■ Flashベースの疑似プッシュ型情報配信「iチャネル」
「iチャネル」は、NTTドコモの新たしい携帯電話向けサービスです。同サービス対応機種で利用契約を行なうと、ユーザーが携帯電話を操作しなくても「チャネルコンテンツ」と呼ばれるニュースの見出しや、概要などのデータを携帯電話に取り込むことができるようになります。
チャネルコンテンツは、携帯電話のiチャネルキーを押すだけで、画面上に一覧表示でき、TVのチャンネルのように「詳細コンテンツ」を切り替えて表示することが可能です。
このサービスでは、ドコモ自身が配信する「ベーシックチャネル」と、その他のコンテンツプロバイダが配信する「おこのみチャネル」がありますが、ベーシックチャネルに関しては待ち受け画面ではテロップとして表示させることも可能になっています。
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利用イメージ
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従来から、NTTドコモの携帯電話には「iモード」というコンテンツサービスがありました。これは、HTMLベースのコンテンツを、携帯電話上のブラウザを使ってコンテンツを表示するという仕組みでした。
それに対して、「iチャネル」は、コンテンツをFlashで描き、さらにコンテンツの見出しを携帯電話が自動的に一定間隔で取り込むことで、擬似的にプッシュ配信する仕組みにしたものだと考えるとわかりやすいでしょう。
2時間/3時間/1日/1週間に2回(3.5日)と4種類の自動更新のタイミングが用意されており、ユーザー設定によって定期的なコンテンツ更新が可能になっています。
チャネルコンテンツ(一覧画面)には、アイコン画像、56×56ピクセル以内のベースラインJPEG画像やノンインタレースGIF(透過GIFは非対応)、それに40バイト以内の(iモード絵文字も含む)テキストを記述することができます。ですので用途としては、日々更新される情報で、小さな画像と短いテキストで見出しが作れる情報の配信ということになるでしょう。たとえば、ニュースや天気予報などで、そのときどきの情報を配信するためにこのサービスを使うことが考えられるでしょう。
iチャネルが利用できるのは、新たに発売されるFOMA 701iシリーズで、今後発売される90Xiシリーズ・70Xiシリーズでも標準搭載される予定になっています。
■ 「FlashCast」の技術を利用
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自動更新するタイミングを設定できる
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iチャネルは、技術的には「FlashCast」をベースにしています。
FlashCastは、マクロメディアが携帯電話用のFlash Lite向けに開発したコンテンツ配信技術で、インターネットを使ってコンテンツを擬似的にプッシュ配信します。インターネット上の「Feedサーバー」と「DataSourceサーバー」で構成されるFlashCastサーバー、それにFlashコンテンツ本体の配信・CGIの実行の役割を担うWebサーバーを使って、Flashコンテンツを配信する仕組みになっています。
携帯電話側では、Flashコンテンツにアクセスするための情報として、登録CGIのURL、FeedサーバーのURL、詳細コンテンツのURL、チャネル名、チャネルIDの情報を持っています。
チャネルコンテンツを取得するために、携帯電話は、一定間隔でFlashCastサーバーにアクセスします。
まず携帯電話はNTTドコモのパケット網にアクセスし、その中にあるiモードサーバーを経由して、インターネット上などにあるFlashCastサーバーにアクセスします。つまり、iモードサーバーまではiモードコンテンツの取得と同じ経路を利用します。iモードサーバーとコンテンツプロバイダのFlashCastサーバー間の通信は専用プロトコルによって行なわれます。
このような仕組みを利用すると、気になるのは通信料ですが、FlashCastでは、携帯電話の端末側にもFlashCastコンテンツがキャッシュとして残されており、差分のみを配信することで、通信料を節約するようになっています。
なお、一覧画面から選択して表示することになる詳細コンテンツは、従来からあるiモード向けFlashコンテンツそのものです。iモードのコンテンツ配信と同様にWebサーバーからHTTP経由でアクセスしていることになります。
■ URL
「iチャネル」サービス概要(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/ichannel/
作ろうiモードコンテンツ(iチャネル)
http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/imode/make/ichanel/
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(大和 哲)
2005/09/06 12:33
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