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「povo 2.0は基本料0円~」、どこまで0円で使える?

 KDDIが13日、新たに発表した「povo 2.0」は、月額0円をベースに、データ通信量などを「トッピング」として好みのものを選んでカスタマイズする料金だ。

 eSIMにも対応しており、なにもトッピングを付けなければ、いざというときに備える「2回線目」としても利用できる。普段は0円のまま、とりあえず契約したくなるところだが、本当に0円で使い続けられるのだろうか。

「180日間」のリミット

 大前提となるお話として、povoのサイトにも掲出されている文章を紹介したい。

povoのサイトでの注釈
最後に購入した有料トッピングの有効期限の翌日から180日間、有料トッピングの購入などがない場合、利用停止、契約解除となる場合があります。また別途所定の手数料等の費用がかかる場合があります。

 その内容は、180日という一定期間は無料で回線を維持したとしても、それ以降は使い続けられないという条件を示すものだ。なお有料トッピングを購入すること以外では、180日以内の通話料・SMS送信料の課金でも利用継続に至るとのこと。ただ詳細は未定で、どの程度の通話料・SMS送信料であればいいのか、といった考え方が今後示される可能性もある。

 なお、この注釈にある「所定の手数料」などの費用についてはKDDI広報からコメントを得られ次第追記する。

【追記】
 発表当初、「詳細は未定」とされていた、povo 2.0を継続利用するための利用額は660円になることが明らかにされた。

ユニバーサルサービスと電話リレーサービス

 たとえば、携帯電話を利用する際には、1回線あたり「ユニバーサルサービス利用料」と「電話リレーサービス料」がかかる。

 ユニバーサルサービス料は、第一種公衆電話と、緊急通報など全国で提供されるべきサービス(ユニバーサルサービス)を維持するため、2006年度からユーザーが負担している。年内は1カ月あたり3円支払う。

 一方、「電話リレーサービス料」は今夏から始まったもので聴覚障害者向けに手話や文字で電話を中継するサービス。その維持のため一般ユーザーは年間7円、負担する。

 KDDIでは「ほかのご利用料金が発生した月は別途ユニバーサル利用料、電話リレーサービス料がかかります。ただし、当面の間は0円となります」と案内。広報に確認したところ、ほかの利用料が発生しないときはどちらの料金も0円のままだという。

ギガ活だけで生活できる?

 povo 2.0では、新たに「#ギガ活」と名付けられた新サービスが用意される。

 対象店舗を訪れ、au PAYで決済したり、バーチャル空間で「ギガ」を探したりするとデータ通信量が付与されるといった内容だ。

 #ギガ活で得られる通信量だけで日々をまかなうという人も登場しそうな施策だが、KDDI広報によれば「ギガ活で取得したデータは有料トッピングに定義されるものと、そうでないものがある」という。ただ、この詳細は9月13日現在、明らかにされておらず、別途案内されることになる。

「使うとき」「使わないとき」をメリハリつけて

 本稿冒頭で触れた「0円」は、日頃の利用を考えると、実践する人はあまりいない例だったかもしれない。

 発表時点で開示された条件、その後確認した内容からすると、180日、つまり約半年に一度、何らかの有料トッピングを利用することで、割安な2回線目として「povo 2.0」を使いこなすこともできそう。

トッピング一覧
カテゴリトッピング名料金/回
データトッピングデータ追加1GB (7日間)390円
データ追加3GB (30日間)990円
データ追加20GB (30日間)2700円
データ追加60GB (90日間)6490円
データ追加150GB (180日間)1万2980円
データ使い放題 (24時間)330円
通話トッピング5分以内通話かけ放題月額550円
通話かけ放題月額1650円
コンテンツトッピングDAZN使い放題パック (7日間)760円
smash.使い放題パック (24時間)220円
ベースプラン概要
項目内容
月額基本料0円
月間データ容量0GB
国内通話料30秒あたり20円 (22円)
国内SMS利用料送信: 1通あたり3円 (3.3円) [70文字まで]
受信無料

 1回線目としての「povo 2.0」を考えるとどうだろうか。

 たとえばリモートワークが増えて外出時の通信量が減った、という場合は「390円、7日間1GB」を購入し、外出時には24時間使い放題を330円で、という使い方ができる。

 あるいは毎月、ある程度のデータ通信量を使うもののお手頃価格に抑えたいという場合は「60GB/90日間」「150GB/180日間」を選ぶといいかもしれない。それ以上使う場合はauの使い放題プランに切り替えるという選択肢もある。

 「povo 2.0」は、ユーザー側である程度「自分がどう使うか」を考える必要があるプランだ。その一方で「自らの使いこなしにあわせた料金しかかからない」と考えることもでき、メリハリをつけたスタイルを実現できるプランとも言えそう。発表当初からの特徴のひとつだった「トッピング」を全面に打ち出した、他社のオンライン専用料金プランとは一味違う内容に仕上げられている。なお、今後明らかにされる詳細次第ではちょっと本稿の内容との違いが出てくるかもしれないが、本誌ではその都度、「povo 2.0」のアップデートをお伝えしていく。