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第420回:デジタルサイネージ とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「デジタルサイネージ」は、“電子看板”とも呼ばれます。屋外や交通機関などで、ディスプレイ装置などの電子機器を使って、さまざまな情報を人々に伝える広告システムのことです。ディスプレイ装置には液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、プロジェクター、LEDなどが主に使われ、通信技術を使って静止画や動画をこれらの装置に配信することもあります。

 現在、デジタルサイネージを使った広告は、都市部で新しく開発された商業施設、ショッピングモール内や駅構内などでよく目にします。たとえば、ビルの壁面に掲げられた巨大なディスプレイに流されるビデオ広告などは典型的なデジタルサイネージです。

 東京や香港などの大都市を走る鉄道の中には、ドアの上にディスプレイがとりつけられ、商品を紹介する画像・動画や、英会話のワンポイントを教える英会話教室のCMなどが流されることもあります。

 以前は高価だったため大掛かりな広告によく使われていましたが、最近は、ディスプレイや駆動装置やデータ配信・受信装置が小型化・低価格化し、さまざまな場所でデジタルサイネージ化された広告を見ることができるようになりました。

 最近では、駅の柱に従来型の広告看板からの置き換えで、プラズマディスプレイが組み込まれているケースも見られるようになりました。家庭用にも液晶テレビやプラズマテレビが普及するなど、量産効果が進んだ結果、ディスプレイ装置が低価格化したことで、それまでコスト的に難しかった、紙や板といった従来媒体からの置き換えも行われるようになってきました。

 コスト面では紙よりもデジタルサイネージのほうが高いわけですが、絵が動くということだけでも、より目を惹く広告になるということを考えると、既存広告の代替になりうる程度にまで、導入しやすいコストになってきたのでしょう。


デジタルの特徴を活かす

auショップ品川店でのデジタルサイネージ用什器

auショップ品川店でのデジタルサイネージ用什器
 最近では、ただデジタルサイネージというだけでは、消費者の目をひきつけるのは難しくなりつつある程度には普及してきており、さらに目をひきつけるための一工夫を業者も模索しつつあります。

 その一環として、携帯電話もデジタルサイネージに利用されようとしています。たとえば、日立製作所と大日本印刷(DNP)は2009年3月26日から2カ月間、auショップ品川店において、携帯電話をディスプレイ装置とするデジタルサイネージのデモを行っています。

 これは、DNPと日立の開発した複数の携帯電話の画面をあたかも1つの画面のように連動させて広告を表示する技術を利用したデモです。あるときは、右の携帯電話からから左の電話へ、あるときはシンクロして一斉に幕が下りる画面になる、といった表示を行います。

 現在ではすでに、1台の大きなディスプレイ装置を使ったデジタルサイネージは一般化していますが、この工夫により、よりアイキャッチ効果の高い広告を目指しているわけです。

 他の方向性としては、「見せるだけでなく、消費者に具体的に購入の行動を起こさせる」デジタルサイネージ広告も登場しています。そのときにも消費者が使うデバイスは、やはり携帯電話です。携帯電話は多くの人が持ち歩いているデジタルデバイスなので、このような用途にはうってつけなのです。

 たとえば、ナップスタージャパンが今年2月に行ったデジタルサイネージ広告は、利用者のおサイフケータイを使わせる、というものでした。このデジタルサイネージ広告では、CD販売店内に、新曲のプロモーションビデオなどを流されているディスプレイや、おサイフケータイ対応のICリーダーライターを搭載した端末計30台が店内に配置されました。広告を見たユーザーが、携帯電話をリーダーライターに携帯電話をかざすと、音楽配信サービス「Napster」のモバイルサイトが表示され、簡単にこのサービスからプレゼントである待受画面を受け取れたり、会員登録すればナップスターのコンテンツにアクセスしたりできるようになっていました。

 ウィルコムでは、4月から開催されている神奈川県で開催する「開国博Y150」でデジタルサイネージ広告の実証実験を行っています。この実験も、同様にカードリーダーライターを搭載したデジタルサイネージディスプレイを設置し、ユーザーがおサイフケータイをかざせば各種情報を得られる、というものです。この実験では、ディスプレイとサーバーとの通信に、新たな通信方式である「XGP」が利用されています。

 デジタルサイネージは、人間だけでなく、他のデジタル機器とデータをやりとりすることで、新製品や新サービスへアクセスしやすくなったり、広告主からユーザーという一方向だけでなく、ユーザーから広告主への情報提供と、インタラクティブな情報のやりとりも可能であるという点も特徴と言えるでしょう。


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(大和 哲)
2009/05/12 12:11

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