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第367回:au one ガジェット とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


これはスライドショーのガジェット

これはスライドショーのガジェット
 「au one ガジェット」は、auの携帯電話の待受画面上で、ゲームやカレンダーなどのツールが使えたり、新着情報を表示したりできる機能です。

 あらかじめ設定することで、たとえばメールの着信情報やカレンダー、時計などを待受画面に表示させることができます。インターネットを経由した情報の自動更新にも対応していますので、ブログやSNSなどの更新情報など、EZwebサイトの最新情報を定期的に取得し、待受画面に表示させることも可能です。

 「au one ガジェット」用コンテンツのファイルサイズは最大500KBで、通信1回あたり最大64KBの通信を行ないます。ガジェットのダウンロードや通信には、パケット通信料がかかりますが、パケット定額サービスの対象となっています。

 表示させるだけでなく、ユーザーからの入力を受けることも可能なので、ミニゲームや検索ツールなどを登録することもできます。短い時間の暇つぶしなどで利用される携帯電話向けゲームコンテンツですが、わざわざアプリケーションを起動しなくても、携帯電話を開けばすぐにゲームができるのは、メリットの1つかもしれません。

 さらに、「au one ガジェット」はこれらの機能を複数同時登録することも可能です。

 多くのガジェットを登録した場合は、方向キーの左右を押すだけで表示したいガジェットを切り替えることもできるので、たくさんの情報源を登録しておき、テレビのチャンネルをガチャガチャ切り替えるかのように、ザッピングで見ていくことも可能です。ただし、情報を自動受信できるのは、待受画面に表示しているガジェット1つのみです。

 セキュリティ上の問題から個人ユーザーがガジェットを作成し、自由に配布することは許されていません。しかし、auの公式サイトから配信できるのであれば、au以外のコンテンツプロバイダがガジェットを作成・配布することは可能です。実際にau以外からもガジェットが提供される予定になっています。たとえばハドソンやジー・モードがゲームガジェットを、ナビタイムが地図・乗換ガジェットを提供しています。

 現在発売されている機種の中では、W56T/W54S/W54SA/W61Tが対応機種です。今後さらに拡大される予定で、発表済みの機種としては、W61SAとW61Sが近日中に登場する見込みです。


仕組みはOperaウィジェット

 ユーザーにとって「au one ガジェット」の大きなメリットの1つは、わざわざ操作しなくても、画面上に情報を表示したり、自動更新して最新情報を得られたりするということでしょう。

 このような仕組みは「ガジェット」あるいは「ウィジェット」などとも呼ばれ、パソコン向けサービスでは、既に多く採用されています。

 たとえばマイクロソフトのパソコン向け最新OSである「Windows Vista」にもガジェットと呼ばれる仕組みがあります。ガジェットをサイドバーに配置して、時計やカレンダーなどを画面上にいつでも表示できます。

 また検索サービスを提供するグーグルは、ポータルサイトの「iGoogle」を提供しており、Webページ上にガジェットを配置して時計やニュースカレンダーなどを表示できるようになっています。ちなみに、Vistaのガジェットのようなサービスをデスクトップガジェット(デスクトップウィジェット)、GoogleのようなWeb上のサービスをWebガジェット(Webウィジェット)などと呼ぶこともあります。

 デスクトップガジェットの1つに、Operaが提供するサービスがあります。これは、WebブラウザのOperaの表示エンジンを使って、パソコンのデスクトップ画面上に表示できるというものです。「au one ガジェット」は、技術的にはOperaウィジェットの仕組みを採用しています。

 Operaウィジェットの特徴は、Webページを表示するOperaのエンジンを利用していることで、「au one ガジェット」コンテンツも、XMLやCSS、JavaスクリプトといったWebコンテンツ技術で作成することが可能です。これは既存の技術を使う、つまり新規の難しいプログラミングなどを必要としないということで、メリットの1つとなっています。逆に、「au one ガジェット」の作成者は、Operaウィジェット向けの開発も可能でしょうから、1つのコンテンツを携帯電話とパソコン向けに提供するなど、マルチプラットフォーム展開なども十分考えられるでしょう。



URL
  au one ガジェット サービス案内
  http://www.au.kddi.com/ezweb/service/gadget/

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(大和 哲)
2008/04/08 12:10

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