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金子総務大臣、大規模通信障害時の事業者間ローミング「速やかに検討する」

 金子恭之総務大臣は、29日の閣議後会見で、7月2日に発生したKDDIの大規模通信障害を踏まえ、緊急通報ができる事業者間のローミングについて、「速やかに検討する」と語った。

 金子大臣は、携帯電話サービスがライフライン相当の重要なインフラとの認識を示しつつ、緊急通報が利用できなくなる事態が生じないよう「事業者間のローミングも重要な課題のひとつと認識している。クリアすべき課題はあり、速やかに検討を進めたい」とコメント。

 法的には、119番などへの緊急通報した際に電話が切れると、緊急通報を受けた機関からあらためて、電話をかけてきた人へ連絡できるよう「呼び返し(コールバック)」機能が必要とされている。この点について金子大臣は「呼び返し機能を有しない事業者間ローミングが導入された場合、災害時における救急活動などに支障が生じる可能性がある。そうした課題を踏まえつつ、さまざまな選択肢を視野に入れながら、具体的な実現方法を検討したい」とした。

 KDDIの報告書については、事故が発生したことにあらためて「大変遺憾」としたほか、行政指導と明言はしなかったが「しかるべき対応をする」と説明した。また外部有識者で構成される電気通信事故検証会議で、原因の検証など具体的な再発防止策を進めるとした。

 このほか、大規模障害発生時の国民への周知方法については、KDDIからの報告書でも「ユーザーへの周知、わかりやすさが不十分だった」とあったことを踏まえ、「利用者に対して障害に関する情報が確実に届く伝達手段が重要。電気通信事故検証会議において、そのあり方について業界全体でのルール策定を含めて検討したい」とした。