとタブレットで、専用アプリを使って利用できる。iOS 9.0以降のiPhoneやiPadでも準備が整い次第、提供される。

 利用にあたってはパケット通信料がかかる。SMSは引き続き、従来の料金で利用することもできる。

LINE対抗? 「対抗の意識なし」

 既に国内では「LINE」がメッセージングサービスのデファクトスタンダードと言えるポジションを確立する中で、3キャリア共通のサービスとして登場することになった「+メッセージ」。その使い勝手は、LINEのメッセージング機能に引けを取らない仕上がりだが、逆に言えば、既にLINEを使っているユーザー同士であれば、あえて「+メッセージ」を使う理由を見つけるのは難しいように見える。

 それでも3社では、電話番号だけでコミュニケーションできることが一定のメリットを生む、と見なす。たとえば、仕事上で知り合った人であればLINEよりも「+メッセージ」のほうがやり取りしやすいのではないか、あるいは電話番号を知っている間柄だからこそ安心・安全にメッセージングを使えるのではないか――というものだ。

 その目標は、いわば「打倒LINE」と言えるものなのか。10日に開催された記者説明会では、報道関係者から「LINEへの対抗か」との質問が上がる。これに「対抗の意識はない」(NTTドコモコミュニケーションサービス担当部長の藤間良樹氏)と否定。

 企業にとってはユーザーとの接点の1つになることも目指すとのことで、法人向けサービスでの収益化も今後検討する方針。

 有料スタンプの提供も検討課題の1つ。「ビジネス拡大というよりも基盤の拡大を目指す」(囲み取材での藤間氏)とも語り、ユーザー同士のコミュニケーションツールとして活用されることを目指す。

 いくつかの検討課題がある中で、アプリの多くの部分の仕様は3社が協力。Android版は各社が個別に提供する形で、ドコモは専用アプリをドコモユーザー向けに配信。auはSMSアプリの、ソフトバンクは既存のメールアプリをアップデートすることで利用できるようになる。2018年5月以降に発売される機種にはプリインストールされる。