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KDDIの「副回線サービス」終了で姿を消す「ソフトバンク以外のソフトバンク回線eSIM」

 2022年にKDDIが大規模通信障害を発生させて以降、携帯各社がスマートフォンの「デュアルSIM」の仕組みを活用し、バックアップ用の他社回線を追加する「副回線サービス」を提供するようになりました。

 ですがそのKDDIが2026年2月10日、主として個人向けの副回線サービスを終了することを明らかにしています。

 KDDIは2023年3月から、ソフトバンク回線を用いた副回線サービスを提供してきました。ですがリリース内容によると、災害時の通信手段としては公衆無線LANの「00000JAPAN」や衛星・スマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」などが代替になること。

 また、いわゆる事業者間ローミングの「JAPANローミング」の提供が予定されていることから、法人専用のプランを除く副回線サービスは2026年2月25日をもって受付を停止、2026年8月31日にサービス自体を終了させるとのことです。

2022年のKDDI大規模通信障害を受けて提供された「副回線サービス」。デュアルSIMを活用し、個人向けではソフトバンク回線を用いたバックアップ回線を提供するものだが、KDDIは2026年8月末でそれを終了させるという

 ただJAPANローミングはまだ始まっていませんし、00000JAPANやau Starlink Directはデータ通信専用なので、現在のタイミングで副回線サービスを終了させてしまうと大規模通信障害時の音声通話手段を提供できなくなってしまうのでは? という疑問が少なからず生じるところ。

 ですが他にもう1つ、KDDIが副回線サービスを終了することで生じる問題がありまして、それはソフトバンク以外で、ソフトバンク回線のeSIMによるサービスを提供する所がなくなってしまうことです。

 何を言っているのか? と思われるかもしれませんが、実は筆者が知る限り、主要なMVNOの中でソフトバンク回線をeSIMで提供する所がないのです。

 それゆえKDDIの副回線サービスこそが、ソフトバンク以外が提供する、ソフトバンク回線でeSIMが利用できるほぼ唯一の選択肢だったわけで、このサービスが終了してしまうとその選択肢が、実質的にソフトバンクが提供するものだけになってしまうのです。

 加えて最近では、アップルの「iPhone 17」シリーズのようにeSIMしか搭載しない機種が出てきています。それゆえ今後物理SIMだけのサービスでは、ソフトバンク回線をバックアップ回線として使えなくなる懸念があるのです。

 だったら素直にソフトバンクのサービスを使えばいいのでは? という声が出てくるのはごもっともですが、筆者がバックアップ回線に求めているのは、副回線サービスのようにデータ通信は低速でも、通信障害時に音声通話が利用でき、なおかつできる限り維持費が抑えられること。

 現在、ソフトバンク回線用として現在使用しているのは、オプテージ「mineo」の「マイそくスーパーライト(月額250円)」なのですが、こちらもソフトバンク回線だけはeSIMを選ぶことができません。

「マイそくスーパーライト」を提供するmineoの契約申し込み画面。eSIMを選択するとソフトバンク回線の「Sプラン」だけが選べなくなる

 それゆえ今後eSIMのみ搭載する機種に買い替えた際には、KDDIの副回線サービスへの乗り換えを考えていたのですが、今回のサービス終了でそれもできなくなってしまいました。

 現時点で代替となりそうなのは、割引なしであれば最も安く利用できるLINEMOの「LINEMOベストプラン(月額990円から)」なのですが、それでもKDDIの副回線サービス(月額429円)と比べれば倍くらいの金額はかかるため、バックアップ回線としては高いと感じてしまいます。

ソフトバンクの「LINEMO」が提供する「LINEMOベストプラン」は、通信量を月3GB以下に抑えれば割引なしで月額1000円以下と安いが、それでも副回線サービスと比べれば倍以上だ

 それゆえ筆者は、ソフトバンク回線でeSIMが使えるサービスを提供するMVNOの登場を、首を長くして待ち続けているのですが、一向にその気配はなし。

 とはいえ今後、物理SIMを搭載しないスマートフォンは確実に増え、eSIMの重要性は一層高まるでしょうから、早くソフトバンク以外のサービスでも、ソフトバンク回線でeSIMが使えるようになることを、ソフトバンクとMVNOの双方に強く求めたい所です。