レビュー
バルミューダ「BALMUDA Phone」のカメラを試す――「料理モード」の実力は?
2022年1月18日 00:00
個性的な家電をリリースし注目を集めるメーカー「BALMUDA」。同社の扇風機やトースターなどを目にしたことがある人も多いだろう。
先日、その「BALMUDA」が満を持してスマートフォンを発売した。新ブランド「BALMUDA Technologies」からリリースされた端末は、そのデザインと性能、そして価格が大きなニュースとなった。そして最近では技適問題で耳目を集めている。
今回はこのAndroidスマートフォン「BALMUDA Phone」のカメラ性能を試してみた。外観のレビューなどは本紙別記事を参照してほしい。
iPhone 3G / 3GSのような丸みのあるボディ
「BALMUDA Phone」を手に持つと懐かしい感じがする。そう、10年以上前に発売されたアップルのiOS機「iPhone 3G」「iPhone 3GS」を手にした時の感触がよみがえるのだ。背面の丸くカーブを描いたフォルムが似ているからである。サイズ感と表面の仕上げが異なるが、過去に使ったことがある人ならば「あぁ」と思うことだろう。
大きさは手にちょうど収まる感じでちょうどいい。ただ画面サイズ(4.9インチ)とのトレードオフなので好みが分かれるかもしれない。
注目のカメラスペックは?
さて肝心のカメラだが、4800万画素のシングルカメラとなっている。記録画素数は1200万画素。同社のWebサイトにはこのように記されている。
背面カメラの最大記録画像サイズは1,200万画素です。4つの画素を1つに束ねることで、1画素あたりの光量を増やし1,200万画素の明るくきれいな写真を撮れます。4,800万画素で撮影することはできません。
近ごろのトレンドにのっとって、4つのピクセルを1つとして扱い、画質などの向上を狙った形である。
カメラの起動はスムーズ。電源と指紋認証を兼ねたボタンをダブルクリックするだけだ。ポケットの中でも即座にカメラを起動させることが可能なのでなかなかよい。
しかし問題なのは起動後である。すべての動作が緩慢なのだ。まずシャッターのレスポンスが遅い。シャッターチャンスだと思ってシャッターボタンに触れても、実際にシャッターが切れるまでワンテンポ、いやツーテンポ遅れるのだ。その間に被写体が移動してしまうこともしばしば。
スナップショットはちょっと苦手な感じ。またカメラモードの切り替えや設定をするのもスローで、ほかのスマートフォンからスイッチすると戸惑うことだろう。
限定されたカメラ機能
「BALMUDA Phone」はシングルカメラとあって、カメラの切り替えがなく機能は限定的だ。
撮影モードは「ムービー」「フォト」「料理」「人物」「夜景」で、端末による自動判別はなく、撮影者が自分で選択する必要がある。また設定画面も項目が少なくとてもシンプルだ。迷う心配がないくらいあっさりしている。
ウリの料理モードはいかに?
「BALMUDA」の製品というと、スチームトースターやオーブンレンジ、コーヒーメーカー、炊飯器など「味」に対して熱心なメーカーというイメージだ。
この「BALMUDA Phone」も例外ではない。前述のように「料理」モードを備えているからだ。
使うのはカンタン。メニューから「料理」を選んでシャッターボタンを押すだけだ。彩度と明るさがアップし、鮮やかで盛った写真が得られる。仕上がりはやや派手めに感じる。
この機能は発売初期時からソフトウェアアップデートによって描写が改善している。
実写
それでは「BALMUDA Phone」を持って、ブラブラと実写した感じをお伝えしよう。
シャッタータイムラグがあると書いたが、それを少なくするには、シャッターチャンス前にシャッターボタンを押し、いい瞬間にボタンから指を離すという技が使える(そう、昔のiPhoneのように、である)。お試しあれ。
まとめ
いろいろと話題を集める「BALMUDA Phone」だが、そのフォルムのおかげでホールド感は悪くない。
しかしカメラのレスポンスが問題である。上にも書いたが「シャッターチャンス前にシャッターボタンを押し、いい瞬間にボタンから指を離す」という技を使わないと、狙ったタイミングでの撮影は難しい。
また画質だが、最新スマートフォンの絵を見慣れた人には物足りなく映るのは間違いない。AIによるアシストやスマートHDRによる画質に日ごろ触れていると「昔懐かしい画質」に感じてしまう。
購入の際は、実機を操作して動作スピードと画質を体感してからの判断をオススメしたい。