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第61回:Cmode(シーモ)とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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Cmodeとは
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これは渋谷の109に設置され、実証実験が行なわれているCmode対応自販機。普通のコカコーラの自動販売機としても使うことができる。
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Cmodeはコカ・コーラが提供する、新しい、携帯電話と対応自販機を使ったサービスです。名称の「Cmode」は、Coca-Cola、Culture、Communicationなどの頭文字「C」と「iモード」の合成語で、その名前の通り、自販機とiモード携帯電話が使うサービスです。また、このサービスには呼びやすいように、「シーモ」という愛称もつけられています。
このCmodeではiメニューから「Club Cmode」に登録したiモード携帯電話を使って、自販機で買った回数に応じてポイントをためることができたり、ためたポイントに応じてサービスをうけたり、あるいはプリペイドポイントを購入し、コーラやマップやチケット、iモード用コンテンツなどを様々なサービスを購入することなどができます。
簡単に言うと、携帯電話をポイントカードやリチャージブル(充填可能)なプリペイドカード代わりに使うことができるようにし、また、コーラの自販機にサーバーアクセス機能をつけてチケットやコンテンツを販売できるようにしたサービスなのです。
現在、これに対応した自動販売機が渋谷エリアにいくつか設置され、実際に飲料水を買ったり、ポイントをためたりすることができる「実証実験」サービスが行なわれています。将来的には日本のいろいろな場所でこの自販機を目にしたり、実際にプリペイドでコーラやサービスを買えるようになるかもしれません。
ケータイを自販機にかざすとコーラが買える
このCmodeの一番イメージとしてわかりやすいサービスは「ケータイを自販機にかざしてコーラが買える」ことでしょう。
Cmode対応自販機では、自販機に「ケータイ認証口」という、携帯電話の画面に表示されている2次元バーコードを読みとるセンサーが付いています。このセンサー部分に(あらかじめプリペイドで代金を登録している)携帯電話をかざして、コカ・コーラなどの飲み物を買うことができます。
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Cmodeで使用されている2次元バーコードのサンプル。
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自販機の携帯認証口にチケット(2次元バーコード)を表示させた携帯電話をかざすことでプリペイドカードやポイントカード代わりに電話機を使うことができる。
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Cmode自販機にはアンテナが設置され、内蔵のDoPa通信機能でサーバーと通信を行なう。これによってユーザーのポイント登録などの機能が利用可能になっている。
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Cmode自販機には通常の自販機の「お金を受け取る」「商品を出す」という機能の他に、「サーバーを通信する」「かざされた携帯電話のパネルに表示されている内容を読みとる」「印刷する」などの機能があります。この「読みとり」「サーバーとの通信」でさまざまな付加サービスを提供しています。
たとえば、「携帯電話をポイントカードとして使える」サービスです。
コーラを買う前に、自分のiモード携帯電話で、「ポイントパス」を表示させて、自販機にかざします。
Cmode自販機はアンテナが設置されて、機械に内蔵されたDoPa通信機能を使ってサーバーに、購入した携帯電話のID、金額のデータなどを送ります。
これで、お金を入れてジュースを買うと、自分の携帯電話のIDに買った価格に応じてポイントが加算されるのです。
サーバーから自販機へも通信がされるので、たとえば、ケータイをかざして、ポイントを自販機に確認させて、そのポイントでコーラを買うことも可能です。
これまでの自動販売機では普通、いくら品物を買っても、店頭販売のように買った回数に応じてポイントをためて還元する、というようなことはできませんでした。というのも買った個人が特定できないためで、顧客に還元するサービスとなるとせいぜいランダムに「あたり」を作って飲料を1本余分にあげるくらいしかできなかったわけですが、Cmodeであれば、ケータイのチケットをかざしてもらえれば買う個人を特定できますから、ポイントのようなサービスも可能になるわけです。
様々な可能性を秘める、自販機とケータイのコラボレーション
また、自販機には「お金を受け取る」という機能もありますから、これを応用して、「お金の受け取りのためだけに自販機を使う」ということもできます。それをサービスとして応用しているのが先ほども挙げたCmodeプリペイドの機能です。
また、携帯電話をプリペイドとして使う場合には、このケータイを自販機にかざしてから、お金を入れます。自動販売機はお金を受け取ると商品ではなく、通信を行なってサーバーにお金をポイントとして登録します。
これ以降、この自販機をプリペイドモードにして、ケータイの画面にプリペイドでお金を払った証である「Cチケット」を表示させて自販機にかざすとお金を自販機にいれることなしにジュースを買うことができるようになる、というわけです。
余談ですが、この自販機はプリンタも備え付けているので領収証の発行も可能になっています。
また、さらにCmode自販機には、マルチメディア情報端末としての機能もありますので、将来的にはプリペイドのお金の収受や飲料水の販売だけではなく、いろいろな情報やコンテンツの販売なども行えるようになるはずです。
現在、実験されているのは様々なクーポンの発売です。
(実際には現在は販売ではなく、無料配布なのですが)このCmode自販機にはプリンタが添えつけられていて、ケータイをかざして、クーポン券をメニューからクーポン券を選ぶことで、たとえば「グルメぴあのクーポン券」などというものも発行することができるようになっています。
将来的には、ケータイにプリペイドで登録しておいた料金から、自販機でクーポンを買う、などということもできるようになることでしょう。
・ Cmode.jp
http://www.cmode.jp/
・ iモードを財布代わりに自販機からコカ・コーラを買おう
・ iモード連携自販機「Cmode」で提供されるサービス
・ ドコモブースはFOMAとiモード対応自販機が人気
(大和 哲)
2001/09/25 14:59
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