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第307回:NFC とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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Nokia 6131 NFC
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「NFC」は、近距離通信を意味するNear Field Communicationの略です。非接触型識別技術と相互接続技術を組み合わせた無線通信規格で、この規格に準拠した機械同士は、13.56MHzの周波数を使用し、約10cm以内という、ごくごく近距離で106kbps~424kbpsの速度での双方向通信が可能です。
携帯電話では、ノキアが2007年1月に、商用モデルとしては世界で初めて、このNFC規格に対応した、NFCチップ搭載電話「Nokia 6131 NFC」の発売を発表しています。
NFCチップは、携帯電話のほかにも、ICカードや、パソコン、家電、街の情報キオスクなどさまざまな機械に搭載が可能です。
NFC規格は、ソニーとフィリップスが開発した短距離無線通信技術を基にしており、現在ではISO 18092、ECMA 340、およびETSI TS 102 190といった世界標準規格として承認されています。またISO 14443 Type A/C準拠の非接触型ICカード、つまり世界で広く使われているMIFAREや、アジアを中心に利用されているFeliCaとも互換性を持った上位規格となっています。
2006年11月には、ソニーとNPXセミコンダクターズ(NXP、旧フィリップス・セミコンダクターズ)がNFCに関する新会社を設立すると発表しており、2007年上半期に具体化する予定となっています。
■ FeliCaより幅広い応用が可能に
FeliCaも日本では、非常にポピュラーな非接触ICカードであり、現在、FeliCaチップが搭載されたカードや、携帯電話が使われています。ですが、使われ方としては、カード側とリーダー側がはっきり分かれており、基本的にカード側はリーダーにデータを読み取られるだけの受身の装置になっています。
上位規格であるNFCチップ搭載機器では、データは相手の機器へ与えるだけではなく、読み取ることも可能です。
そのため、たとえばFeliCaの場合、用途としては、FeliCaカード(携帯電話)の中に登録金額、登録ポイントなどのデータを貯めておくプリペイドカードやポイントカードなどに限られていました。
一方、NFCチップでは、たとえば携帯電話と携帯電話でお互いを認識しあったり、携帯電話と他の家電が互いの能力を調べたりする、というような、より幅広い応用が可能となります。
たとえばテレビ番組の情報を提供するNFCチップ内蔵ポスターに、NFCチップ搭載の携帯電話をかざすと、ポスターからさまざまな情報が得られ、次に携帯電話をNFCチップ搭載のテレビに持っていくと、テレビの機能を呼び出して、先ほどのポスターから読み取った情報を送って録画予約をする、というようなことも可能になるわけです。
なお、NFC規格のデータ転送に関しては、最大424kbpsという通信速度が実現できますが、NFCを認証だけに利用して、大きなデジタルデータの転送を行なう場合、Bluetoothや無線LANなど他の手段で補完するような応用も考えられているようです。
たとえば、NFCチップ搭載の携帯電話からNFCチップ搭載のパソコンにデジカメで撮影した写真データを送る際、機器同士をタッチさせて通信させる機器同士を指定させる(ここがNFCによる認証部分)と、自動的にデータの送信が始まる(この部分をBluetoothなどに担当させる)というような使い方が可能になるわけです。
■ URL
NFC Forum(英語)
http://www.nfc-forum.org/
■ 関連記事
・ ノキア、世界初のNFCチップ搭載端末「Nokia 6131 NFC」
・ ソニーとNXP、FeliCa/MIFARE対応非接触ICの新会社
・ ソニー、ノキア、フィリップスが近接型通信規格の新団体を発足
(大和 哲)
2007/01/23 11:50
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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