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東京都、フィルタリングサービス利用を呼びかけ

警視庁円谷氏

警視庁円谷氏
 東京都は31日、量販店や青少年の保護者に向けて、携帯各社が提供するフィルタリングサービスの利用促進を目的とした説明会を開催した。

 冒頭、挨拶を行なった東京都青少年・治安対策本部の小島昭氏は、「青少年が被害者となるケースが頻発しており、特に東京では児童買春が頻発している。それも統計データを見れば、パソコンではなく携帯電話で出会い系サイトにアクセスしており、フィルタリングサービスが普及していれば、かなりの被害が防げたのではないか」と述べた。

 また同本部健全育成課長の松坂規生氏は、東京都が制定した「東京都青少年の健全な育成に関する条例」を説明しながら、「量販店の方々には、携帯電話販売の際にフィルタリングサービスの利用を推奨して欲しい」と語り、協力を求めた。

 警視庁少年育成課長の円谷靜明氏からは、児童買春などに関わる犯罪件数などが紹介された。同氏によれば、2005年に児童買春・児童ポルノ・人身売買で検挙されたのは、都内だけで398件、検挙人数は191人。これらの事件で被害を受けた児童は373人だったが、このうち、中学生が39%、高校生が28%を占めている。この高校生162人のうち、出会い系サイトを携帯から利用したのは152人、パソコン利用者は3人となっているという。

 このほか説明会では、TCA(電気通信事業者協会)やインターネット協会などによる取り組みが紹介された。

 保護者側の立場で参加していた東京都公立高校PTA連合会の増田副会長と、東京都公立中学校PTA協議会の津久井副会長からは、「携帯電話向けにフィルタリングサービスが存在することを知らなかった」「URLという単語でも専門的と感じてわからない、面倒くさいと捉えてしまう」といった意見が寄せられていた。

 学校などの要請を受けてネット利用に対する各種セミナーを提供するマルチメディア振興センターの永井正直氏は「eネットキャラバンという形でセミナーを展開しているが、対応策は5つあると思う。1つはマナーなどの考え方自体を整備すること、そして今回の啓発対象となっているフィルタリングサービスのような技術的な仕組み、3つ目が相談できる場所を設けること、4つ目が行政による法令・条例の整備。5つ目は教育面でのことで、学校カリキュラムや保護者への周知徹底だ。実際にPTAなどから要請されて講義した場合、会場でフィルタリングサービスの認知度を聞いて、2割ほどの人が手を挙げれば“すごい”と感じるほど」と述べており、保護者に向けた啓発・周知活動の重要性が明らかにされた。

 なお、携帯各社では、NTTドコモが「キッズiモード/キッズiモードプラス」、KDDIが「EZ安心アクセスサービス」「EZweb利用制限」、ボーダフォンが「ウェブ利用制限」といった名称で一般サイトへのアクセスを制限したり、URLフィルタリングを行なうサービスを提供している。



URL
  報道資料
  http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/07/20g7o500.htm

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(関口 聖)
2006/07/31 17:14

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