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第191回:音楽認識サービス とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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■ 音楽認識 とは
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国内初の音楽認識サービスである「MTV Music Finder powered by SHAZAM」では、携帯電話に曲を聴かせると、さまざまな情報を得られるようになっている
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音楽認識サービスとは、楽曲やその楽曲が入ったデータ(MP3、WMA)などから、その曲名や歌手などの情報を調べられるというサービスです。パソコン用のサービスとしては、米グレイスノートの「MusicID」がこのタイプのサービスとして有名で、曲データの音声の特徴などから、曲名などの情報をデータベースから取り出せます。
MP3やWMAといった音楽用のデジタルデータでは、曲名などの情報はIDタグという形でデータ内に埋め込むことが可能で、最近では、CDとして販売されている音楽には、楽曲の歌手や題名などを含んだ音楽データベースが用意されていますので、エンコードプログラムによっては曲名を自動的にMP3データなどに埋め込める場合もありますが、必ず埋め込まるとは限りません。この場合、手持ちのCDからMP3を作る際に手作業で1つ1つ曲名などを打ち込んでいくのはかなり面倒な作業です。
デジタルデータを自分で作成するのであれば、手間をかけてでも楽曲情報を調べられるでしょうが、ラジオや街中で耳にした曲の情報を入手するのは難しい場合もあります。そこで登場したのが、手軽に楽曲情報を調べられる音楽認識サービスです。
この音楽認識では、携帯電話用のサービスとして、最近「MTV Music Finder powered by SHAZAM」がスタートしています。同サービスは、MTVジャパンからボーダフォンライブ!向けに提供されており、携帯電話に楽曲を聴かせると、曲タイトルやアーティスト情報を得られます。
たとえば、携帯電話をラジオに近づけて聞かせると、曲を認識したサーバーが曲名や歌手名を携帯電話にメッセージで送るという形になります。このサービスでは、さらにオプションとして、問い合わせた曲の着信メロディとして購入することなども可能になっています。
■ 音楽認識の原理
音楽認識の技術的な要素は、「楽曲の特徴抽出」と「楽曲データのデータベース化」です。
認識を行なうには、サーバーがパソコンや携帯電話からデータを受けとり、それをデータベース中のデータから一致するものを検索し、検索結果をパソコンや携帯電話に返す、という作業が必要になります。しかし、楽曲のデジタルデータをそのまま利用してしまうと、通信に膨大な時間がかかってしまいますし、また同じ楽曲から制作したとしても、データそのものが同じになるとは限りません。そこで、この音楽認識サービスでは、楽曲から特徴だけを抽出して、それをサーバーに送るという形になっています。
この特徴データとしては、たとえば音楽CDであればTOC(Table of Contents、目次のような情報)というデータが送られます。マイクで拾ったり、MP3などのデジタルデータを利用する場合は、音楽中の波形の特徴を抽出してコンパクトにまとめて送信されます。
こうやって得られた楽曲の特徴を元に、データベースから該当する楽曲のデータを探し出され、ユーザーに提供されるのです。
■ URL
グレースノート
http://www.gracenote.com/gn_japan/
Shazam Entertainment Limited(英文)
http://www.shazamentertainment.com/
MTV Music Finder powered by SHAZAM サービス概要
http://www.mtvjapan.com/mobile/musicfinder.html
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(大和 哲)
2004/08/12 14:57
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