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金子総務大臣、大規模災害時の他社ローミングや無料Wi-Fi開放に「重要な課題のひとつ。今回の教訓活かす」

 金子恭之総務大臣は、12日の閣議後会見に応じて、2日に発生したKDDIの通信障害を受けた「障害発生時の他社へのローミング」などについて答えた。

 質疑では、週末に実施された参議院選挙や、その直前に発生した安倍晋三元首相の銃撃事件について語られる場面もあったが、本稿では携帯電話関連の質疑をお伝えする。

金子総務大臣

――KDDIの通信障害について、他社へ乗り入れるローミングに注目が集まっている。総務省を中心に10年以上前から議論されているが、いまだ実現していない。総務省としてローミングを進める考えはあるのか。

金子大臣
 携帯電話サービスは、国民のライフラインとして極めて重要なインフラです。こうした観点から、今回のような通信障害で、携帯電話が長時間利用できなくなる事態が生じないよう、臨時的に他の事業者へのネットワークへ乗り換えられるローミングも重要な課題のひとつと認識しています。

 一方、ローミングを実現するためには、ネットワーク設備の改修や、ローミングの運用ルールの策定などクリアすべき課題があります。総務省では、さまざまな選択肢を視野に入れながら、具体的な実現方策について検討してまいりたいと考えております。

――先日のKDDIに続き、短時間ではありますがNTTのドコモでも通信障害が起きた。その受け止めを。

金子大臣
 極めて重要なインフラである携帯電話サービスにおいて、短時間でも、続けて発生したことに懸念を持っています。

 携帯電話事業者には、サービスの確実かつ安定的な提供に向けてしっかりと取り組んでいただくよう、あらためてお願いするとともに、総務省としても再発防止に取り組んでいきたいと考えております。

――KDDIの大規模障害は、一民間企業の出来事だったが、その影響範囲を踏まえると、大規模災害に近い状況でもあったように思う。国内では、災害時に開放される無料Wi-Fi、あるいは緊急地震速報といった仕組みが整備されている。そうした仕組みを大規模障害でも使えるような制度、ルールを策定するような考えは?

金子大臣

 今般のような通信障害が発生した場合、利用者への適切な周知のあり方、代替となる通信手段の確保などが重要な課題になると認識しております。

 総務省としても、今後、さまざまな選択肢を視野に入れながら利用者が安心して携帯電話を利用できる環境の整備に向けて、携帯電話事業者とともに取り得る方策を検討してまいりたいと考えています。今回の教訓を活かして、しっかりと検討してまいりたいと思います。