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金子総務大臣、9月にも事業者間ローミング検討会設置へ

 金子恭之総務大臣は3日、臨時の記者会見でKDDIと沖縄セルラーに対する行政指導について言及した。合わせて事業者間ローミングの実現に向けた検討会が9月を目途に立ち上げられる方針が明かされた。

金子総務大臣

初めて「総務大臣」として行政指導

 金子大臣は、新型コロナウイルスの感染拡大や連日の猛暑による熱中症患者の増加、災害リスクも高まる中、携帯電話サービスの安定的な提供は喫緊の課題と指摘。

 その上で、7月上旬の通信障害はこれまでにない長時間かつ大規模だったとして「これまで総合通信基盤局 局長による行政指導を行ってきたが、事案の重大性に鑑みてはじめて総務大臣である私が直接厳重に注意・指導した」とKDDIと沖縄セルラーへの行政指導について説明した。

 一方で、行政処分もしくは業務改善命令を出す可能性については、KDDIが復旧に向けて速やかに取り組んでいたことから、電気通信事業法で定める業務改善命令の要件に該当しないとも述べた。

 加えて、監督官庁である総務省としての責任については、設備の技術基準への適合や運用の適正性などの確認を通じて適切に対応してきたと言及。

 「これまでにない、長時間かつ大規模な障害になったことは重く受け止めている」として、再発防止徹底のため「総務大臣として初めて事業者に対して直接指導した。同じような事案を再び発生させないよう監督官庁としての責任を引き続き果たしていく」とした。

 さらに今後、電気通信事故検証会議の結果を踏まえて、ほかの事業者についても一斉緊急点検を求めていく考えが示された。

事業者間ローミングも実現へ向けて検討

 さらに、今回の通信障害を受けて緊急通報をはじめとする携帯電話サービスの継続的な利用に向けて、事業者間ローミングなどに関する検討会を9月ごろに立ち上げるとした。

 同検討会においては、外部有識者や携帯電話事業者、緊急通報を取り扱う機関で検討を進め、年内にも基本的な方向性を示す見通しが示された。

 具体的な機能や運用ルール、設備改修など検討課題はさまざまあるとしつつも、金子大臣は「自然災害や通信障害時にも緊急通報が継続的に利用できる環境整備が最優先。実現に向けて速やかに検討を進めたい」とした。