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第403回:ナカチェン とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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「ナカチェン」は、KDDIが提供するauの携帯電話向けサービスです。電話のメニューデザインやボタン操作、コンテンツなどを変更できます。「ナカチェンパック」と呼ばれる、変更したいメニューデザインやボタンなどを1つにまとめたセットがあり、携帯電話のユーザーインターフェイスを変更できます。
無料のサービスで、利用する場合はauショップ/Pipitへ携帯電話を持ち込むと、ショップスタッフが設定などを行います。Sportio、フルチェンケータイ re、Woooケータイ W63H、W63CA、W64SH、W65T、W62H、G'zOne W62CA、W64SA、W62Tが「ナカチェン」に対応していますが、ナカチェンパックによっては対応機種がさらに限られることもあります。
ナカチェンパックには、KDDIが提供する基本的な「ベーシックパック」のほか、コンテンツプロバイダが提供するナカチェンパックも存在しています。たとえば、キャラクター系ナカチェンパックとしてはディズニーのキャラクターが登場するものや、ドラゴンボール、機動戦士ガンダム(シャア専用パック)などが提供されています。スポーツ系では北海道日本ハムファイターズパックが、ゲーム系ではモンスターハンターP 2nd G、桃太郎電鉄パックが、実用系ではJALケータイパックなどがあります。
コンテンツプロバイダのナカチェンパックでは、携帯電話のユーザーインターフェイスにアニメなどの世界観を反映した素材を提供することに加えて、ゲームなどを配信するEZwebサイトへ手軽にアクセスできるのも特徴の1つです。
たとえば、国内大手航空会社である日本航空が提供する「JALケータイパック」では、JALエグゼクティブクラス(ビジネスクラス)のシートを模したメニュー画面などが表示されるJALオリジナルの画面デザインになるだけでなく、トップメニュー内には国内線・国際線予約へのダイレクトメニューもあり、いつでもすぐに飛行機の空席検索や予約ができるようになっています。
あるいは、モンスターハンターP 2nd Gパックでは、メニューからモンスターハンター着うた・着うたフルダウンロードページにアクセスできるほか、EZアプリとして「モンスターハンター」が携帯電話にインストールされますので、すぐにゲームをプレイすることも可能です。
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JALケータイ パックのメニュー
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■ EZケータイアレンジとの違い
auでは、メニュー画面などをカスタマイズできるサービス「EZケータイアレンジ」を提供しています。「EZケータイアレンジ」と同様のサービスは、他キャリアも提供していて、たとえばNTTドコモでは「きせかえツール」、ソフトバンクでは「きせかえアレンジ」という名称で提供されています。
「ナカチェン」と「EZケータイアレンジ」を比べると、ほぼ同じように思えますが、「ナカチェン」ではゲームや電子書籍などがパックに含まれるほか、メニュー画面内に、着うたダウンロードサイトや航空券予約サイトなど、パックの内容にあわせてサイトへのアクセスボタンが用意されていることが大きな特徴です。
また「EZケータイアレンジ」で提供されるコンテンツの多くは有料ですが、「ナカチェン」は店頭に行かなければならないものの、無料で利用できます。ナカチェンは、ユーザーにとって無料で着せ替えを楽しめるサービスである一方、提供企業側にとってはユーザーを自社サービスへ案内できるツールとして活用できます。
■ VIVID UIで実現したサービスのひとつ
「EZケータイアレンジ」や他社の着せ替えサービスでは、実現する仕組みとしてVIVID UIというミドルウェアを利用していますが、「ナカチェン」もやはりVIVID UIを基礎技術に利用したサービスの1つです。
「VIVID UI」は、アクロディアという企業が開発し、携帯電話事業者や携帯電話メーカーに提供されている、ユーザーインターフェイス(UI)プラットフォームです。
メニュー画面などを設定する際、コンポーネントをスクリーン上に配置するだけで思い通りの外観を表現できるツールが提供されており、デザイナーだけでも感覚的かつ短期間でメニュー作成が可能とされており、技術的な知識がそれほど多くないコンテンツ作者、デザイナーでも携帯電話のメニュー作成が自在にできます。ナカチェンで、多くのパックが提供されているのも、このVIVID UIの機能の賜物といえるでしょう。
また、同じVIVID UIを利用したサービスではありますが、「ナカチェン」がきせかえツールのような他のVIVID UI利用サービスと比較して異なる点としては、VIVID UIが持つ機能を多く利用できることが挙げられます。
たとえば、メニュー中にリンク(URL To)を埋め込み、コンテンツプロバイダ提供のコンテンツへアクセスできるボタンを表示できるようになっています。メインメニューから特定サイトへすぐアクセスできるという仕組みは一見便利に見えますが、誰でもナカチェンパックを提供できる環境であれば、ワンクリック詐欺などに悪用されかねません。
しかし、「ナカチェン」では、パック制作はKDDI自身か特定のコンテンツプロバイダだけに限られています。また、パックのインストール方法もauショップスタッフが行うようになっており、一般には公開していないため、悪用される心配がなく、そのためVIVID UIの機能を多く利用できているのです。
EZケータイアレンジなどの着せ替えサービスでは、コンテンツ作成・配布とも一般ユーザーができるようになっており、実際に勝手サイトからも配布されています。その分、悪用ができないようにカスタマイズ範囲には一定の制約があるのです。
■ URL
ナカチェン サービス案内(au)
http://www.au.kddi.com/service/kino/naka_change/
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(大和 哲)
2009/01/06 12:18
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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