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第417回:青少年ネット規制法 とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 青少年ネット規正法とは、正式には「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」と言います。2008年6月11日に成立し、2009年4月1日から施行されました。

、18歳未満の青少年が、携帯電話でアクセスできるケータイコンテンツも含め、インターネットを利用する際に暴力/アダルト/出会い系/薬物などに関連した、いわゆる“有害情報”に触れないことを目的とした法律です。

 現在は、携帯電話やパソコンを使えば、これらの情報も含め、誰でもさまざまな情報にアクセスできますが、「青少年ネット規制法」で定められていることは大きく3つあります。

 まず安全に携帯電話・パソコンといった機器やインターネットを利用できるように「携帯電話事業者」「インターネットサービスプロバイダ(ISP)」に対して、青少年が安全にインターネットを利用できる能力を取得するために必要な措置を講じることが定められています。

 そして、携帯事業者やISP、機器メーカーなどには有害情報フィルタリングの普及促進など、“有害情報を目にする機会を少なくする”ための措置などを講じる義務があり、「青少年の保護者」には、ユーザーが18歳未満の青少年であることを申し出る義務がある、ということを定めています。また、「インターネットコンテンツ管理者」も、青少年にとって有害な情報が発信されていることを知ったときに、青少年の閲覧を防ぐような措置を取ることが努力義務として課せられています。

 国の機関である内閣府に対しては、青少年の安全なネット利用に関する基本方針を決める「インターネット青少年有害情報対策・環境整備推進会議」を内閣府に設置すること、フィルタリングの調査・開発・啓発を行う団体を第三者機関として認定して、国や地方公共団体が支援すること、などが定められています。


18歳未満ユーザーのケータイはフィルタリング原則適用

 これまでも携帯電話事業者では、青少年が安全にインターネットコンテンツを利用できる能力を取得するため、さまざまな啓発活動を進めてきました。たとえば携帯電話を使うときのマナーや、フィルタリング、防犯ブザー、GPS、災害用伝言板など、安全に役立つ機能について教える「ケータイ教室」を学校で開催しています。実際に小学生のお子さんなどがいれば「学校で、総合的な学習の時間に“ケータイ教室”があったよ」という話を聞くことがあるでしょう。

 青少年ネット規制法の施行によって、携帯電話事業者には、ユーザーが18歳未満の青少年で、iモードやEZwebなどのインターネットサービスが利用できる場合、有害情報にアクセスできないように制限する「フィルタリング機能」が原則的に適用されることになりました。

 そのため、各携帯電話事業者では、法律の施行と同時に、以下のような対策を講じています。

NTTドコモ
 ・20歳未満の利用者が「iモード」を新規に契約する際、親権者の方から「キッズ iモードフィルタ、Web制限、時間制限のお申し込み」または「アクセス制限サービス不要のお申し込み」がなければ、「iモードフィルタ」が申し込まれたものとして受け付ける。

 ・20歳以上の成年の場合も「iモード」を契約する際、実際の利用者が18歳未満であるかどうか確認される。もし、18歳未満の場合、20歳未満の場合と同様の扱いになる。

ソフトバンクモバイル
 ・携帯電話の契約者が20歳未満で、保護者からフィルタリングサービスが不要との申し出がない場合には、「ウェブ利用制限」が設定される。契約者が20歳以上で、利用者が18歳未満の場合は契約時にその旨申し出る必要がある。申し出て、フィルタリング不要としなかった場合は、20歳未満同様に「ウェブ利用制限」が設定される。


 なお、フィルタリング措置などは事業者が行うことですが、利用者が18歳未満であった場合、その旨を事業者に申告することが法律で保護者に義務付けられています。

 また、この法律の施行以前からも青少年が有害情報に触れないためのフィルタリングの試みは行われており、たとえば、au(KDDI)の場合には、


・18歳未満の契約者で「EZ安心アクセスサービス」を利用していない利用者に対しては、親権者に「EZ安心アクセスサービス」の利用意思を確認する。特に申し出がない場合は「EZ安心アクセスサービス特定カテゴリ制限コース」(いわゆるブラックリスト方式のフィルタリング)が適用される。


という措置が取られています。

 なお、このような青少年の利用に対してフィルタリングを行うのは携帯電話以外のインターネット利用にも義務付けられており、契約者数5万件以上のISPに対しては利用者からの求めに応じてフィルタリングサービス・ソフトを提供する義務、パソコンなどインターネットに接続する機器の製造者に対してもフィルタリングサービス・ソフトの利用を容易にする措置を講じる義務が課せられています。


内容は3年以内に見直される予定

 青少年ネット規制法は、衆院通過時にヤフーやマイクロソフト、日本新聞協会などが「表現の自由を侵害する可能性がある」などと懸念を表明するなど、法案の時点から問題点が多く指摘されていましたが、最終的には法案の国会提出から極めて短時間の審議で成立に至っており、「政策決定の透明性に大きな問題があったと言わざるをえない」と声明を出している団体もあります。

 同法には、2009年4月現在、罰則は規定されていませんが、附則条項として施行後3年以内に検討を加え、見直しが行われることが記載されています。



URL
  内閣官房 インターネット上の違法・有害情報対策
  http://www.it-anshin.go.jp/
  ドコモからのお知らせ
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/page/090401_00_m.html
  KDDI トピックス
  http://www.kddi.com/news/topics/20090401.html
  ソフトバンクからのお知らせ
  http://mb.softbank.jp/mb/information/details/090401_b.html
  ウィルコム 青少年ネット規制法の施行について
  http://www.willcom-inc.com/ja/info/09040102.html
  青少年ネット規制法の成立について(MIAU)
  http://miau.jp/1213484400.phtml


(大和 哲)
2009/04/14 11:59

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