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第284回:アクセス制限サービス とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


利用サイトを制限

 「アクセス制限サービス」は、携帯電話からのインターネットへのアクセスを、全て、または一部制限する機能です。

 たとえば、iモードやEZwebを使えなくしたり、あるいは「好ましくない」と思われるサイトへのアクセスを制限します。特に携帯電話の場合、出会い系サイトや成人向けサイトなど青少年に好ましくないとされるコンテンツをブロックするために、各携帯電話事業者によって、このサービスが提供されています。


携帯電話でのアクセス制限の一例。携帯電話から出会い系など「好ましくない」サイトへのアクセスしようとすると、「制限されている」という旨を表示して、アクセスをブロックする
携帯電話でのアクセス制限の一例。携帯電話から出会い系など「好ましくない」サイトへのアクセスしようとすると、「制限されている」という旨を表示して、アクセスをブロックする

 アクセスを制限する方法には、いくつかのやり方があります。代表的な手法としては、サイトへのアクセス自体を制限する方法、それに、フィルタリングと呼ばれる手法を使って特定のサイトへのアクセスのみを制限、許可する方法などです。このため、アクセス制限サービスは“フィルタリングサービス”と呼ばれることもあります。

 フィルタリングの技術として、URLフィルタリング、コンテンツフィルタリングなどの方法が知られています。URLフィルタリングは、携帯電話やパソコンがアクセスしようとするアドレス(URL)が、制限サイトに該当するかどうかを確認するやり方です。一方、コンテンツフィルタリングは、閲覧しようとしたサイトの内容を把握して、たとえば、NGワードが入っていた場合、表示を行なわないというようなやり方です。

 携帯電話の場合は、いずれの事業者も公式メニュー内だけにアクセスを制限するサービスのほか、出会い系サイトやギャンブル系サイトへのアクセスを制限するサービスを提供しています。

 URLフィルタリングでは一般的に、アクセス先のURLなどの情報を確認して、好ましくないサイトを列挙した「ブラックリスト」の場合はアクセスを制限する、あるいは、好ましいサイトのみをピックアップした「ホワイトリスト」へのアクセスを許可する、という形になります。たとえばボーダフォンの場合、以下のようなカテゴリーに分類されるサイトを「好ましくない」サイトとしてブラックリストに登録しています。


  • 不法(違法と思われる行為、違法と思われる薬物、不適切な薬物利用)
  • 主張(軍事・テロ・過激派、武器・兵器、誹謗・中傷、自殺・家出、主張一般)
  • アダルト(性行為、ヌード画像、性風俗、アダルト検索・リンク集)
  • セキュリティ(ハッキング、不正コード配布、公開プロキシ)
  • 出会い(出会い・異性紹介、結婚紹介)
  • ギャンブル(ギャンブル一般)
  • コミュニケーション(ウェブチャット、掲示板、IT掲示板)
  • グロテスク(グロテスク)
  • 成人嗜好(娯楽誌、喫煙、飲酒、アルコール製品、水着・下着・フェチ画像、文章による性的表現、コスプレ)
  • オカルト(オカルト)

ボーダフォンサイト「お子さまのネット環境を守るために」より


各事業者のサービス内容

 携帯電話各事業者によって提供されているアクセス制限サービスですが、その内容は、事業者によって微妙に異なります。

 ドコモの場合、アクセス制限サービスとしては「キッズiモード」、「キッズiモードプラス」の2種類の制限サービスがあります。キッズiモードは、iモードメニューサイトのみ閲覧可能で、インターネットで公開されている一般サイトは一律に制限するサービスです。キッズiモードプラスは、URLフィルタリングでブロックされる出会い系サイトやギャンブル系サイトは除き、一般サイトにアクセスできます。ドコモの場合、これらに加えて、「時間制限」フィルタリングを追加可能である、という特徴があります。これは、夜22時から朝6時までiモードでのアクセス自体を制限する機能です。

 auの場合、「EZ安心アクセスサービス」という名称のアクセス制限サービスがあります。このサービスは、EZweb公式サイトの中でも、安心アクセスサービスで表示が許可されている「安心サービス対応サイト」のみが表示できるという厳しいものになっています。対応サイトはDUOGATEのEZ安心アクセスサービス対応サイトで確認できます。

 なお、このEZ安心アクセスサービスを利用した場合、EZトップメニューには、アクセス可能なサイトのみがピックアップされた、同サービス専用のものが表示されるようになります。

 また、auには、EZwebのアクセス自体をauホームページ、料金照会、安心ナビなどのみに絞ってしまう「EZweb利用制限」というサービスも存在します。

 ボーダフォンの場合、携帯電話からのインターネットアクセスを制限する「インターネットアクセス制御」のほかに、3G携帯電話限定で「ウェブ利用制限」というアクセス制限が提供されています。この機能では、ドコモのキッズiモードプラスと同じく、URLフィルタリングによって好ましくないとされたサイトへのアクセスはブロックされ、それ以外の一般サイトへのアクセスのみが可能となります。

 なお、ボーダフォンの場合、Webブラウジングのフィルタリングだけでなく、WebサイトにアクセスするためのURLが記されたメールを制限する「メールフィルタリング」もサービスとして提供されており、組み合わせて利用することが可能になっているのが特徴です。

 これらの携帯電話事業者のサービスは、いずれも無料となっており、登録のみで利用できるのです。



URL
  TCA フィルタリングサービスPRキャンペーンのお知らせ
  http://www.tca.or.jp/japan/news/060706.html
  NTTドコモ キッズiモード
  http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/menu_site/kids_imode/
  au EZ安心アクセスサービス
  http://www.au.kddi.com/ezweb/anshin_access/
  ボーダフォン お子さまのネット環境を守るために
  http://www.vodafone.jp/support/safety/web/for_kids.html

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(大和 哲)
2006/08/03 11:24

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