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第419回:リミット機能 とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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「リミット機能」は、携帯電話の利用料金に関する機能です。利用料金や利用回数があらかじめ設定した上限を超えた場合、通話、パケット通信などを停止するサービスです。使いすぎ防止機能と呼ばれることもあります。この機能は、携帯電話事業者がネットワークサービスとして行っているケースと、携帯電話端末側についているケースがあります。
■ 事業者のサービスとしてのリミット機能
携帯電話事業者によるリミット機能サービスは、2009年4月現在、NTTドコモ、au、ウィルコムが提供しています。
●NTTドコモのリミット機能
NTTドコモの携帯電話の契約の場合、料金プランを、タイプリミット(バリュー)、ファミリーワイドリミット(バリュー)コースに変更することで、リミット機能を利用できます。
タイプリミットは基本使用料4,200円、タイプリミットバリューは2,730円で2,310円分の無料通話が使えるプランです。通話料金が、「設定した金額+無料通話分」を超えると、そこから3時間ほどで110番などの緊急通話、留守番伝言メッセージ確認(1416・1417)を除く通話の発信やiモードなどのパケット通信が利用できなくなります。着信での通話は可能ですが、ファミリー割引で無料通話対象となっている家族にも発信はできません。ただし、「パケ・ホーダイ ダブル」、「パケ・ホーダイ」、「パケ・ホーダイフル」などパケット定額制サービスを使用している場合は、上限額を超えた後も、定額対象となるパケット通信は利用できます。
設定金額は「+800円コース」「+2800円コース」「+4800円コース」「+7800円コース」「+12800円コース」で、それぞれの800円、2800円……といった金額が設定できます。設定リミットを越えた場合、専用ダイヤルに電話するか、iモードサイトで最大9000円まで、1000円単位で上限額を追加することもできます。
ファミリーワイドリミット(バリュー)は、中学生以下や60歳以上のユーザーが対象の料金プラン「ファミリーワイド」に上限額設定機能が付いたプランになっています。
●auの料金安心サービス
auでは、4段階で到達額を通知する無料サービス「お知らせコース」と、設定額超過時に携帯電話を利用できないようにする月額105円のサービス「ご利用停止コース」という形でリミット機能を提供しています。
「ご利用停止コース」では、段階的に停止する機能と、一度限度額を超えて利用停止し、解除すると当月中は再停止しない“一回停止”という機能があります。限度額は、通話料・パケット通信料の合計が1000円(サポートコースのみ)、3000円、5000円、7000円、1万円、1万5000円の中から選択できます。停止すると、通話やCメールの送信、EZweb、Eメール送受信、位置検索サービスなどが利用できなくなります。ただし、110番などの緊急通話や着信通話、Cメール受信などは停止されません。また、発信も、国際ローミング中は停止しません。また、利用停止中に受信したEメールはサーバーに蓄積され、停止解除後に受信できるようになります。
「お知らせコース」は、限度額に到達したことを知らせるだけの機能ですが、「ご利用停止コース」は、これをさらに進めて、一定の限度額を超過すると、翌日にメールで連絡、翌々日に携帯電話を使えないようにする、というサービスになっています。
「ご利用停止コース」の段階停止では、一段階目の限度額をあらかじめ決めておきます。限度額を“3000円”にしておくと、3000円、5000円、7000円……と限度額の区切りがくるたびに、携帯電話が利用できなくなります。ただし、1万5000円に達した後に利用停止を解除すると、その月は停止しなくなります。
●ウィルコムのセーフティプラン
ウィルコムでは、利用料の合計が設定した金額になった場合、電話の発信を規制する無料のサービスを提供しています。設定額は1万円、2万円、3万円で、規制中は着信はできますが、緊急通報番号(110、119など)以外への発信ができなくなります。
なお、請求料金月が新しい月になった時点で、それまでかかっていた発信規制は自動で解除されます。
■ 携帯電話端末のリミット機能
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2008年冬モデルの831Tにも同様の機能がある
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料金プラン・サービスによる制限だけではなく、携帯電話本体にもリミット機能が用意されていることもあります。
たとえば、ソフトバンクの東芝製子供向け機種である「コドモバイル 820T」などにも搭載されていますし、多くの東芝製携帯電話で同様の機能が用意されています。
端末側のリミット機能は、事業者側のリミット機能と違って、通話時間やメール送信件数の上限を定めたり、通話できる時間帯を設定したりすることで、使いすぎを防止できるようになっています。
ソフトバンクのホワイトプランの場合、ソフトバンク同士であれば通話が1時~21時まで通話し放題になるなど、料金があまりかからない使い方ができます。しかし料金ではなく、通話時間で制限するという方法が必要な場合もあり、端末側のリミット機能は有用だと言えるでしょう。ちなみに、ドコモやauのリミット機能と違って、許可リストに登録した電話番号は制限を越えても通話できます。たとえば、家族や自宅などを登録しておき、他の番号にはかけられなくても家族とは連絡がとれるようにしておく、というような使い方も可能です。
また、コドモバイルの場合、電話機能、メール機能、ウェブ機能の利用範囲を制限したりすることも可能で、たとえば、国際電話の発信や、有害サイトへのアクセスもこの機能で制限することができます。
パケット通信の定額制や家族間・同一キャリア間の通話無料といったサービスが普及しつつありますが、携帯電話の利用料を抑えたり、子供の利用をチェックしたりするといった面でリミット機能は有用と言えるでしょう。
■ URL
NTTドコモ サービス案内
http://www.nttdocomo.co.jp/charge/bill_plan/plan/limit
au 料金安心サービス案内
http://www.au.kddi.com/ryokin_waribiki/ryokin_option/ryokin_anshin/
ウィルコム セーフティプラン
http://www.willcom-inc.com/ja/service/safety/
ソフトバンクモバイル 子供向けモデル 利用制限案内
http://mb.softbank.jp/mb/support/safety/web/for_kids_product.html
(大和 哲)
2009/04/28 12:38
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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