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第352回:VIVID UI とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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「VIVID UI」は、アクロディアという企業が開発し、携帯電話事業者(キャリア)や携帯電話メーカーに提供されている、ユーザーインターフェイス(UI)プラットフォームです。
「VIVID UI」を利用することで、携帯電話メーカーは、携帯電話のメニューや操作方法を使いやすくし、ユーザーが必要な機能を無駄なく簡単に使いこなせるなど、利便性の向上を図っています。
■ VIVID UIの特徴
VIVID UIの特徴は、「UIのカスタマイズが可能」「豊かな表現力」にあります。
これらを自社開発でなく、アクロディアから供給されることで、携帯電話メーカーは、コストを抑えながら優れたUIをユーザーに提供できるわけです。
携帯電話に限らず、UIを作り上げるためには、デザインを起こすデザイナーと、プログラムを実装するシステムエンジニアやプログラマーがそれぞれ作業を行なう必要があります。これにカスタマイズ機能も加わると、作業の切り分けが難しく、煩雑になってしまいますが、VIVID UIのようなプラットフォームを利用することで、ほぼデザインのみの作業で、メニューなどのUIを作ることが可能になると言えます。
VIVID UIのメニューカスタマイズは、アクロディアが提供している「Workshop」というツールを使用します。「Workshop」は、コンポーネントをスクリーン上に配置するだけで、思い通りの外観を表現することができるようになるほか、作成したUIの動作もWorkshop上で確認でき、デザイナーだけでも感覚的かつ短期間でメニュー作成が可能になっています。
「豊かな表現力」という点では、VIVID UIでは、2Dや3D、動画など多彩なグラフィックを組み合わせた表現が可能です。メニュー画面などのアイコンを好きなモチーフに変えることはもちろん、その第1階層だけではなく第2階層まで動画などを使った、従来にはない豊かな表示が可能です。これらの設定もほぼ「Workshop」に画像を貼り付けるだけで実現できます。
このため、技術力のある携帯電話メーカーだけでなく、コンテンツプロバイダーなどにとっても、従来より表現力をアップさせたオリジナルのUIを提供できるようになりました。コンテンツビジネスの新たな一分野を開く技術であると言えるかもしれません。
■ VIVID UIの採用状況
VIVID UIは、数多くの携帯電話で採用されています。日本国内では、NTTドコモやau、ソフトバンクがアクロディアと包括契約を結んでおり、これら事業者から携帯電話メーカーにサブライセンスされ、携帯電話で利用されています。
NTTドコモの場合、「きせかえツール」の基礎技術に、VIVID UIが採用されています。「きせかえツール」とは、待受画面やメニュー、メールの送受信、着信、電池残量、電波の状態などのアイコンやアニメーションなどの表示部分に加えて、着信音なども一括してカスタマイズできるという機能です。
ソフトバンクモバイルでは「S!おなじみ操作」という機能の基礎技術に「VIVID UI」が利用されています。2007年冬モデルでは、920SHや920SC、821Pなどで採用されています。「S!おなじみ操作」は、他メーカー製端末のメニューに似たデータを用意しておくことで、新しい端末に乗り換えても、それまで使い続けていた機種と同じような操作で利用できるようになる、というものです。
auの場合は、統合プラットフォーム「KCP+」においてVIVID UIが組み込まれています。これにより、実写動画を使ったメニューや、3D表示でのメニュー表示が可能となります。
海外市場について、期間限定ではありますが、韓国のサムスン電子がアクロディアとVIVID UIの独占販売契約を締結しており、海外携帯電話で利用されることになる予定です。
■ URL
製品情報
http://www.acrodea.co.jp/product/ui/
(大和 哲)
2007/12/19 12:15
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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