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第227回:顔認識技術とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


コンピュータが顔を見分ける

OKAO Vision

 オムロンの顔認識技術「OKAO Vision」
 顔認識技術とは、人間が目で見て人を見分けるように、機械に視覚によって人を識別させる技術です。コンピュータに接続されたカメラなどから人間の顔を認識します。人間の顔のデータから、登録された人と写っている人が同一人物かを判断する認証や、顔かたちからその人の年齢や性別を判断するなどの応用に使われることもあります。

 顔認識による認証は、生体認証技術の1つといえますが、他のよくある生体認証、たとえば、指紋認証、静脈認証などと違って非接触で認証を行なうことができ、ユーザーの負担が少ない認証技術です。(カメラの性能や計算機の性能が充分あれば)防犯カメラなどと組み合わせて通りかかる人の顔を認識する、というように本人の気づかないうちに認識を行なう用途にも使えるであろう技術でもあります。

 携帯電話では、先ごろ発表された、ドコモのP901iSで「フェイスリーダー」がオムロンの顔認識技術を利用しています。

 P901iSにはいくつかのセキュリティモードがあり、「ダブルセキュリティモード」では、おサイフケータイ機能などで認証が必要となった際に、パスワードの入力と、フェイスリーダーにあらかじめ写真が登録されているユーザーの顔を写すことで、機能が利用可能になります。他の人の顔を写したときには機能を利用することができません。

 携帯電話の場合、現在ではカメラ機能はほぼ必須といってもよい機能で、多くの機種で搭載されているため、指紋認証などと比べて特にハードウエアを追加する必要がなく、その分安いコストで機能追加できるのも、顔認識のメリットであると言えるでしょう。


さまざまな顔認識技術

P901iS

 「フェイスリーダー」機能を搭載したP901iS
 顔認証技術は、高度な画像処理技術の組み合わせによって実現されています。

 まず、カメラなどで撮影した画像からどこが人の顔なのか、さらに認証に使う人の顔のパーツがどこなのかを画像から探し出す特徴検出が必要になります。また、カメラで写した顔が、あらかじめユーザーとして登録された人であるかどうかを確認するために、登録された顔の特徴と同じ特徴をもっているかどうかを正確に照合しなければなりません。

 ところが、顔認証では、カメラで顔を写すだけですから、写す角度が登録した写真と今見ている画像とでは違うかもしれません。

 これらの課題に対して、どのような特徴の抽出方法を使い、これらをどのように組み合わせて顔認識を行なうかによって顔認識の精度や手軽さなどが大きく変わってきます。そのため、各企業や研究所などでは、工夫を凝らしてさまざまな方法でこの顔認証を実現しています。

 顔認識技術は、1973年に京都大学の金出教授の研究から始まった比較的新しい技術で、その後、1990年代に米国防総省主導でプロジェクトが立ち上がってから、多くの大学や企業、研究所で研究されるようになりました。

 現在では多くの機関から基本的な手法が公開されていますが、商品化されているものでは、米南カルフォルニア大学で提唱された「ガーバーウエーブレット変換+グラフ・マッチング」、米マサチューセッツ工科大学で提唱された「固有顔法」、ロックフェラー大学で提唱された「ローカルフィーチャー分析法」などがよく使われています。

 たとえば、フェイスリーダーでも使われている顔認識技術である、オムロンの「OKAO Vision」は、ガーバーウエーブレット変換+グラフ・マッチングの理論を基本に実用化された技術です。

 顔画像の上に目や鼻や口などの顔器官などの特徴となる点を見つけ出し、ガーバーフィルターによってデータをたたみ込むことで、その部分の色の濃さなどから、周期性や方向性を見つけ出します。簡単にいうと、口や目の周りのカーブや皺などの形や方向がそれぞれ違うのでそれを見つけ出している、ということです。そして、認証の場合は、この顔グラフを使用して、特徴点が似かよっていれば同一人物だと見なしているわけです。



URL
  OKAO Visionの概要(オムロン)
  http://www.omron.co.jp/r_d/vision/01.html

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(大和 哲)
2005/06/01 11:42

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