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NTTとスカパーJSAT「宇宙RAN/データセンター」事業の合弁会社を設立へ、Beyond5G/6Gに向けた取り組み

 NTT(持株)とスカパーJSATは、新たな宇宙統合コンピューティング・ネットワーク事業を担う合弁会社「Space Compass」の設立について、合意と契約を締結したと発表した。

 新会社「Space Compass」では、「宇宙データセンター事業」と「宇宙RAN(Radio Access Network)」に取り組む。

宇宙データセンター事業

 「宇宙データセンター事業」は、観測衛星などにより宇宙で収集される膨大なデータを静止軌道衛星(GEO、Geostationary Orbit Satellite)経由で地上に高速伝送する「光データリレーサービス」を2024年度より実施する。

 観測衛星から地上局に直接データを伝送する従来の方法では、地上局と通信できるタイミングや電波の通信容量制限があるが、「光データリレーサービス」では、光データ伝送を用いることで、大容量かつ準リアルタイムのデータ伝送ができるという。

 今後は、高度なコンピューティング機能を搭載した衛星を順次拡充し、宇宙での大容量通信とコンピューティング処理基盤を提供していく。また、2025年の大阪・関西万博では、NTTの大容量光通信技術の宇宙での実証を披露するとしている。

宇宙RAN/HAPSによるBeyond5G/6Gにおけるコミュニケーション基盤

 「宇宙RAN」事業では、高高度プラットフォーム(HAPS、High Altitude Platform Station)を用いた低遅延の通信サービスを2025年度に国内で提供開始する。

 HAPSではカバレッジ拡張が容易に行えるため、災害時の高信頼通信や船舶/航空機への大容量通信の提供、離島/へき地などこれまで通信サービスが提供できなかった場所へ通信サービスを提供できるようになる。

 携帯キャリアでは、地上基地局整備と並行してHAPSを組み合わせることで、カバレッジ拡張とモバイルネットワーク全体としてのコスト/エネルギー効率を改善できるという。

 今後は、静止軌道衛星及び低軌道衛星(LEO、low earth orbit satellite)も追加/統合し、カバレッジ拡充を図るとともに、無線通信広帯域化技術の開発によりHAPS一機当たりの通信キャパシティ拡大を目指すとしている。