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NTT島田社長、大規模障害時の他社ローミングに「できるだけ早く実現したい」

NTT 島田明社長

 8日、NTT(持株)の決算説明会で、島田明社長が大規模通信障害での他社ローミングについて考えを問われ「できるだけ早く実現したい」と語った。

 島田社長は、「KDDIの障害は他人事ではない。ドコモも昨年、障害があった。KDDI側の詳細なデータはよくわかっていないので、よく話を聞きながら、見直すべきところがあれば自らのネットワークでの対応をしたい」と前置きをした上で、「緊急通報のローミングについては、できるだけ早く実現できるよう協力したい」と意気込みを見せる。

 さらに同氏は、「そのためには事業者間の協力が必要で、総務省に指導していただきながら進めたい。時間をあまりかけないことが重要。折り返し(消防などからのコールバック)の議論などは論点に含めても良いが、時間やコストがかかり、それなりの議論が必要になる。まずはできることをなるべく早く実現し、対応していくことがいいと思っている」と述べ、緊急通報のみできるようにするとの意見を示した。

 島田氏は「IoT時代のネットワークアーキテクチャーやオペレーション(運営)は、自動運転などを考えると再度、強化する必要がある。再度、検討していきたい」としたほか、コスト負担について、島田氏は「事業者で負担すべきだと思う。いろんな段階、要求水準があるだろう。それに応じて考えていくことになるのではないか。単純なローミングをするのは、それぞれの事業者が責務として負担すべきと認識している」とコメント。なお、試算はまだ済んでいないという。

 このほか「どこまでローミング対象にするのか。この問題は結構複雑。輻輳が波及してもまずい。緊急通報以外で考える際には、輻輳が波及しないことは最低でも考えるべき。法人向けになるだろうが、バックアップのようなサービスメニューも考えていく必要がある」とした。