ニュース

衛星通信でIoTデバイスを海洋や山間部で活用、NTTとJAXAの技術実証

 NTT(持株)は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2024年度に打ち上げる予定の革新的衛星技術実証4号機により、「衛星MIMO技術を活用した920MHz帯衛星IoTプラットフォームの軌道上実証」を実施する。地上通信網が整備されていない海洋や山間部などでのIoTデバイス活用を見すえ、各種技術を軌道上で実証するもの。

技術実証のイメージ

 NTT(持株)は、衛星で取得した高精細で大容量な観測情報などを活用すべく、超広域衛星センシングプラットフォームの開発を進める。

 同プラットフォームを実現するために、低軌道衛星から地上基地局へ送られる無線信号の伝送容量などを改善する「低軌道衛星MIMO技術」と、無線局免許が不要でさまざまな地上用LPWA無線端末を収容できる「衛星センシング技術」などが不可欠としている。

 今回は先述の技術をはじめとした技術の実証が、低軌道衛星の軌道上で実施される。たとえば「低軌道衛星MIMO技術」では、2×2MIMOにおいて、SISO伝送に比べてピーク値で2倍、平均で1.5倍以上、伝送容量を改善できることを実証する。

 また「衛星センシング技術」では、同一時刻・同一周波数に到来する2端末以上のLPWA端末の信号について、分離・復調できることを実証する。

 そのほか、920MHz帯/860MHz帯の上空干渉波調査なども実施される。NTT(持株)では将来的な展望として、河川監視による水害の事前検知など、海洋や山間部におけるセンシングサービスの提供を見すえる。