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au、「KCP+」対応端末の新サービスを初披露

 KDDIは、auの携帯電話開発プラットフォームの新バージョン「KCP+」を採用した新端末「W56T」「W54S」「W54SA」の実機を披露した。

 auの端末は従来、基本アプリケーションとクアルコム製チップセットを組み合わせた開発プラットフォーム「KCP」を採用してきた。「KCP+」では、クアルコムのチップセット「MSM7500」を搭載し、ARM9/ARM11のデュアルコアを採用。グラフィック用プロセッサとしてATIの「IMAGEON」も搭載されている。

 KCPは、各メーカーが独自に実装する部分と、BREWプラットフォームなどの共通部分が共存するような構成だった。KCP+ではOSやアプリケーション、ミドルウェア、無線通信制御、共通デバイスなどの多くの部分が共通化される。

 ユーザーインターフェイスについても部分的に共通化され、カメラの画素数といった差別化のポイントのみが非共通部分となる。現場の説明員によれば、KCP+採用の第1弾となる「W56T」「W54S」「W54SA」の3機種は、ソフトウェア面での違いはほとんどないと話していた。

 通信方式としてEV-DO Rev.Aをサポートし、音楽サービス「LISMO」などが拡張される。このほか、au one ガジェットやマルチプレイウィンドウ、VIVID UIなどが新たなサービスとして提供される。



音楽機能を強化

ネットジュークでウォークマンと連携
 LISMOの機能拡張によって、携帯電話でダウンロードした着うたフルがパソコン以外でも活用できるようになり、ソニー製HDD搭載コンポ「ネットジューク」を使ったバックアップやウォークマンへの転送が可能となる。「W56T」「W54S」「W54SA」に対応。

 ネットジュークでは、パソコンを介さずに着うたフルのやりとりが可能になる。コンポと携帯電話をUSBで接続し、コンポ側のボタンを操作すると自動的に転送が開始される。コンポ側には差分データのみが保存されていく方式だが、楽曲を選んでバックアップをとることはできず、自動的に全て転送されてしまう。

 ネットジュークにウォークマンを接続すれば着うたフルの転送が可能で、楽曲によっては転送回数に制限がある。コンテンツプロバイダーによって転送制限は異なるが、たとえば、3回の転送が許可されている音楽データの場合、携帯電話からネットジュークに転送した楽曲をウォークマンに転送すると残り2回となる。ウォークマンに転送したデータをネットジューク側に戻せば制限数は再び3回になる仕組み。

 パソコン向けには、音楽管理ソフト「SonicStage」をベースとしたソフト「LISMO Port」が提供される。ネットジュークと同様、ウォークマンへの楽曲転送が可能で、ジャケット写真のあるデータはウォークマンでも表示できる。

 LISMO Portでは、レーベルゲートのパソコン向け音楽配信サービス「mora for LISMO」が利用可能で、着うたフルよりも高音質な132kbpsの楽曲データや、auの「ビデオクリップ」などが一元的に管理できる。なお、ウォークマンで「ビデオクリップ」は再生できない。

 KDDIでは、ソニーと連携してこれらの音楽サービスの拡充を図っている。ただし、排他的な関係ではないため、ソニー製以外の音楽プレーヤーとの連携についても受け入れていく方針。説明員によれば、楽曲データを保存しておくホストをネットワーク上に置くようなサービス形態についても検討しているという。


ネットジュークと携帯電話はUSBケーブルで接続する ネットジューク側に着うたフルやLISMOの表示画面がある

LISMO画面 LISMO Portでウォークマンと連携

転送画面 CDジャケットの画像も転送できる

LISMO Portで楽曲を再生すると、LISMOのキャラクターがリズミカルに表示される

au one ガジェット

au one ガジェット。上部にEZチャンネル、中央にau one ガジェット、下部にGoogle検索窓と天気を表示
 「au one ガジェット」は、EZwebなどの各サービスと連携する「ガジェット」を表示できるサービス。待受画面上に、「EZニュースフラッシュ」「Google検索窓」「天気」などとともに表示される。

 「ガジェット」というと、ユーザーが自分の使い方に合わせてツールを設定していくものだが、「au one ガジェット」でもメールやテレビなど、auの各サービスをより使い易くするためのツールが用意される。コンテンツプロバイダーから有償コンテンツも提供される予定。ガジェットは左右キーを押して切り替えていく。

 ガジェットは基本的にプル型のサービスとなるが、登録したコンテンツの情報は2時間毎に自動的に更新される。「au one メール」のガジェットでは、このタイミングでメールの新着通知が受けられる。

 技術的にはOperaウィジェットがベースとなり、開発環境はガジェットコンテンツを提供するプロバイダーに対して提供される。個人ユーザーが自由にガジェットを開発できる環境は用意されない。なお、「au one ガジェット」のデザインは現在のところ変更できない。


au one メールガジェット 通常メールの情報もガジェットに表示される

スライドショーのガジェット 発着信履歴もガジェットで表示

マルチプレイウィンドウ

 本格的なマルチタスク機能となるのが「マルチプレイウィンドウ」だ。複数のアプリケーションを同時に起動することが可能となる。「W56T」「W54S」「W54SA」の3機種には、いずれも側面部にタスクボタンが用意されている。

 たとえば、ワンセグ楽しみながらブラウジングしたり、EZナビウォーク中にメールを打つといったことが可能。助手席ナビとワンセグの同時起動も可能で、画面を上下に2分割して表示される。操作できるのは下画面に表示されるもの。タスクボタンを長押しすると上下が切り替わる。

 EZナビウォークと助手席ナビの同時起動は双方ともにGPS機能を利用するため行なえないが、多くのアプリは同時起動が可能だとしている。アプリによっては全画面表示しか対応しないものもあるという。起動できるかどうかは端末のメモリに依存する形になるが、端末のメモリ容量についてKDDIは公表していない。


EZナビウォークとメール作成画面 側面部にあるタスクキーの長押しで上下が切り替えられる。下部に表示されるコンテンツを操作できる

3Dゲーム

描画性能が向上
 KCP+では、グラフィック用プロセッサとしてATIの「IMAGEON」を搭載する。パフォーマンス性能が従来の10倍に上がったことで、操作時の描画のなめらかさは格段に向上した印象だ。


VIVID UI、他社機種メニュー

W56Tのメニュー画面。下部に3D表示の雲が流れる動画が表示される
 KCP+の一部として、auとしては初めて、アクロディア製の技術「VIVID UI」が導入される。「VIVID UI」のプラットフォーム上で、Flashや3Dなどの表示が可能となる。

 16日に発表された「他社機種メニュー」も「VIVID UI」のプラットフォームを利用したもの。MNPでauに移行してきたユーザーの中でも特にライトユーザー向けに、他キャリアのメインメニュー風のコンテンツを提供する。デザインはKDDI側で作成したものだが、メニューの配置などは同じ構成となっている。このため、auでは対応していない機能もある。徐々にauに慣れてもらうための配慮だという。同サービスは無償で提供される。


ケータイアレンジより某メーカー風のメニュー画面に変更 対応していない機能には赤い斜線のチェックが表示される


URL
  au
  http://www.au.kddi.com/

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(津田 啓夢)
2008/01/16 16:10

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