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ドコモがAIで通信混雑をリアルタイム解消、国内初でノキア「MantaRay AutoPilot」導入

 NTTドコモは22日、ノキアが開発したAI駆動型のネットワーク品質最適化システム「MantaRay AutoPilot」を19日に導入したと発表した。同システムの導入は国内初となる。

 あわせて、同システムをパブリッククラウド上に構築し、パブリッククラウド上のシステムからドコモネットワークの最適化を行うことに、世界で初めて成功したと発表した。

MantaRay AutoPilot導入の背景

 NTTドコモは、2025年11月にノキア製SON(Self-Organizing Network)システム「MantaRay SON」を導入した。SONとは、基地局同士が互いに連携し、電波状況などを自動で最適化する仕組み。

 SONにより、ネットワークのオペレーター(運用者)が手動で行っていた作業に要する時間を短縮できる。加えて、システムがネットワークを常に監視し、変化に応じた適切なアクションを自動で実行する「クローズドループ制御」による品質改善を実現した。

 しかし、SONによる自動化を通じて改善すべきパラメーターや、その設定変更ポリシーは、引き続きオペレーターが事前に設計・設定する必要があった。

 NTTドコモがMantaRay SONによる品質改善を進める中で、改善対象のパラメーター設計や設定変更ポリシーを、場所や時間帯にあわせてリアルタイムに設計・設定することの難しさが課題だった。

MantaRay AutoPilot

 今回導入したMantaRay AutoPilotによる新たなシステムは、このようなパラメーター定義・設定変更ポリシーのリアルタイムな設計・設定自動化を実現するものだ。

 システムの動作プロセスとしては、まず、MantaRay SON配下の各基地局から、通信品質やトラフィック量などの性能データをリアルタイムに収集する。

 次に、収集した性能データと、オペレーターによってあらかじめ設定された「インテント」(「特定エリアの通信速度を○Mbps以上に維持する」など)をもとに、MantaRay AutoPilotがAIを用いて分析・学習・評価を行う。これにより、改善すべきパラメーターや最適な実行タイミングが自律的に判断される。

 その後、AIの判断に基づき、最短15分間隔で品質最適化の指示がMantaRay SONに送られる。

 指示を受けたMantaRay SONは、対象となる基地局の設定を遠隔で変更し、ネットワーク品質の最適化を実行する。

 この、基地局・MantaRay SON・MantaRay AutoPilotの3つで構成されたシステムによるプロセスを繰り返すことで、ネットワークを自律的に最適化する。

MantaRay AutoPilot導入前との比較

 従来のMantaRay SONによる運用では、最適化の周期が1日単位で、設定変更する内容の検討や、変更後の効果測定は人手で行う必要があった。

 MantaRay AutoPilotの導入により、こういったパラメーター検討から効果測定までの一連のプロセスがAIによって完全に自動化されるため、最適化のサイクルが最短15分へ大幅に短縮できる。

 これにより、通信が混雑する場所や時間帯に応じたパラメーターの設計や設定変更ポリシーの設定を、人手を介さず、AIが昼夜問わずリアルタイムに実行できる。

 なお、NTTドコモはこのシステムをパブリッククラウド上に構築し、クラウド環境からのドコモネットワークの最適化を実現した。これにより、ハードウェアの調達状況に左右されない、迅速なシステム導入が可能となる。

 また、同社はMantaRay AutoPilotを導入したシステムの活用を通じて、通信事業者の国際的業界団体・TM Forumが定めるネットワーク運用の自動化レベルの指標のうち、「レベル4」の達成を目指す。

 レベル4は「高度な自律性」と定義される指標で、AIが状況を予測し、人間の指示なしに自律的にネットワークの制御や管理を行う段階だ。