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バルミューダ、2022年決算は“記録的な円安”の影響下に

 バルミューダは10日、2022年12月期の決算を発表した。同日に開催された決算説明会には、同社代表取締役社長の寺尾玄氏が登壇した。

寺尾氏

 通期決算の結果として、2022年の売上高は175億9500万円で、対前年で4.3%減となった。営業利益は7500万円で、対前年で95.1%減を記録。寺尾氏は「記録的な円安などによって原価率が上がった。経費の圧縮に取り組んで、意地で黒字にしたみたいなかたちになってしまった」とコメントした。

 製品カテゴリー別の売上高のうち、携帯端末関連は2021年の28億4700万円から8億6800万円に下落。寺尾氏はこの理由について「2021年11月に大型の納入があったが(編集部注:ソフトバンク向けの「BALMUDA Phone」を指すとみられる)、2022年は残数の納品に終わった」とした。

 2023年の業績予想として、全体での売上高は167億円を見込む。そのうち携帯端末関連は400万円にとどまり、2022年と比較して99.5%減となる。ただし、この数字には、後述する開発中の新製品が盛り込まれていないと見られ、開発の進捗次第で変わる可能性がある。

 寺尾氏は「携帯は現時点で具体的な開発案件として進めているものがある」としつつも、「業績予想に含めるだけの“かたさ(編集部注:確実性を指すとみられる)”がない」と続けた。

 「BALMUDA Technologies」ブランドにおける第1弾製品「BALMUDA Phone」に次ぐ第2弾のスマートフォン端末については、「(2022年)8月の段階で設計は終わっていた」と寺尾氏。しかし為替変動などの影響を受けて計画がストップし、現在は第3弾のデバイスの開発に取り組んでいるという。

 「スマートフォン分野からの撤退も想定しているのか」という質問に対し、寺尾氏は「現時点で視野に入れていない」と回答。

 家電製品も含めたバルミューダの強みについて「デザインが他社に比べて圧倒的に強い」とした同氏は「それ(デザイン)を“絵に描いた餅”とせず実物にしていく力は、20年かけて培ってきた我々の特徴」と力を込めて続け、今後の成長への意欲を見せた。