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第266回:ハードディスク とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


ハードディスク内蔵のW41T
 ハードディスクは、代表的なコンピュータ用の補助記憶装置です。「HDD(Hard Disk Drive)」と呼ばれることもあります。

 補助記憶とは、英語では「storage(ストレージ)」とも言い、データを保管しておくための場所を指します。ちなみに、主記憶は、コンピュータのプログラムが実行される際に一時的にデータが置かれる場所で、いわゆる「メモリ」と呼ばれているものになります。

 携帯電話では、補助記憶としてはminiSDカードや、メモリースティックDuo、microSDカードなど、フラッシュメモリという媒体を使った装置が多く使われていますが、最近では、auのW41Tのように超小型のハードディスクを搭載する機種も出てきています。

 auのW41Tは、音楽サービス「au LISTEN MOBILE SERVICE」(LISMO)に対応した携帯電話で、4GBの記憶装置を内蔵しています。この記憶装置に使われているのが東芝製の0.85インチ(22mm)のハードディスクです。

 このLISMOサービスでは、携帯電話にダウンロードした音楽データを自宅のパソコンで楽しんだり、CDからパソコンに楽曲をリッピング…というような用途に使うことができるため、携帯電話に大量の音楽データを大量にストックすることが考えられます。

 ハードディスクは、比較的大容量な装置を作りやすく、また容量あたりのコストが安く済む補助記憶装置ですので。振動、衝撃に弱いといった弱点さえ克服できれば、このような用途には向いていると言えるでしょう。


物理的にディスクを回し、磁気記録する

東芝が2004年1月に発表した0.85型ハードディスクドライブ
 ハードディスクの仕組みですが、内部には、ガラス基板やアルミ基板に磁性体を蒸着して作られた「プラッタ」と呼ばれる円盤があります。ディスク上でのデータは、これをモータの力で回転させてこの板の上でヘッドという装置で、同心円状にプラッタ上の磁気を書いたり読んだりすることでデータの書き込み、読み込みを行ないます。

 ちなみに、このプラッタの素材が硬いことから「ハード」ディスクと呼ばれます。以前、パソコンやワープロ用に売られていた「フロッピー」ディスクはその名の通りfloppy、つまり、ふにゃふにゃのディスク、ということになります。

 ハードディスクの歴史は古く、1956年に米IBMによってRAMAC(Random Access Method of Accounting and Control)という装置が開発されています。

 また、1971年には同じくIBMによって、金属ケースに内部にプラッタ、プラッタを回転させるスピンドルモーター、ヘッド、ヘッドを動かすサーボモーター、これらを制御するエレキ基板などの一式を組み込んだIBM 3340ハードディスク装置、コードネーム:ウィンチェスター(winchester)が開発されました。これは、現在のハードディスク装置と同様の仕組みを持った、最初の装置ということになります。

 ハードディスクは、古くからコンピュータ用や家庭用に使われている媒体であるため量産に有利であり、その分、安価に作れること、また技術的には、大きなサイズのハードディスクから携帯電話に使われるような小型のものまで、技術的には共通化できる部分が多く、その分コストダウンが可能であることも利点として挙げられるでしょう。

 ただし、ハードディスクにはいくつか弱点もあります。プラッタをモーターで物理的に駆動する必要あるため、それなりの消費電力が必要となります。

 また振動や衝撃は、ハードディスクにとって脅威となります。というのもハードディスクは、物理的に高速回転しているプラッタ上で、正確に磁気をスポットに当てる必要があるため、10~20nmという非常に近い位置を動いています。この距離は、「全長70mのジャンボジェットが地上1mmのところを500km/h以上で飛行している」とたとえられるほど非常に小さな隙間です。このため、回転するディスク上に、ヘッドが近づいているとき、振動が加わるとヘッドが壊れたり、プラッタの破損が起こることがあるのはわかるかと思います。

 一般向けのハードディスクでは、加速度センサーを内蔵し、衝撃を感じる前にヘッドを安全な位置に退避するような仕組みを持っているものもありますが、物理的にハードディスクのような駆動部分をもたないフラッシュメモリと比べると、ハードディスクは衝撃に強くないということを覚えておいたほうが良いかもしれません。


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(大和 哲)
2006/03/15 11:44

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